表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2829/2853

第二千八百二十六話 審判

「いいえ、死んでもらいます」


 エルネスは言うや、高熱源エネルギーを再び放出した。


 空気を斬り裂き、高熱源エネルギーがガイウスに迫る。


 ガイウスの前面に展開するバリアーがそれを防ぐ。


 凄まじい火花が飛び散り、ガイウスはエルネスの顔が見えないほどであった。


「参ったね」


 ガイウスはバリアーが高熱源エネルギーによって少しずつ解け始めているのを見て、思わずつぶやいた。


「ま、展開しまくればいいだけのことさ」


 ガイウスは言うや、目の前のバリアーを二重にした。


 すると、途端に最初のバリアーをエルネスの高熱源エネルギーが突き破った。


「怖っ!」


 ガイウスはさらにもう一枚バリアーを前面に展開した。


 するとすぐに二枚目のバリアーが破られた。


 ガイウスはため息を一つ吐くと、一気に二枚バリアーを展開した。


「なかなかに凄いな。これだけの高出力で撃ち続けるなんてのは」

 

 ガイウスはエルネスに対し感心しながらも、自分がやられるわけにもいかないとばかりに、次々とバリアーを展開していった。


 すると、それまで無言で高熱源エネルギーを放出し続けていたエルネスが口を開いた。


「しつこいですね。そろそろ諦めたらどうですか?」


 ガイウスはバリアーを展開しながら答えた。


「諦めるわけないでしょ。そんなことをしたら死んじゃうじゃん」


「ええ。わたしはそれをこそ望んでいるのですが」


「俺は望んじゃいないっての。あんたこそ俺を殺すのを諦めたらどうだ?」


「それは出来ません。貴方は罪を犯した。それ故罰を与えなければなりません」


「強情だねえ。だいたいさ、仮に俺が罪を犯したとしてだよ、なんであんたが罰を下すんだよ。その前に普通は裁判するだろ?」


「裁判?そんなものは必要ありません」


「いや、それはちょっと独善的すぎやしませんかねえ?」


「わたしは神に仕える者です。それくらいの判断は出来ますので」


「いやいやいやいや、そんな勝手に審判を下しちゃまずいでしょ」


「そんなことないと言っていますが?」


「そうはいっても、やっぱまずいっしょ。神様に判断を委ねたらどうよ?」


 するとエルネスが眉間に深いしわを寄せた。


「そのような煩わしいことに神様を巻き込むわけには参りません。貴方はここで、このわたしが処分いたします」


 エルネスはそう言い捨てるとやおら左手も上げ、新たにもう一本、高熱源エネルギーを放出するのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=46484825&si
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ