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第千二百六話 再登場

 ガイウスが、デルキアたちの攻撃に感心しているところへ、突然すました顔をしたカルラが虚空から現われ出でた。


「……今頃ご登場ですか……」


 するとカルラが口元に笑みを浮かべながら、ガイウスに応じた。


「まあな。初めはしばらくの間は高みの見物としゃれ込んでいたのだが、お前があっさりと一撃でぶっ飛ばされたのを見てな。仕方なく出てきたというわけだ」


 カルラの嫌みにガイウスの頬がいつもの如くピクピクと痙攣した。


 だがカルラは当然の如く情け容赦なく、さらにガイウスに対して追い打ちを掛けるのであった。


「いくらデルキアの奇襲戦法が素晴らしかったとはいえ、なんの抵抗も出来ずに一発で沈むとは……話しにならんな。それでは先程のように別人格が出てくる暇もないじゃないか」


 するとガイウスが不本意そうに返答した。


「……あの、お言葉ですが……今のはちょっとびっくりしたというか……てっきりカルラが出てくるものだとばかり思っていたところに、突然デルキアが登場したもんで……」


 だがカルラはここでも容赦しなかった。


「甘い。あまりにも甘ったるすぎて胸焼けがしそうなくらいだ。たかが驚いたくらいで直撃を食らうなよ。馬鹿者め」


 カルラの強烈な叱責にガイウスが言葉を失っていると、得意満面のデルキアが割り込んできた。


「まあそう責めるなカルラよ。ガイウスもそんなに油断していたわけじゃない。それどころかかなり警戒していたはずだ。だがその上をわたしが行った。それだけのことさ」


 デルキアは顎をクイッと上げて、得意げに言い放った。


 するとやはり当然の如く誰よりも先にカリンが突っ込んだ。


「なによ、その言い方。ずいぶんと嫌らしいじゃないの。得意げに自慢しちゃって。再三行っているけど、あんただけの手柄じゃないんだからね」


「お前しつこいぞ。さっきからごちゃごちゃと」


「何がごちゃごちゃよ。あんたが馬鹿なことを言い続けるからでしょ」


「何が馬鹿だ。そういうお前の方がもっと馬鹿だ」


「てことは自分が馬鹿だってことは認めるのね?やっぱりあんたって大馬鹿よ」


「何!?やんのか!?」


「いいわよ。いつでもかかってらっしゃい!」


 するとここでようやくカルラが二人のいつもの内輪揉めに割って入った。


「やめんか、二人とも!そのようなくだらないことで争うものじゃないぞ」


 するとカルラの言葉にカチンときたデルキアが吠えた。


「何がくだらないんだ!?返答次第によっては考えがあるぞ!?」


 だがカルラはデルキアよりも一枚上手であった。


「先程の攻撃が非常に見事だったのは間違いないのだ。それなのにそのことで争うなど、くだらないではないか」


 案の定デルキアの顔には、笑みが満面にほとばしるのであった。

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