プロローグ~自己紹介~
────Sakishimamu・saion。
それは、天から与えられた神の力─────なんて凄いものではなく、しかしながら天から与えられた力であることには変りない────。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「なぁ~おいサガレぇ~」
「……………」
「なぁ~おいサガレってばぁ~!」
「……………」
「なぁなぁサガレってばぁ!!」
「………んだぁ~ッッ!!うっせえんだよテメェ!!お前には静かにするっつー言葉がないのか!?」
「は?あるわけねえだろ?」
「疑問系にすんな!疑問系に!!」
「それをゆうならお前だってうるせえじゃんか!」
「黙れ、逆ギレするな!」
「逆ギレなんかしてねえし!」
ぎゃわぎゃわぎゃわと騒ぐ青年2人。
「今日もいい天気だねぇ~チィちゃん」
「いい天気。けど、煩い」
「何時ものことだ」
「何時ものこと。でも慣れない」
「フフッ、そう言わないの、チィちゃん、マスター」
「だがなケイ、此処は何処だ?」
「え?バーでしょう?」
「そうだ、バーだ。だが客が居ない」
「あいつ等、せい」
ブラシを手に持つ女性、オムライスを頬張る少女、カウンターでガラスのコップを拭く黒人の男性。
右は喧嘩左は………いつも通りのスルー方向。いやぁ、まさにカオス状態である。
────こ此処はバー“アルカナ”。そしてバーのマスター、エギル。お手伝いの女性、ケイ。此処に住んでいる少女、チイ。
「また……負けた………ガクッ」
喧嘩に負けた青年、カイン。
「ったく、毎回毎回単調なんだよお前は」
「んなこたいったって癖なんだっつーの」
「癖とかなんとかなんか知らねーし、どうでもいいし」
そして、喧嘩の勝者、銀髪のサガレ。
以上五め──…
「ふぁ…ねみぃ」
訂正。カウンター側にある階段から、降りてきたのではなく、上ってきた青年、レスト。
以上六名である─────…