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第千三百九話 色ボケ女

 ガイウスもカルラ同様、結論は出せないと思い、そこで考えるのを止めた。


 すると、またも地響き立てて大きな音が轟いた。


 しかもそれは、次々に続いたのだった。


「……どんどん剥がれ落ちていく……どうやら本当に復活を遂げるって訳だね……」


 ガイウスは、サタンの表皮から続々と剥がれ落ちる永久凍土の成れの果てを、上空よりぼーっと眺めながら呟いた。


 そこで、ついにこれまでで最大の轟音が鳴り響き、サタンの上半身が完全に露わとなった。


 サタンはゆっくりと、自らの身体の感触を確かめるように両腕を動かした。


 そしてゆっくりと、上半身を軽くではあるも、ひねり始めた。


「……準備体操ってわけね……おっと、腰のあたりまで来たか……」


 ガイウスがサタンの腰のあたりを凝視しながら呟いた。


 すると、いつの間にやらガイウスの傍らに来ていたデルキアが言った。


「本当に復活するのだな……サタンの奴……まあいいさ、アスタロトも復活したことだしな……」


 するとそのさらに横を陣取るカリンが、さも嬉しそうに相好を崩して言ったのだった。


「そう!アスタロト様がついに復活するのよ!ていうかしているはずなのよ!」


 カリンがそう叫ぶと、案の定デルキアが混ぜっ返した。


「いや、まだそれは確認していないぞ?」


 カリンはすごい形相でデルキアを睨んだ。


「何言ってんのよ!あんただってたった今、アスタロト様が復活したからサタンが復活してもいいやって言ったじゃない!」


「そんなこと言ったっけ?」


「言ったわよ!とぼけんじゃないわよ!」


「ふん、アスタロトのこととなると相変わらず色ボケ女に早変わりだな?」


「誰が色ボケ女よ!」


「お前の他に誰がいるんだ?」


「何ですって!?」


「何だ?やるのか?」


「いいわよ!やってやるわよ!」


 すると、そこでようやくカルラが止めに入った。


「やめんか!お前たち!それは先程片が付いた話ではないか。まったく……何かあれば揉めおって……」


 カルラがいつもながらに呆れ顔で言うと、ガイウスが他人事のように言うのであった。


「大変だね~カルラも……この二人の相手なんて俺には無理だよ」


 ガイウスはそう言うと肩を大きくすくめた。


 カルラは額にピキッと怒りマークを作り、ガイウスに対してぶちまけたのだった。


「何を他人事みたいに言っているのだお前は!この二人が喧嘩を始めたらまずはお前が止めんか!それでダメなら師匠のわたしが出ても構わん。だが、まずはお前が行かんかこの馬鹿者が!」


 突然のカルラの叱咤に、ガイウスは首をすくめて恐縮するのであった。

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