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第千百四十三話 枝分かれ

「いいかい、意識を極限まで高めるんだよ?」


 カルラは自らの発する巨大なオーラに包まれ、その無重力の様な空間で髪の毛を逆立たせながら檄を飛ばした。


 すると、悪魔たちもカルラほどではないにしろ、それぞれがオーラを纏い始めた。


「へえ~、結構やるじゃん。さすがにレベルが高いね」


 ガイウスは最後方から彼らのオーラを眺め、少しばかり他人事のように呟いた。


 すると当然のようにカルラの地獄耳がそれを捉えた。


「何悠長なこと言ってんだい!この馬鹿弟子が!お前もさっさとやんな!」


 すかさずのカルラの怒号に、ガイウスが軽く肩をすくめた。


「へえへえ、今やりますよっと……」


 ガイウスはそう呟くと、自らの周囲にオーラを展開させた。


 するとそれは、時間の経過と共に次第に大きく巨大なものへとなっていった。


 そしてついには、ガイウスのオーラはカルラ同様、巨大な円柱のような形となった。


 その円柱状のオーラの中では、下から上へと何やら水流のようなものが流れ、髪の毛などを逆立たせた。


「ではいくか……」


 ガイウスは呟くと同時に円柱状のオーラを、悪魔たちへと向けた。


 オーラはゆっくりとした速度でもっていくつも分岐し、それぞれの悪魔たちの背中へと向かった。


 そしてオーラが悪魔たちと接触するや否や、悪魔たちの身体がビクリと大きく反応した。


 すると悪魔たちの一人がうめくような声を上げた。


「……お……おお……これは……」


 すると別の悪魔が感嘆の声を上げた。


「……す、すごい……エネルギーが……湧いてくるようだ……」


 するとガイウスが満足そうに笑みを漏らした。


「そうだろう?ま、そういうわけだから魔力総量に関しては気にしなくていいよ。思う存分使っちゃってよ」


 ガイウスの言葉に、悪魔たちが一斉に無言でうなずいた。


 だがそこで、再びカルラからの怒号がガイウスを襲った。


「おい!何でわたしには魔力を送らないんだい?さっさとよこしな。お前にはそれくらいしか能がないんだからね!」


 カルラにひどいことを言われ、ガイウスは思わず顔をしかめたものの、正直カルラに送るのをすっかり忘れていたため、慌ててオーラの一本を枝分かれさせて一番先頭にいるカルラの背中へと送った。


 するとそれを受けたカルラが大きくうなずいた。


「よし、これならいけそうだ。少し時間はかかるだろうが魔力量に関しては問題ない。後は体力勝負だ。皆力を合わせるんだよ」


 カルラの言葉に再び悪魔たちが大きくうなずいた。


 彼らは額に汗を滲ませながら、この作業をこれより数時間休みなく続けるのであった。

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