第二話 「制度決定」
所変わって首相官邸。
「これはこれは意字目菜久総どの。よくお越し下さいました。」
「こんばんは、誠二無幹新首相。」
「どうぞどうぞ、奥の部屋へ。」
「さて、今回は例の制度の承諾を受けに来たのですが。」
「例の制度?何ですかそれは?」
「もうお忘れになられたのですか。『学校問題撲滅通告制度』ですよ。」
「おお、あれか、何だか選挙中になにやら言っていたあれか。で、どんな内容だったのですかな?」
「首相、本当に政治に無関心ですな。名は人をあらわすとは、あなたのためにあるようですよ。まあ、私も含めてですが。まあ良いでしょう。内容はいたって簡単、監視カメラ300台、専用のコンピューター15台、その他の最新式の設備、そして生徒の一部をスパイにするだけです。」
「なるほど、そうでしたね。しかしそれを全国となると・・・」
「予算がつかないということですね。では、実験校を選びましょう。」
「しかしそれだけでも・・・」
「大丈夫です。その資金はあの会社が払ってくれますよ。あそこは政治に積極的ですから。」
「だ、だが・・・」
「あなたはいじめを無くしたくないのですか!?」
「う、うむ、悪かった。では気を取り直して実験校を選ぶとするか。折角ならその会社に間接的に関係のある学校にしよう。うーんと・・・・・」
数十分後
「では、第8大和中学校で決定ですね。」
「うむ。」
「それと、これからは政治に積極的になってくださいね。そうでないと、首相の座が危ないですから。それでは失礼します。」
大臣が出て行った後、首相は少し考えていた。
「うーむ、確かにあの会社は資金などをたくさん提供してくれているが・・・この先嫌な予感がする・・・・。」
かくして、制度は公式に決定された。