金の髪の
エミリーが目覚めたらしい。
実はというほどでもないが、時間が空いていたので急いで向かう。
案内されたのは寮のティールーム。
魔術の高いものが多い我が国は、少子化の問題から色々なことが推奨されており、寮には男女年齢職業人種の区別はない。
中を見渡すと、金の髪の女が立ち上がり会釈をした。
違和感を感じる。
「おまえ、、タタか?」
「私の名はエミリーと申します、、、王子」
「図書館にいたのはおまえか?」
「いいえ。
それは私の叔父ではないかと、、」
「叔父?
おまえはタタを知っているのか?」
「、、叔父は十年ほど前に行方不明になっております。」
「では何故」
「十年ほど前から、良く知らない人に声をかけられたり、男と間違われることが増えました。
どうやら叔父は、幽体では入れぬ場所へは私を纏っている様です。」
タタはやはり幽体だったのか
図書館に入るエミリーに憑いて行き、中で自由行動をとっていたということなのか。
幽体は姿を偽れぬというし、、
「おまえは緑の術師だったな?」
「はい」
「おまえの叔父も?」
「、、いえ。
叔父は学者肌で、術師というよりは本を読み、書にまとめることを生業としていた様です」
そうか。
タタにはいつ会えるのだろうな。