第5章:大学校受験までの陰鬱な日々(4)
この期間・・・
ぼくは、カネもないし、
車の免許も、自分の愛車もないし・・・ということで、
自室のベッドに横になり・・・
ボクシング雑誌を眺めたり、
そうだなぁ・・・寝ていることが多かったかなぁ。
すごく寒い日が続いていたし。
あんまりヒマなものだから、地元のおもちゃ屋の老舗である、『金太郎』にて、
でっかい、1000ピースのパズルを買ってきて、
ぼくら家族が「前のうち」と呼んでいる、母屋とは別棟の2階だての倉庫の2階の畳部屋で、
ぼんやりと取り組んでいた。
・・・皆さんはきっと、
あのレオナルド・ダヴィンチ作の名画、
『最後の晩餐』をご存じのことと思うが・・・
アレの「修復前」の貴重な写真を元にしたパズルが売られていたので、
ていのいい「ヒマつぶし」「時間つぶし」ということで、パズル作成の日々に突入したのであった。
余計な外出をしない分、
これまた、余計な出費もないからね♪
・・・ラジオから流れてくる、
原田知世さん・・・
あの、名作邦画『時をかける少女』『天国にいちばん近い島』で有名な、
原田さんの、澄んだ歌声を、
NHKラジオの昼の特番で聴きながら・・・ね。
このころ、
まーだ、キリスト教には興味も関心もなかったケド、
パズル作成中・・・
それはおごそかで、厳粛な気分になったものだ。
すごく、落ち着いて、
いい精神状態でもあった。
追伸:
ちなみに、その『最後の晩餐パズル』ですが、
ちゃんと完成させて、のりづけして画面を固定し、
別売りのアルミ枠でパーフェクトに仕上げ、
例の2階の倉庫に、しずかに眠っております。