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【書籍化】意味が分かると怖い話 解説付き  作者: 鍵谷端哉


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14/62

休日のゲーム

俺は無類のゲーム好きだ。


RPGも好きだけど、やっぱりアクションが一番。


休みの日は寝ずに、ぶっ通しでやることも少なくない。


 


前はTPSにハマっていたけど、最近はレトロなレースゲームなんかに夢中だ。


基本的に、何かを操縦するっていうのが好きなのかもしれない。


 


だからってわけじゃないけど、仕事の為にフォークリフトの免許を取って、乗り回している。


……乗り回しているって言っても、ちゃんと業務で使っているってことだけどね。


配送業者で、倉庫に荷物を運んだり、配送の手配をしたりするって仕事だ。


 


もちろん、フォークリフトは荷物を運ぶのに使うっていうのもあるんだけど、ハシゴ代わりに使うことも多い。


 


倉庫にはたくさんの段数があり、そこから物を取るには普通はハシゴを使わないといけない。


でも、フォークリフトをハシゴ代わりに使うってわけ。


 


当然、見つかったら、危ないって怒られる。


けどさ、現場なんてこんなもん。


やっぱり、楽な方をやっちゃうよね。


 


で、俺はフォークリフトの端に立っている人の掛け声で、「右」とか「上」と指示されて、その通りにフォークリフトを操作するってわけ。


 


最初は指示通りにフォークリフトを動かすのは面白かったが、次第に飽きてきた。


だから、自分の中で、もう一つ難易度を上げた。


それは、目をつぶって、指示だけでフォークリフトを操作するって方法だ。


 


倉庫の段の高さや距離感は頭に入っている。


で、指示だけを聞いて、見ないで指示通りに動かすっていうのをやっているのだ。


最初は難しくて、なかなか上手くいかなかったが、これも次第に慣れてきた。


 


うーん。やっぱり、ゲームに比べると難易度はどうしても低くなるなぁ。


 


当たり前の話だけど、フォークリフトを操作すること自体に飽きてきた。


それで、その分、休日にゲームにハマるって流れだね。


 


今月はいわゆる繁忙期で、物凄く忙しかった。


休日出勤もあって、ほとんどゲームが出来ない日が続いた。


だから、その分、久々の休みにゲームに夢中になろうと思っていたのだ。


 


そして、ついにやってきた休日。


今回は、あまりやってきていなかったシリーズのゲームをやろうと思う。


あの有名なゾンビが出てくるゲームだ。


 


さっそく、ゲームを始めたんだけど、これにはビックリした。


操作が普通と違って、ラジコン操作ってやつだった。


 


慣れるのに、かなり時間がかかった。


もしかすると、何かを操作している人には、逆に慣れるのが大変かもしれない。


長時間の練習の末、ようやく操作に慣れてきた。


 


だけど、そこに時間がかかってしまって、クリアをする頃には外が明るくなってたんだよね。


つまり、徹夜でやってたってこと。


 


あーあ。今日は寝不足で仕事に行かなきゃならない。


辛いけど、自業自得だ。


ゲームはほどほどにってことだね。


 


その日ももちろん、指示する人に合わせて、フォークリフトを操縦した。


 


「下、下、下」


 


指示する人が叫ぶように指示を飛ばす。


 


うーん。今日はなんか、調子が悪いな。


集中しよう。


 


すると、指示する人の声が止んだ。


 


よかった。上手くできたみたいだ。


 

終わり。













 


■解説

前の日にラジコン操作で操縦の感覚が狂っていた語り部の男。


しかも寝不足により、判断力も鈍っていた。


そんな中、フォークリフトに乗った人が、ずっと「下」と言ってということは、フォークリフトは「上」に操作していたということになる。


そして、指示する人の声が途絶えたということは……。

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