第二千八百九十一話 ガーブとトルマ
ガイウスはローグ王に言われ、困った表情となった。
「いや、そ、そうなる?まあ、そうなるか……いや、どうしようか?」
ガイウスは非常に困惑の表情で、頭を何度も左右に傾げた。
だがしばらく考えた後、決意を込めた表情に打って変わった。
「とにかく、五か国で会合を持とう。ジアラ王の意見も聞きたいしな」
ガイウスの提案に、ローグ王がうなずいた。
「そうだな。まずはそうすべきだな。おい、エラルダ」
ローグ王はそう言いつつ、手を振ってエラルダを手招いた。
エラルダはすかさずローグ王に近づき首を垂れた。
「すぐに会合を開けるよう、四か国の王たちに連絡を」
エラルダはすかさず返事をするなり、踵を返して部屋を出ていった。
ガイウスは大きく深呼吸をして、頭の中で現在の状況を整理し始めた。
そして思いついたことをローグ王にすかさず問いただした。
「ユラシアって、その両隣の大国と紛争状態だったはずだよね?」
ローグ王はうなずいた。
「そうだ。ユラシアは西にガーブ、東にトルマという国と接している。その両国は、いずれも大国といっていいほどの国力を有しているが、どちらもユラシアほどではない。その両国とユラシアは、現在紛争状態であり、よってすぐには南下してくるとは思っていなかったわけだが――」
「突如マンドに攻め入った、というわけだな」
ローグ王は難しい顔となった。
「まさか、だったな。まさかこのタイミングで南下するとは、誰も思わん。おそらくマンドも思っていなかっただろう」
「となると、事は一刻を争うな?」
「うむ。元々マンドは中規模の国。その上油断していたとなると、もしかするとすでに結果は出てしまっているかもしれん」
ガイウスは天を仰いだ。
「そうだよなあ、俺も紛争中だって聞いていたから、数年は南下はないと思っていたしなあ」
「それはわたしもだ。いや、恐らく誰もがそうだと思うぞ」
「ゆえに、よっぽど危ないな」
「誰も予測していない奇襲だからな。かなりの確率で成功するだろう」
「クロクはどうなんだ?」
「クロクもジアラ同様、古い約定がある。三か国は互いに軍事同盟を結んでいるような関係性だ」
ガイウスはそこで不思議そうに首を傾げた。
「ちょっと待ってくれ。軍事同盟が結ばれているんなら、ジアラって三か国同盟を結んでいるってことじゃないのか?その状態でさらに五か国連合に入れたりするのか?」




