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第千三百四十八話 二人

「ガイウスが言っていたことだが、サタンとルシファー……ルシフェルは同一なのか?」


 カルラが思い出したように問いかけた。


 ジーラは大いにうなずき、返答した。


「その通りだ。元々ルシフェルは神に仕える天使の中でも最上位の大天使であった。だが、ルシフェルはそのことに増長し、神に逆らった。結果、地獄に堕ちたということだ」


「ふうむ……やはりあちらの世界ではそうなのか……だがこちらの世界では……」


 するとジーラがカルラの言葉を引き取った。


「二人いる……というわけだな」


 カルラは大いに考え込んだ。


 だが、そんな答えが出るわけも無かった。


「ジーラ、貴方の意見を聞きたい。どう思う?」


 ジーラはしばし考えた後、ゆっくりと口を開いた。


「……この件については、これまでに散々考えてきたのだがな……正直判らぬ。本人に直接聞いてみたところで答えるとも思えないしな。永遠の謎かも知れんな」


「聞いても答えないか……そうだろうな。ルキフェルもサタンも、自らのことを語るようには見えなかったからな」


「そうだろう。故に謎だ」


「わかった。ちなみにあちらの世界のルシフェルは、サタンとなって存在自体は消え失せるのだな?」


「ああ、消え失せるという表現が正しいかは判らないがな。ルシフェルはサタンに変貌を遂げるのだからな」


「つまり完全な同一の存在というわけだ。だが、こちらの世界ではまったく別々の存在……もしやなにかのきっかけで二つに分かれたか……どう思う?」


「だからわからんよ。そんなことがあったとは聞いていない。ならやはり答えは出んよ」


 ジーラの回答に、カルラが仕方なくといった様子でうなずいた。


「……考える材料が不足しているな。ならば……他の質問をしたい」


「ああ、構わないぞ」


「では……先程ルシフェルは神に仕える大天使だと言っていたが、ではその神の名は何というのだ?」


 ジーラはいい質問だとばかりににやり笑いながら大いにうなずいた。


「神の名は……ヤーウェもしくはヤハウェ……という」


「もしくはとは、どういう意味だ?」


「本来は文字だけがあった。それを無理矢理読んだようなものなのでな。本当のところ、正確な呼び名は判っていないのだ」


「……不思議な話しだな……」


「そうか。こちらの世界だけに居る者からすると、不思議に聞こえるか。なるほどな」


「他の神はどうなのだ?」


 するとジーラが難しい顔付きとなった。


「他の神か……いるにはいるが、宗教が違う」


「……ああ、そうなのか……宗教によって違うのか……うん?ヤハウェを信じる宗教では他に神はいないのか?」


 ジーラは大きくうなずき、答えた。


「その通りだ。ヤハウェは唯一神なので……な」

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