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第二千八百四十四話 火力アップ

「おい、いいのか?本当に攻撃するぞ?」


 ガイウスは念のため、レーラに確認を取ろうとした。


 だが依然としてレーラは無言であった。


 そのため、ガイウスは攻撃を開始することにした。


「そんじゃあ、行くぜ」


 ガイウスは膜の先に浮かび上がる炎を見つめた。


 炎はまたさらに大きくなっていき、盛んに燃え上がった。


 そこでガイウスは眉根を寄せて念を送った。


 すると、突然横殴りの突風でも起こったかのように炎がレーラ目掛けて突き進んだ。


 炎は猛り狂ったように進み、漆黒の闇に包まれたレーラへと襲い掛かったのだった。


 ブワッ!


 炎は一瞬のうちにレーラを包み込み、燃え上がって明るく照らした。


 だが炎の中のレーラは、苦しむでもなく、平然としていた。


「この程度、どうということはありませんわ」


 ガイウスは軽く肩をすぼめた。


「火力が足りないみたいだな。ならば……」


 ガイウスが念を強く込めた。


 すると炎はさらに激しく燃え盛り、レーラを包み込んで渦を巻いた。


 炎の勢いによって辺りの空気を激しく巻き込み、凄まじいまでの風が巻き起こっている。


 すると、先ほどまで平然としていたレーラの顔が、徐々に歪み始めた。


「どうだ?いい加減にギブアップしたらどうなんだ?」


 レーラは、激しい炎に包まれながら苦悶の表情を浮かべながらも、その眼はガイウスをきつく睨みつけていた。


「誰が……諦めるものですか……」


 ガイウスはその様子を見て、肩をすぼめた。


「なんでそんなに頑張るんだ?」


 するとレーラが歯を食いしばりながら答えた。


「貴方のような訳の分からない者を、通せるわけがないでしょう」


 ガイウスはため息交じりに言い返した。


「訳の分からないって……あのさあ、俺はちゃんと自己紹介したし、そもそもが神様と話がしたいってだけで、害を為そうとしているわけじゃないんだぜ?だったらちょっと通してくれたっていいじゃないか」


 レーラはガイウスを睨みつけながら首を横に振った。


「お断りします。わたしは断じて貴方のような者を通す気はありませんので……」


 だがレーラの顔は激しく歪んでいる。


「あのさあ、俺がなんだってそんなに気に入らないんだ?」


 するとレーラが熱さで顔を歪めながらも、鼻で笑った。


「ふん、人間なんていう汚らしい生き物を、神様の元へお連れするなどできるものですか」

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