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第十一章 神の棺

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第千四百三十一話 ルキフェルの意図

「……そうね。でも……特に何も思わなかったし、何も感じないわね」


 イオーヌがさもつまらなそうに言った。


 すると、それまでふて腐れてそっぽを向いていたガイウスがクルッと振り返った。


「悪かったね。どうせ俺はつまらない奴さ。何にも感じさせないくだらない男さ」


 ふて腐れをこじらせてガイウスが言った。


 するとカルラが呆れ果てた顔をして言った。


「ああ本当だね。実につまらなく、くだらない男だね。いつまでもそうやってふて腐れおって」


「だから悪かったと言っているし、つまらなくてくだらない男だって自分で言ってるじゃん」


「自分で言えばいいってもんじゃないよ」


「じゃあどうしろって言うんだよ?」


「決まっているだろ、黙ってな」


 カルラに一喝されて、ガイウスは再びそっぽを向いた。


 カルラは軽く一つ鼻息を鳴らすと、再びイオーヌに向き直った。


「それで、ルキフェルの意図については何か思い当たることはあるか?」


 イオーヌは軽く首を横に振った。


「いいえ、何にも」


「ふむ、何か劇的なことが起こるどころか、何もなしか……」


「そうね。わたしも、もっと何か凄いことが起こるのかと思ったんだけどね?」


「ほう、お前もか」


「ええ、だって会えば判るなんて言われたら、普通そう思わない?」


 イオーヌに問われ、カルラが笑みを浮かべながら答えた。


「ああ、そうだな。だが実際は何も起こらず、何も感じずだ。どういう意図があったのだろうな?お前はどう思う?」


「どうって……ルキフェルの意図って意味?」


「そうだ。お前の意見を聞きたいのだが?」


 イオーヌはいつものように人差し指をあごに当てて考えた。


 だが思い浮かばないのか、眉根を寄せてうかない顔となった。


「う~ん……わからないわ……なんで会えばわかるなんて言ったのかしら?……」


 イオーヌが本気で考え、その上で判らなかったと見て取ったカルラは、深くうなずいた。


「うむ、ルキフェルというのは、何でも見透かしているような男だと思うが、この件に関しては当てが外れたのだろうか?」


 するとそこで、ガイウスが再び振り返って言った。


「いや、それはないんじゃないかな?ルキフェルは……あの野郎は、今カルラが言った通りの男だよ。この世の全てを見透かしているかのような顔をしていやがるからな」


 ガイウスは、ふて腐れるのを忘れて吐き捨てるように言った。


 カルラは再び鼻を一つフンと鳴らすと、言ったのだった。


「だが見透かしている風であったとしても、実際に全てを見透かせているのではないんじゃないかな?」

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