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第千二百三十五話 鋭利なオーラ

「カリンー!どこだー!出て来いー!」


 デルキアは怒りの形相でもってカリンを探したものの、何処をどう見回してもその姿は見当たらなかった。


 するとデルキアの足下で、大きな石がぶつかり合うような大きな音が幾度も鳴り響いた。


 デルキアはカリン捜索を一旦打ち切り、自らの足下を見下ろした。


「ふん、ようやくお目覚めか?」


 するとその足下には、ヨロヨロとよろめきながらも瓦礫を掻き分け、立ち上がる『三人目』の姿があった。


「……よくも……やってくれたな?……」


 『三人目』は頭を強く打ち付けてしまったためか、顔面を赤く血で染めながら、般若の如き恐ろしげな表情でもって中空に浮かぶデルキアを見上げた。


「ああ、やってやったぞ。当然だろ?」


「……当然だと?……ふざけるな……」


「何がふざけているんだ?わたしはまったくふざけたつもりはないぞ?」


「それがふざけているって言ってんだよーーーーーーー!」


 『三人目』は叫ぶと同時にオーラを吹き出した。


 だがそれは先程とは異なり、自らの全身を丸く包むのではなく、刃物の如く鋭利な形となってデルキア目掛けて突き進んだのだった。


「なにっ!?」

 

 デルキアは一瞬オーラの形に戸惑ったものの、そこは歴戦の強者、すぐさま身体を反射的に動かして難を逃れた。


 だがそれは間一髪のことであり、ほんのわずかではあるがデルキアの髪は、鋭利なオーラに切り裂かれて宙を舞うこととなった。


 だがそのことに気付いたデルキアは、目をひん剥いて激怒した。


「……てんめえーーーーー!!女の髪を何だと思っていやがるんだーーーーーーー!!」


 デルキアはすぐさま両手を突き出し、『三人目』目掛けて攻撃魔法を速射砲のように撃ちまくった。


 その弾数は凄まじく、わずか十秒の内に五十発程も放ったほどであった。


 だがそれも、『三人目』にはまったく効かなかった。


 何故ならば、『三人目』がすぐさま鋭利に尖らせたオーラを収縮させ、自らの周りに纏わせたからであった。


 そのため『三人目』はまったくの無傷であり、デルキアはその姿を確認するや、唇を噛んで悔しがるのであった。


「ちっ!野郎、やっぱり魔法じゃだめだな」


 するとデルキアの目に、『三人目』の背中に向かってひらひらと虫のようなものが近づいていくのが見えた。


 デルキアはじーっと目を凝らしてそれを見た。


 するとその虫のようなものが『三人目』の背中すぐのところまで来るや、ポンッという可愛らしい音を立てたかと思うと、突如として巨大化し、人の形となったのであった。


「お・待・た・せ♡」


 カリンは可愛らしくそう言うと、突如として厳しい表情となり、『三人目』の背中目掛けてゼロ距離射程で攻撃魔法をぶっ放したのであった。

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