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第千二百十話 意見

「……これ、さっきの攻撃よりも遙かに強力なんですけど……」


 ガイウスは、先程自分に対して向けられた姉妹の攻撃と比較して、驚きと共に呆れた。


 すると、そんなガイウスのすぐ側へと避難してきたカルラもそれに同意した。


「……本当だな。どうやら先程のは本気ではあったが、真の実力ではなかったようだ……」


 カルラは吹き飛んだ天井と、深く抉られた床下を交互に眺めながら、呆れると同時に深く感嘆した。


「……いや、感心している場合じゃないでしょ?このまま放って置いたら、この館ごと吹き飛んじゃうと思うけど……」


「……それもそうだな。何処か切りのいいところで止めねばならんな……」


「切りのいいところって、どんなところだよ?そんなのあるの?」


「さあな。だがとりあえずは見守るしかあるまい。どちらも我らに聞く耳を持っていない状態なのでな」


 するとガイウスが半目となって心底呆れ顔で溜息を吐いた。


「……もう、なんなんだよあの二人……姉妹喧嘩ならよそでやってくんないかな~」


 するとカルラが思わず苦笑を漏らした。


「よそもなにも、ここはカリンの家だぞ?どちらかといえばよそ者は我らの方だ」


「……ああ、そう言えばそうだった……て言ってる場合じゃなーーーーい!!」


 ガイウスは叫ぶや、咄嗟に横っ飛びに最大速度で脱出を計った。


 カルラも同様に上空へと最大戦速で飛び上がった。


 すると先程まで二人がいた空間を途轍もなく膨大なエネルギー波が襲った。


 エネルギー波はアスタロト邸の壁を紙切れのように溶かしたかと思うと、見渡す限りの壁という壁を次々に突き破っていった。


 ガイウスは、そのエネルギー波の通り道を覗き込むや、大口をあんぐりと開けて呆れた。


「……いや、やばいって……この壁ってかなり魔法耐性があったはずだぜ?それなのに何枚突き破ってんだよ……死人がでてなきゃいいけど……」


 すると上空へと避難していたカルラも呆れ顔全開でガイウスの元へと降りてきた。


「……さすがというか、なんというか……ガイウスよ、さっきこれを食らっていたらひとたまりも無かったな?」


 すると他人事の様なカルラに、ガイウスがすかさず意見した。


「だから感心している場合かって!止めなきゃまずいよ!」


 ガイウスに言われ、カルラもここでようやく顔を引き締めた。


「そうだな。だが……どうやって止めるか、それが問題だ」


 するとガイウスの頬が突如大きく引き攣った。


「……それなんだよね。結局……どうしよう?……」


 ガイウスはデルキア、カリンのこれまで見たこともない凄まじい姉妹喧嘩に心底怯え、ぶるってしまうのであった。

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