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第千三百二十一話 カルラの予想

「……さて、今のところは判らんな……」


 カルラがガイウスへの下方攻撃を止め、サタンと正対しつつ言った。


 サタンは悪魔的な微笑を強め、探るような視線を送りながら言った。


「そうか……今のところは……か。ではやはりお前は確信めいているということだな?」


 カルラはそっと静かにうなずいた。


「……そうだな。わたしの中の何かが、そう告げているようだ」


「ほう、そうか。では予想ではどうだ?どのようなことが考えられると思うのだ?」


 サタンが楽しそうに、意地悪そうに問いかけた。


 だがカルラは少しも動じず、静かにゆっくりと答えたのだった。


「そうだな……まず虹の鎧は、従前言われているとおり、ルキフェルの贈り物なのかどうかだが、ここで一つ聞きたいことがある。サタンよ、あなたはあれが、ルキフェルよりの置き土産だと言った。しかもかなり確信を持ってだ。つまり……あなたはあれを纏っているルキフェルを以前に見たことがあるということだ。それは一体何時か?……当然それは大戦時ということになろう……ここまではどうか?」


 カルラはゆったりとした口調でありながら、長々と自らの予想を述べた。


 サタンは深く裂けた口元を引き歪ませて皮肉な笑みを浮かべた。


「……その通りだ。我は大戦時にあれを纏ったルキフェルと戦っておる……」


 素直に認めるサタンに、カルラが不審げな視線を送った。


「簡単に認めるんだな。ふむ……ということはそれが判っても想像も出来ない理由があるということだな?」


 サタンは大いに笑った。


「……さて、どうかな?そもそも我に含むところが本当にあるかどうかは、まだ判らんぞ?」


 だがカルラは即座にサタンの言を退けた。


「いや、そんなことはない。確実に理由があるはずだ。魔装鎧はあなたの最強防御魔法。それを初対面のガイウスに簡単にくれてやるなど、理由が無ければ有り得んことだ。そしてそれは、やはりルキフェル絡み以外に考えられんからな」


 カルラが確信を持って言った。


 サタンは伺うような嫌らしい笑みを浮かべながら、改めて問うた。


「……で、その理由は解けたのか?」


 カルラは大きく横に首を振った。


「いや、判らぬ。だが……いずれ判るときが来るだろう」


「いずれ……か。ではその時が来たら聞かせてもらおうか」


「ああ、そうさせてもらおう」


 カルラはそう告げると、おもむろに下を見た。


「ふん、さて再び加勢するとしよう」


 カルラはニヤリと笑い、再び両掌を下方にかざした。


 そして大きく息を吸い、ピタリと止めると、裂帛の気合いを込めて光のシャワーをガイウス目掛けて放出するのであった。

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