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第20章:マジで苦しかった、学校での「農業実習」

 ・・・農業実習は、キツかった。


 ぼくが入学した平成元年は、まだ五月の初夏だというのに、まるで夏本番のように暑かった。


 (おそらく、このとき、もう『地球温暖化』がかなり進んでいたのかもしれないね。いまは、もっと暑いけどサ・・・。)


 農家出身の学生たちは、慣れない手つきで、大汗をかきながら悪戦苦闘するぼくを、たびたびせかした。


 「栗原ぁ・・・はやくやれよ!!」


 農作業の「いろは」もわからないぼくは、こうしてクラスメートにせっつかれながら、屈辱をおぼえながら・・・


 キツイ農作業を、少しずつではあったが、おぼえていった。


 (農家って、こんなに大変なことやってたんだ・・・。)


 作業中は暑くて疲れて、仲間からどやされて・・・


 でも、田んぼのあぜ道に通ってくる、草のにおいのする、むせ返るような風を肌に浴び、土の匂いを感じ、虫の、セミの声、用水路に流れる涼しげな水の音を聞きながら・・・


 ぼくは、そういった自然を、「気持ちいい」「心地いい」「なつかしい」と、魅力あるものとして、だんだんととらえるようになってゆく。


 (そういえば、ぼくの母校の川崎小学校の帰り道も、ちょうどこんな感じで、あちこち自然いっぱいだったよなぁ。美絵子ちゃんや、新山にいやまあやこちゃんと手をつなぎながら歩いて帰った道だって・・・。)

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