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ヒール使いの少年が追放される話

作者: 斎藤

「ミリィ……お前にはマジで世話になってるから言い辛いんだけどさ、ちょっと俺らと距離取って…というか…パーティ抜けてくれないかな…?」


 戦闘直後にパーティリーダーで剣士のアントンに切り出されたクビ勧告に僕は驚きを隠せなかった。見渡せばパーティの他メンバー、攻撃魔法至上主義のジェシカ、デッドリフト世界チャンピオンのバンク、超高速戦闘に定評があるソニック=フラッシュ=クイック=カブト=009=V2も納得した顔で頷いている


「なんで? 今の戦闘だって、僕がヒールで敵を吹っ飛ばしたろう!」


 僕の得意魔法のヒールの威力はこのパーティでも最強クラスの筈だ。なのに、何故?


「ええとな…気持ち悪いんだよ、お前のヒール。真っ赤なハイヒール履いたデカいおっさんの足が降ってくるんだぜ? 上を向いたら地獄絵図だぞ! なんかあのおっさん臭えし!」


 …成る程…‥成る程


 ヒール。何らかの神性存在の踵で敵を攻撃する召喚技だ。単純な質量攻撃に神性の加護が加わり威力はかなり高い。召喚する位置や足の動きもある程度指定出来るので汎用性も中々だ


 「そりゃあ。確かにお前のヒールは強い、攻撃、防御、移動まで何でも出来る……でもさあ。毎度見せられると精神的にキツい…だから他の魔法を覚えるか、無理なら抜けてくれないか?」


 僕は抗議した


 見た目が何だ! 性能が全てだろう!  


「匂いもキツいんだよ!」


 おっさんの何が悪い! あの神性だって好きでオッサンになったわけじゃない!


「ハイヒール履いてんのは趣味だろ! それにやつぁミニスカワンピースだぞ! 気持ち悪いわ!」


 ひ…人の趣味……に…文句を言うなあ!


「お前だってすげえ微妙な顔してるじゃねえか! 正直に言え! お前もあのオッサンを気持ち悪いと思ってんだろ!」


 反論できなくなった僕はパーティから追放された

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