表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イトツムギ  作者:
7/18

神の子

お風呂の探険は、なんだか私の心の息継ぎになった。


何をしていいのか

何をしてはいけないのか


サッパリわからない異世界で、身動き出来なくなってた気持ちが、ちょっとだけ、緩んだ。


何もしないままに、何かに恐れて、ただジッとしてたんだとわかった。



でも、毎日は特に変わらない。






OOOOOO


「あれは何だ」



「王様、私ごときにわかろうはずがございません。」


「、、、」


不機嫌に黙りこんだ王に、しかたなしに言葉をつなぐ。


「お姿は少女、特に恐ろしげな気はございません。


こちらを興味深げにご覧になられますが、けしてわれらの手をとめたり、妨げたりはなさりません。」


「、、、」


「あるじさま。

ご自分の目で耳で、確かめ、感じられませ」


世界は受け取る人により、少しづつ違うのだから。





おかしなもので、あの少女を見ることを楽しみにし、姿を確認して安心し、目が合うと緊張し、そんな出来事を繰り返すことに喜びと、少しの何かわからない気持ちがある。





OOOOOO


「ひめさま」



窓辺の少女がゆっくりと振り返る。


「今日は一段とお美しゅうございますね。

何か良いことでもございましたか?」



口数の少ない少女は、少し頬を染めて俯きがちに頷いた。



その愛くるしさに思わず抱きしめ、頬ずりしたくなるのを堪え、着替えを促す。



彼女はどんなに幼く稚い姿をしていようと神の子であり、怯えさせたり、悲しませてはならないと、神官からきつく申し渡されている。




思うままに過ごさせ、見守ること。


これが、神の子を預かる掟。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ