第三話
―――PiPi
メインシステム、パイロットデーター、照合ヲ開始シマス。認証終了マデ、オ待チクダサイ。
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―――ジジー
「なあ、ディック。このシャッター、焼き切るのにどれくらい掛かるんだ?」
〈オヨソ十分有レバ切レルハズデス。〉
「長いのか、短いのか。分からんな。」
『ぼやかないの。まだ短い方よ。どれほどの大きさの物か分からないから大きめにとっているのよ。大は小を兼ねると言うでしょう。』
「先に中を見て、大きさにあった穴にすればいいんじゃないのか?」
『そんな暇があると思っているのか?増援だ。全く鬱陶しいことこの上ないぞ。』
『まあ、安心して。僕たち二人で片付けるから。』
「信用してるよ。ナンバースの、しかもトップ二人がいるんだからな。」
『・・・ほめ言葉として受け取っておこう。』
「・・・しかし、なんでナンバースが来ているんだ?しかも二人。」
『さあ?それだけ依頼主が欲しがるものでもあるんじゃない?上の考えることはよく分からないわ。』
「だな。っと、切れたみたいだ。回収して撤退する。」
『了解。幸運を。』
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「敵、蜘蛛型、二。虎型、三。」
『虎では無い。豹だ。』
「どっちでもいいじゃん。同じ猫科でしょ。」
『その理屈だとライオンも同じになるぞ。』
「今それ、関係無いでしょ。細かいこと言ってると禿げるよ。」
『残念だな。私の家族には禿の人間は居ない。つまり、私は禿になる遺伝子は持っていないということになる。』
「あー。はいはい。そうですか。それはようござんしたね。」
『そういうことだ。では、先に行くぞ。』
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『ブラボー3、何してる!右側から狙われてるぞ!』
『くそ!機体の駆動がおかしい!関節部分に何か挟まってるみたいだ!』
「だから整備は常日頃やっとけってあれほど言っただろうが!アルファ4、5!3の援護に向かえ!私と2が前を受け持つ!後方から援護砲撃を!」
『『了解!』』
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「連中の狙いは格納されている未確認人型兵器のはずだ!急いで行かねばならんというのにっ!!」
『こいつら只の傭兵じゃないな!かなり場数を踏んでいやがる!ナンバースの連中か!?』
『格納庫に一機反応あり!今から急いだところで間に合いません!』
「アルファチームがまだ居れば何とかなったものを!機体の整備スケジュールでも漏れていたのか!?タイミングがよすぎるぞ!」
『敵機体、格納庫に侵入!っしま』
――ザシュ
『くそ!隊長!アルファ5がやられた!機動性能が違いすぎる!タランチュラでは対応しきれない!こいつじゃ無理だ!』
「浮遊型だろう!足だ!足元を狙うんだ!爆風でダメージを与えるんだ!」
『隊長、危ない!前です!』
「しまっ」
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「邪魔が入ったけど、これで二機目!」
『落ち着いて、冷静に、慎重に、そして確実に潰す。』
『此方、γ―3。目標を確認。回収行動に移る。』
『了解。此方もすぐに片付ける。ランデブーポイントにて合流を。』
『了解。オーバー。』
――――システム、パイロットノ承認待チデス。