表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1325/2853

第千三百二十三話 跳ね返す

 ガイウスは地面に押さえつけられながらも、必死に耐えた。


 だが次第に、意識が遠くなってきた。


「……やばい……このままじゃ……気絶しちまう……」


 ガイウスは、圧に抗おうと必死に身体をうねらせた。


 だがどれだけ力を振り絞ったところで、身じろぎ一つ出来なかった。


 するとそこで、突然サタンがガイウスの心中へと念を送った。


「特異点よ、魔装鎧の使い方を考えてみよ」


 その声は、ガイウスには天恵に聞こえた。


 すぐさまガイウスは、魔装鎧に意識を集中した。


 すると、ぼんやりとではあるものの、魔装鎧が反応したようにガイウスには思えた。


(……いけそうな気がする……どうも魔装鎧には意識のようなモノがあるように感じる……これはもしかして、サタンの分身か何かか?……)


 ガイウスはしばし魔装鎧の正体について思考を巡らしたものの、ふとそんなことをしている場合ではないと思い出し、再び意識を魔装鎧に集中させるのであった。


 すると、何やらコツのようなものを掴んだ気がした。


 ガイウスは苦しみの中ながらも、喜色を表に表した。


(よし!いける……この圧を跳ね返せるぞ!)


 そうガイウスが思った瞬間、その全身を押さえつけていた圧力がフッと消え失せた。


 ガイウスは即座に全身に力を込め、勢いよく立ち上がろうとした。


 すると、思いの外それは簡単に成し遂げられた。


「よし!出来た!」


 驚いたのはカルラたちである。


「なんだとっ!?」


 カルラはそれだけ言うと、しばし絶句した。


 デルキアとカリンに至っては、唖然としすぎて端から言葉は一言を出なかった。


 そのためかどうか、唯一なんとか口がきけるカルラが、代表するような形で言ったのだった。


「突然どういうことだ……これも魔装鎧の力ということか?……」


 カルラのようやく絞り出したかのような問いに、ガイウスが軽やかに答えた。


「どうやらそのようだね。やっぱり凄いね、これ」


 ガイウスの、また人を舐めたような物言いに、カルラが完全にブチ切れた。


「貴様は~!どうしてすぐにそういう言い方になるんだ!この馬鹿弟子が~!!」


 カルラは怒りを力に変えて、さらに特大の光のシャワーを放った。


 だが、ガイウスにはまったく効果が無かった。


「いやあ、そんなに怒らないでよ。まあ確かに、ちょっと調子に乗ったところはあったかもしれないけどさ」


 ガイウスはカルラの怒りにさらに油を注ぐような物言いをした。


 すると当のカルラではなく、ようやく口が聞けるようになったデルキアがぶち切れたのだった。


「てんめえ~!!ぶち殺す!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=46484825&si
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ