第千四百三十話 カルラの尋問
再びふて腐れてそっぽを向いたガイウスを、カルラが吐き捨てるように言った。
「ふん、馬鹿がふて腐れおって。まあいい、こんな馬鹿は放っておこう。それより……」
カルラはそう言うと、イオーヌに向き直った。
「イオーヌ、聞いてもいいかな?」
「なにかしら?」
「ルキフェルとはどの程度の付き合いなのだ?」
「それでしたらわたくしが……」
イオーヌに成り代わり、シェスターがカルラに説明した。
「ふむ、なるほどな。関係性については……まあ判ったような、判らないような感じだが……」
カルラはそこで一旦咳払いをした。
「まあいい、それで、何故ここにいるのだ?ルキフェルの命なのだろう?」
「命ね……命ってほどじゃないけどね」
「ほう、では……お願いされたとかか?」
するとイオーヌが満面の笑みを浮かべた。
「そうね!そんな感じよ」
カルラは苦笑しつつ、続けた。
「そうか。それで何をお願いされたのだ?」
カルラの問いにイオーヌが上を見上げ、あごに人差し指を当てて考えた。
「ん~と……基本的にはカルビンの手伝いよ。それと……彼ね」
イオーヌはあごに当てていた人差し指を水平にして、ガイウスを指差した。
「……ガイウスか。で、ガイウスに対して何をしろと言われたのだ?」
カルラの問いにイオーヌが首を横に振った。
「別に何をしろだなんて言われてないわ」
「ほう、では何と?」
「ただ会えと言われただけよ」
「本当にそれだけか?」
厳しい表情で問うカルラに、イオーヌが肩をすくめた。
「そうよ。本当にそれだけ。それじゃあ何かまずいの?」
カルラは微笑みながら首を横に振った。
「いいや、まずくはないさ。だが不思議ではある。何故会うだけなのだ?普通ならば、会って何々をしろと言うものではないかな?」
「さあ、そんなことわたしに言われても判らないわ」
「かもしれんが、不思議には思わなかったのか?」
するとイオーヌが小首を傾げた。
「特に思わなかったわ。だって会えば判るって言われたし」
イオーヌは可愛らしく口を尖らせて言った。
だが対するカルラは目を細めて、イオーヌの様子をつぶさに観察するように見た。
「ほう、会えば判るか……で、実際ガイウスに会ってみてどうであった?」
イオーヌは少し考えてから、困ったような顔でもって答えた。
「……よく判らないわ……」
するとカルラはかなり口の端を上げてニヤリと笑い、イオーヌに対してかなり意地悪に言ったのだった。
「判らない?ルキフェルは会えば判ると言っていたんじゃないのかい?」




