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第千二百二十九話 大黒柱

「食らえっ!」


 『三人目』が瞬く間にオーラを全開にしたかと思うと、前面のオーラを一瞬の内に凝縮させてカルラ目掛けて放った。


 放たれたオーラはさながら螺旋が切られた銃口より発射された銃弾の如く、錐揉みしながらカルラのオーラに激突した。


 するとオーラの銃弾が、カルラの前面のオーラをねじ込むようにえぐり、終いには見事に貫通したのだった。


 だがそこにカルラはいなかった。


 カルラ本人は一瞬の内に何処かへ消え失せ、後に残された蜃気楼が銃弾のオーラによって切り裂かれたのみであった。


「ちっ!また消えやがった!……だが今度は本当に……」


 『三人目』は周囲に気を用いて、カルラの姿を必死に探した。


 だがやはり先程同様カルラの姿を捉えることはかなわなかった。


「……どこだ?……今度は何処にいやがる?……」


 『三人目』は首を振りつつ、視線をギョロギョロとまんべんなく周囲三百六十度に送った。


 だがそれでもカルラの姿は発見できなかった。


 そのため『三人目』は心底苛立ち、その形相は悪相そのものといって差し支えないほどのものとなった。


 すると突然、何処からかカルラの声が降って湧いた。


「ふん、なるほど。さも殺人鬼という面相だな」


 『三人目』は突如聞こえたカルラの声に、顔を歪めてさらなる悪相となって叫んだ。


「何処だ!?何処にいやがる!!姿を現わしたらどうなんだ!?」


 だがカルラの声がそれ以上聞こえることはなかった。


「くそっ!返事しやがれ!おい!!どうした!?」


 だがいくら『三人目』が怒鳴り上げてもカルラは出て来ない。


 するとついに『三人目』の堪忍袋の緒が切れたのだった。


「くそったれ!!!」


 『三人目』は叫ぶや、四方八方にオーラの銃弾を無闇矢鱈に撃ちまくった。


 オーラの銃弾は次々にアスタロト邸の壁を突き破り、甚大な被害を建物に与えたのだった。


 だがそれでカルラが姿を現わすはずもなかった。


「出て来い!!おらーーー!!!」


 『三人目』はさらに銃弾を雨霰と撃ちまくった。


 するとその一弾が、館の大黒柱の一つを打ち砕いた。


 大黒柱は中心に大きな穴を穿たれ、幾本もの亀裂が縦横無尽に柱に走った。


 そして次第に亀裂が大きくなってくると、亀裂同士が互いに繋がり、さらに大きな亀裂となって柱を蝕んだ。


 そして、ついに柱は大穴を中心に破砕し、大黒柱が崩れ去ったのであった。


 だがしばらくはそれ以外に何事もなく時間が過ぎた。


 その時が来たのは大黒柱が崩れ落ちてから一分ほど経った頃であった。


 大黒柱が支えていた天井が、ついに音を立てて崩れ落ちたのであった。

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