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第12章:生まれてはじめて、親元を離れる
・・・いやー、緊張っつーか、
なんてーのかな。
「行きたくなかった」ですよ、はっきしいって。
面接では、あんな調子イイことぶっこいて、試験官を逆にこっちが当惑させてやったぼくなんでありますが・・・
正直いいましてね・・・
農業の「の」の字もわからんし、
うちは非農家だから、農作業なんて、一度たりともやったことねーし。
そんな未知の世界に、この足を運んだことも、入ったこともない。
そりゃ、あーた。
北関東の田舎育ちの坊ちゃまですから、
田んぼや畑で、汗みずたらして、黙々と懸命に働いておられる、
農家の皆さんの仕事ぶりは、
小学校の登下校時に、いやというほど拝見させてはもらってますヨ。
でもねぇ・・・
実際に「見る」と「やる」とでは、雲泥の差があるってことぐれー、
温室育ちで世間知らずの、
当時のぼくみたいな学生でも、「アタマでは」わかったつもりでいましたからね♪
ともかくも、
生まれてはじめて、親元から離れて・・・
まったく知らねー連中とともに、
「仲良く」寮生活がスタートしたわけでございまする。




