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第千百二十九話 地獄での再会

「……いた!ドーブ!久し振りー!」


 ガイウスは、カルラを伴い高速飛行している途上で、上空よりパックリと裂けた地面の脇に佇むドーブの姿を捉えて大声で叫んだ。


 するとゴツゴツとした岩肌の上に威風堂々と佇むドーブが、上空より緩やかなカーブを描いて下りてくるガイウスに対して笑顔で声を掛けた。


「……うむ。本当に久し振りだというのを実感しているぞ。ずいぶんと成長したではないかガイウス」


 ドーブは懐かしさの籠もった眼差しでガイウスを見つめた。


 するとガイウスが地面にしっかりと着地し、ドーブにゆっくりと近づきながら少し照れ気味に言った。


「まあね。パッと見じゃたぶん判らないでしょ?」


「……そうだな。いきなり町中で出くわしたとしたらわからないだろうな」


「だよね。それにしてもドーブは変わらないね」


 するとドーブが顔を上げて笑った。


「……それはそうだろう。わたしは悪魔なのでな。長命過ぎてわずか数年ではまったく変わることがない」


「だよね~。あっ!そうだ。紹介しなきゃ」


 ガイウスはそう言うと、後ろを振り返って左手でカルラを指し示した。


「ドーブ、こちらはカルラ。俺の師匠の大魔導師だ。カルラ、こちらがさっき話したドーブだよ」


 ガイウスの紹介によって二人はにこやかに握手を交わした。


「……聞いたことがある。大魔導師カルラ。そうかガイウス、お前の師匠か」


「ああ、小さい頃からね。もっともその時は老……いや、なんでもない」


 ガイウスは、危うくかつてのカルラをわかりやすく描写しようとしたものの、その瞬間カルラの目がド鋭く輝いたのを察知して、素早く口をつぐんだのだった。


 だがそんなガイウスの事情など露と知らぬドーブが怪訝そうに問いかけた。


「……うん?ロウ……というのは何なのだ?」


「いやいやいやいや、何でもない。何でもないんだドーブ。どうもここのところ疲れが溜まっていてね。変なことを口走る傾向があるんだよ。だから気にしないでくれ。本当になんでもないんだ。本当に」


 ガイウスは速射砲のように言葉を並べ立てることによって、ドーブを丸め込むことになんとか成功した。


「……ふむ。そうか、疲れ気味なのだな。よし、では早速デルキア様の屋敷へ向かうとしよう。そこでゆっくりと休むがいい」


「ああ、そうだね。そうしてくれるとありがたいね。なにせ結構飛び回ったりしたもんだから、本当に疲れてるんだよ」


「……わかった。では出発するとしよう」


「そうしよう。で、デルキア邸はここから近いの?」


 するとドーブが地面の裂け目から覗く地獄の街並みを指し示しつつ、笑いながら言ったのだった。


「……あそこに見えているだろう。何なら先に行くといい。お前の高速飛行ならば、ものの数秒で辿り着くだろうからな」

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