第千四百四十五話 書類の記述
「ふう……ここでサボると、カルラに後でバレたときに大変だからな。早速始めるとするか……」
ガイウスは例の日本語で書かれた大量の書類を前にして、しばらくの間途方に暮れていたものの、ようやく取り掛かる覚悟を決めたのか、一番手前にある小振りな書類の束にゆっくりと手を掛けたのだった。
「う~ん、これもあんまり大して重要そうな書類じゃないな~」
ガイウスはすぐさま手にしていた書類の束を後ろに回して置くと、次々に目の前の書類を手に取り、片っ端から読んでいった。
すると、気になる記述ガイウスの目に飛び込んで来たのであった。
「うん?これはもしかして、ルキフェルのことか?」
ガイウスは、記述の中にある「彼の者」という呼び方を見て、直感的にルキフェルを指していると確信した。
「多分そうだ間違いない。しかし何故ルキフェルが……」
ガイウスは夢中になって書類を読み耽った。
そしてようやく、書かれていることの意味を理解したのであった。
「なるほどね……イリスを殺したのはルキフェルってことか……」
ガイウスは独り言ちると、納得の表情を浮かべた。
「まあそうだろうね……神であるイリスを殺せるなんて、神以外ではあり得ないしね。しかもそれがルキフェルだってのは、殊更納得って感じだね」
ガイウスはそう呟くと、さらに書類を読み進めた。
「それにしても、何故ルキフェルが殺したってわかったんだろうか?」
ガイウスはこの大いなる疑問を解こうと、どんどんと読み進めた。
だが結局手元の書類には、それ以上重要な記述は見当たらなかったのであった。
「載ってない……参ったな、他の書類に書いてあるのかなあ?」
ガイウスはそう呟くと、少しだけ目線を上げて、書類の山を見つめたのであった。
「……何度見てもうんざりする量だよなあ~……」
ガイウスは嘆息混じりに言い捨てると、やおら手前の書類に手を掛けた。
すると、運の良いことに再び「彼の者」という記述にいきなりぶち当たった。
「おおーーー!!来たーーー!!ルキフェル来たーーー!!」
ガイウスは小躍りせんばかりに喜んだ。
そしてじっくりゆっくりと読み進めて、イリス殺害の真相を知ろうと努めた。
だが、結果それは残念ながら良くわからなかった。
「チェッ!結局何で殺したかはわからないままだな。でもルキフェルが殺したのはどうやら間違いなさそうだ。それにしてもルキフェルの奴……やっぱり他の神を殺せる程に強いのか……」
ガイウスはそう呟くと、大きな嘆息を吐き出して、暗澹たる表情を浮かべるのであった。




