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第千百十八話 縦糸と横糸

 1



「別の種類を使い分けているのか……でもどう違うんだろう?……わからないな……」


 するとカルラが大きくうなずいた。


「縦糸には粘り気がまったくないのさ」


 この解答にガイウスが大きく口を開けてうなずいた。


「なるほど!そうか、だから蜘蛛は自分の蜘蛛の巣に絡まったりしないんだ。移動するときには縦糸の上だけを歩けばいいってことだ。違う?」


「違わない。正解だよガイウス。お前の言うとおりさ」


「なるほどね~だから絡まらないのか……でもさ、それがさっきの話しと何か関係あるの?」


「ああ。お前の抱える疑問は、一見すると複雑に絡み合っているように見えるだろう。だが実は、一定の法則性があるのかもしれない。そしてもしそれを見つけることが出来たなら、真実へ一直線にたどり着けるかもしれないと思ってな」


「なるほどね。そうかもしれない。確かに俺の記憶をいじっているのはルキフェルただ一人だ。ならばルキフェルの法則なり何なりを見つけ出せれば……疑問は簡単に解けていくのかもしれない」


「まあそういうことだ。なので今の段階ではあまり深く考えすぎないことだ。いずれ……そう、いずれ何らかの形で答えは見つかるだろうからな」


 カルラの言葉にガイウスが深くうなずいた。


「そうだね。ま、いずれなるようになるさ」


「そういうことだ。ではそろそろ村に入ろうではないか」


「そうしよう。おっ?どうやらポロクル族が俺たちに気付いたみたいだ。村の方からゾロゾロとお出迎えだ」


「そのようだな。では参ろう」


 カルラは言うや、村の方に向かって歩き出した。


 ガイウスは巨大な鳥居を地上から仰ぎ見ながら軽く微笑み、カルラの後を静かに追うのであった。



 2



「お久しぶりですガイウス殿」


 村に到着したガイウス達を、デルパ村の長老ウパクが笑顔で出迎えた。


「ご無沙汰です。突然なんだけど、村でちょっと休憩させてもらえないかな?」


「どうぞ。ごゆっくりお休みください」


 ガイウスは笑顔でうなずき、傍らのカルラを見た。


「ああそうだ。カルラ、紹介するね。この村の長老のウパクさん。ウパクさん、この人は俺の師匠のカルラだよ」


 ガイウスの紹介で、カルラとウパクが互いに挨拶を交わした。


「ではどうぞこちらへ」


 ウパクが二人を先導するような形で歩き出した。


 ガイウス達はその背を追いつつ、彼らを出迎えたポロクル族やナーガ族の者たちに笑顔で会釈した。


「こちらでお休みください。今お食事の用意もしておりますので、後程」


「ありがとう。ご厚意に甘えさせてもらうよ」


 ガイウスは笑顔でそう言うと、すぐさまウパクが案内した家の中へと入るのであった。

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