第二千八百九十話 驚くべき一報
ガイウスがセーラ女王の部屋を辞し、廊下を歩いていると、ローグ王配下のエラルダと行き会った。
エラルダはガイウスの顔を見るや、ほっとした表情を浮かべた。
ガイウスはエラルダに近づき、問いかけた。
「どうした?もしかして俺を探していたのか?」
エラルダは足早に近づくなりうなずいた。
「はい。お探ししておりました。火急にお耳に入れておきたいことがございます」
ガイウスは途端に引き締まった表情となり、うなずいた。
「わかった。教えてくれ」
「はい、ですがここでは。ローグ王陛下のお部屋でお伝えしとうございます」
ガイウスは瞬時に同意した。
「わかった。行こう」
ガイウスは、エラルダと共に足早に廊下を急いだ。
そしてローグ王の部屋に辿り着くと、衛兵が無言で扉を開いた。
ガイウスは速度を落とすことなく部屋に入ると、待ち構えていたローグ王に問いかけた。
「何があった?」
すると、百戦錬磨のはずのローグ王が、緊張した面持ちで答えた。
「北の超大国ユラシアが、マンド国に攻め入った模様だ」
ガイウスは驚愕の声を上げた。
「なんだと!?本当かそれは!?」
ガイウスの叫びのような問いかけに、エラルダが答えた。
「本当です。先程、ユラシアが大規模な軍事演習を開始したとお伝えいたしましたが、その軍が、演習中に急遽南下、マンド国に攻め入ったとの報告が入りました」
「マンド国っていうのは確か、ジアラの北にある国だよな?」
「はい。マンド国をユラシアが占領した場合、ジアラ国はユラシアと国境を接することとなります」
ガイウスは突然のことに身体が上気したようで、呼吸が荒くなった。
その荒い呼吸を、深呼吸をすることで収めると、ガイウスは多少の冷静さを取り戻した。
「確か、マンドの東にはクロクという国があったと思うが?」
「ございます。ですが、現在のところクロクが動いたという報告はありません」
そこでガイウスは思い出した。
「確か、マンドが攻め込まれた場合、ジアラは約定により加勢するんじゃなかったか?」
ローグ王が重々しくうなずいた。
「その通りだ」
「ということは、だ。五か国連合を為したら、すぐにユラシアと直接対決ってわけか?」
ガイウスの問いかけに、ローグ王が苦笑した。
「さあ、それを決めるのは、お前になるんじゃないのか」




