第40章:農大での「当番農作業」など
・・・この大学校は、座学の講義のほかに、
「作物」
「野菜・花卉・果樹」
「家畜」
など、生き物を育て・・・そして、管理する学校でもある。
学生のために用意された田畑や畜産施設などで、
実際に種をまき、
肥料や農薬散布、収穫作業を行ない、家畜を飼育・肥育する。
自分たちが愛情かけて育て上げた肉牛や豚などは、
いずれは「お別れ」し、実際に家畜市場に出荷して、売りに出す。
・・・女子のみで構成される『生活科』は、
いまはもう、農業大学校には無いようであるが、
ぼくが当時、見ていた限りでは、「服飾」「調理」といった、
「農家の嫁」として、これからやっていくための修行をされていたようなのだ。
・・・基本的に、そういった農場などの主要な維持管理・運営は、農大の教授や関係者がメインで行なう。
しかし、もちろん、学生も積極的に農作業に参加・従事する。
・・・いきおい、
「農場当番」「家畜当番」というものが発生する。
休日であっても、
夏休みや冬休みのような長期の休暇においても、
かならず誰かが、農場や農大内の牧場などに足を運び・・・
稲や麦・大豆、
花や野菜・果物、
牛やニワトリや豚の面倒を見なくてはならない。
・・・いちばん大変なのは、「畜産科」だった。
もともと学生の人数そのものが少ないうえに、家畜が食べる牧草やエサや飲み水を、一日たりとも欠かすことはできない。
毎日毎回、きまった時間に来て、
「給餌」したり、乳牛の「搾乳作業」「家畜小屋内の排泄物などの清掃作業」もしなくてはならぬ。
夏休みなどの蒸し暑い期間中なんかは、
家畜小屋を早朝から開け放って、舎内の熱を、すみやかに外部に逃がしてやる必要がある。
「・・・いっけね! 当番、忘れてたわ。」
では、済まされないハナシなのだ。
だから、ぼくの友人だった渡辺君も田村君も、
すぐに自分の「当番日」がまわってきて、さぞかし大変だったろうと思う。
・・・まぁ、大昔のような「手作業での乳しぼり」は、さすがにやっていなかったようではあるが・・・。
普通の4年生大学の夏休みが、
おおむね「2ヶ月以上」もあるのに対し、
農大のソレは、たった一ヶ月弱。
・・・小中高生の皆さんと、なんら変わりなかったのである。
だから、あとで述べるが、
当時の親友の、
岩手大学に進学した「弓井くん」が、
栃木県矢板市の実家に帰省して、ノコノコと涼しい顔で、
ぼくの部屋をおとずれようものなら・・・!
大好きだった彼であっても、
「激しい嫉妬心」にかられてしまう、
みにくいぼくちゃんがいたのであったのさ❤️




