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第千百七十四話 極限

「……今更なにを言ってるんだよ……」


 ガイウスが混乱気味に言った。


 するとカリンがまたもキッパリとした口調でもって言ったのだった。


「だからあんたを鍛えるのよ」


 ガイウスは思わず首を前に伸ばして、カリンの顔をまじまじと見た。


「……何を言って……」


「だ・か・ら・不確定要素のあんたを鍛えれば、もしかしたらサタンにだって勝てるかもしれないじゃない」


「だから俺を鍛えるっていうのか!?今から!?そんな短期間でサタンを脅かすくらい強くなるわけないだろ!?」


 するとカルラが大きくうなずいて言った。


「いや、いけるかもしれん。正直、このまま六人で行っても大丈夫だろうかとずっと考えていた。だが、どうシミュレーションをしても、勝てる気がしなかった。ならばカリンの言うとおり、サタンは我々の要求など聞きはすまい。ならばこの道中は、無駄足となると同時に、もしかすると、ガイウスをサタンに奪われる恐れもある。ここまで来て言うのもなんだが、やはりリスクが高いと言わざるをえん。だがここでガイウスを極限まで鍛えることが出来れば……もしかするといけるかもな」


 するとデルキアも賛同した。


「確かにな。まあ、このままいったらまず間違いなく負けるな。だったらこいつを徹底的に鍛えた方が良さそうだ」


 デルキアの意見にカリンも賛同した。


「うん、そうね。わたしたちはもうこれ以上、どう鍛えたところで大して力量は上がらないけど、あんたは違うわ。いけるところまでどんどん追い込んでいけば、結構すごいレベルまで到達するんじゃない?」


 ガイウスは目眩を覚えながらも、必死に抗弁を続けた。


「いやいやいやいや、ちょっと待ってよ。極限まで鍛えるとか、何言ってんの?そうなるまでにどれくらい時間かかるんだよ?一年?二年?それとも五年?もしかしたら十年以上かかるんじゃないの?それまでずーっとこんなところで特訓を続けようって言うの?正気じゃないよ!」


 だがこれにカルラが反駁した。


「いや、そんなにかからん。おそらく一週間もあれば大丈夫だろう」


「なにを根拠に!?極限までって言ったのはカルラだよ?俺の能力を極限まで鍛えるっていうのに、かかる時間が一週間?そんな馬鹿な!」


「なにせわたし一人ではないのでな。ここに頼もしい二人が付いている。それに後の二人もサポートをしっかりしてくれるだろうしな。ならばお前は、なにも気にせず特訓に励めばいいってことさ」


「いやいやいやいや、俺の質問に答えてない!なにを根拠に一週間で極限まで鍛え上げられるって言ったのさ!」


 するとカルラが何度もうなずき、ガイウスを小馬鹿にする様な顔をして言ったのであった。


「根拠など無い。ただの……勘さ」

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