表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】意味が分かると怖い話 解説付き  作者: 鍵谷端哉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/70

応援

僕は昔から、何をやってもダメだった。


勉強も、運動も、人付き合いも、何もかも。


 


それが原因で、学生の頃は酷いイジメにもあった。


でも逃げたくないって思って、意地でも登校拒否にはならなかった。


 


大学を出て、社会人になっても、何も変わらなかった。


学生の頃みたいなあからさまなものではなかったけれど、会社でも意地悪されることが多い。


 


何度転職しても、それは同じだった。


両親からは仕事を辞めて、生活保護をとったらどうかと提案されたけど、やっぱり僕は逃げたくなくて、意地でも生活保護は拒否し続けた。


 


でも、それにも限界がやってきた。


いや、限界というよりも、強制終了だ。


 


会社の先輩が不正に横領していたことを、全部、擦り付けられた。


会社は懲戒解雇となり、多額の賠償金を支払うこととなった。


 


両親は自殺し、身内は僕一人だけになった。


 


もう限界だ。


人生から逃げ出したい。


 


今まではどんなことからも逃げずにやってきたけれど、今回ばかりはもうダメだ。


 


僕は今、崖っぷちに立っている。


人生のどん詰まりという奴だ。


 


これ以上、生きていても良いことなんて、何もないだろう。


もう逃げたい、投げ出したい。


そんな気持ちでいっぱいだった。


 


だが、同時に恐怖心もある。


逃げ出して、投げ出して、その先に希望なんてあるのだろうか?


今まで、逃げずにやってきてたじゃないか。


 


そんなとき、ふと、ある女性のブログを見つけた。


彼女も僕と同様に何をやっても上手くいかないことがつづられていた。


それでも懸命に生きて、人生に立ち向かっていた記録が残されていた。


ブログを最後まで読んだとき、僕の中で勇気がわき上がってくる。


 


彼女が背中を押してくれた気がした。


 


そう。難しく考える必要なんてなかったんだ。


もっと気楽になればいい。


そう考えると、一気に心が軽くなった。


 


僕は一歩、大きく踏み出した。


終わり。















■解説

語り部が崖っぷちに立っているのは、比喩ではなく、実際に立っている。


一歩、大きく踏み出せば、どうなるのか……。


女性のブログも、「最後まで」読んだとあるが、ブログは更新が途切れることは多いが、「最後」に締めくくるものは珍しい。


つまり、女性も「最後」を迎えたことになる。


その最後を見て、心が軽くなった、一歩踏み出したとあるので、女性も語り部と同じ道を辿ったという可能性が高い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ