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第05話 1万時間達成

「才能とは作られるものである」と、ある脳科学の権威が言ったそうだ。


 幼少期の環境、体験、経験、育成方針でいくらでも天才という称号をほしいままに獲得することができるという。


【最先端サッカー学】に「天才とはいかにして生まれるのか?」ということをテーマにした学術分野がある。


 その研究を一部抜粋すると、どの調査でもその分野に一番時間を費やした子供が一番うまいことが分かった。


 この研究では20人の子供たちが集められた。バイオリンを学ぶ為の教室と説明されて参加した子供はまず半年間バイオリンを学んだ。


 そして20人を2つのグループに分け、1つ目のグループは天才達が集まるグループ、残りはノーマルクラスと伝えた。


 子供たちには入部するときからリストバンドの着用が義務付けられており、そのリストバンドにはバイオリンの練習時間を記録する機能がある。


 それから1年、毎週バイオリンクラスを行ったのだ。


 そしてプロのバイオリンの指導家が最初の半年と後の1年を使い徹底的にどの子が上手いかを調査。


 そして研究者がどの子が一番番バイオリンが上手いか?と聞くと⋯⋯、


 一番練習時間が多い子供ふたりが選ばれたのだ。


 1年半年にも及ぶ研究で分かったことは、才能とはその技能が上達していく過程ではあまり影響力がないのではないか?というものだった。


 もちろん、集められたのが子供であり、幼年期や児童期の子供の成長は著しい。


 つまり何が言いたいかと言うと、ワタクシ、二宮ケイ、遂に後1時間で身体操作の項目で1万時間を超えると、い、う、こ、と、だっ!努力の結晶!


【努力★】

 -身体操作 累積99.99時間 (百分の一表記)


 何を長々と待たせてるんだこのやろうっと仰る方もおるかもしれません。


 わたくしもです⋯⋯はあ、長かった。



 時間かかり過ぎだよ!流石にここまで時間を使って特訓したんだか、そろそろ新しい【スキル】を習得してもいい頃合じゃないか。


 1万時間だよ?区切りもいいぞ。


 さあ、


 ピロンっ。


 《【努力★】、身体操作での累積時間が1万時間を超えました、これよりスキルが進化します》


 あれ⋯⋯⋯視界がぼ⋯やけて。


 これやばいやつだ、


 柔らかいところないかな⋯コンクリと⋯かにぶつけたくない。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 埼玉県 病院 11月


 あ⋯⋯⋯れ⋯知らない天井だ。


 ここはどこだろうか。


 目を開けて周りを見渡す。設備的に病院の一室かな?お母さんがソファーで寝てるや。


「マ゛、ママ⋯ン、ン」


 声がガラガラで上手く喋れないな、喉を鳴らして痰を呑み込んで再度試してみる。


「マ⋯マ!なんで病院にいるの? 」


 今度は上手く聞こえたみたいで、寝ていたお母さんが起きた。


 すみません、せっかくぐっすり寝てたのに。


「ケイっ!心配したんだからっ、どこも気持ち悪くない?大丈夫?」


「ママ心配し過ぎだよ、ぐっすり寝たし、今、体絶好調だよ。えへへへ」


 凄い剣幕でママンは俺の心配をしてくれた。


 やっぱり【スキル】が進化した後に気を失ったのかな?


 ちなみに絶好調は嘘です。めちゃくちゃ体だるいし、正直話をするのもキツイ状態だ。


 ⋯⋯それに1番の問題は頭が割れるように痛い。


 なんだろうか、頭の中に虫歯があるみたいに一定の痛みが続くな。


 クソ⋯⋯なんだよこれ。


「ケイ、あなた公園で倒れてる所をお巡りさんが見つけてくれて、その後救急車まで呼んでくれたのよ⋯うぅ、お巡りさんに私凄く怒られちゃった⋯」


「本当に、心配したんだからね⋯⋯⋯ケイ⋯絶対無理は良くないかグスっ⋯⋯らね」


 ママン泣いてるよ。どうしたら良いのか分からない。でも凄く心配かけちゃったみたいだな。


 やばい⋯⋯転生して体がまだ幼いからか感情の起伏が激しい気がする。本当に精神年齢すら幼くなったのだろう。


 お母さんに釣られて俺も泣きそうだ⋯。


 なんでもうちのママンお巡りさんに相当怒られたらしい。最初はネグレクト疑惑をかけられていたらしいが、ママンのあまりの焦燥っぷりを見て直ぐに疑惑は晴れたみたいだ。


 まあ、確かに俺ってまだ世間からしたら3歳児だしな。


 親として、ひとりで3歳児を公園で遊ばせるのは常識的に考えておかしいよな。なんか普段から大人っぽい言動や行動ばかりだから、ママンはすっかり油断してたらしい。


 まぁ、これは俺に問題があるよな。


 なんでもお巡りさんは俺のトレーニング用具のバック(ラダー、コーン、サッカーボール等を収納する為)に付いてあるバック用ネームタグの電話番号に連絡後、救急車を手配、ママンが来たと同時に救急車も到着。


 動揺しているママンを心配したお巡りさんが一緒に病院へ付き添ってくれたみたい。


 うわ〜これはだいぶやらかしたな〜


「ママ、ごめんね。ちょっと⋯⋯頑張りすぎちゃったみたい」


「ううん、私がいけないの。普通に考えてケイをひとりにするなんてありえない!これからは私も一緒に練習します!」


 えーーー、そうなっちゃうのか。


 まぁ、こういうこともまたあるかもしれないし。それに【スキル】が進化する度に、救急車を呼ぶのは迷惑過ぎる。


 丁度いいかな。荷物も結構重たいし、もっと大きなコーン使って実際に人間がいるときの様なプレッシャーの下練習したい。


 ちなみに今日は大事を取って1日入院らしい。医師の診断によると俺の失神の原因は疲労による神経調節性失神だそうだ。子供でここまで疲労を溜め込むのは珍しいとも言われた。


 まあ⋯⋯あの時はあと少しで1万時間達成だったから結構無茶したからな。


 モチベーションも高かったし、なんとなくこれを達成すれば新しい【スキル】を獲得できる、これより上のレベルで体をコントロールできるという確信があった。


 実際どんどんキレは良くなってた、どこまでレベルアップすんだろうって興奮してた。アドレナリン出まくってたんだろうなぁ。


 動作は止まりたいときに止まり、ラダーで練習してる時なんてキレッキレだった。フットワークを行うときもミスらなかった。


 なんだろう、自分が現在進行形で上手く、上のレベルになってる事が実感できた。体がまるで再構築され、上の次元の生物になっている感覚があった。


 ボールもノールック、ルックアップで大分コントロールできるようになってきたから調子に乗ってしまったのだろう。自分の体がどれだけ疲れてるのかを把握できてなかったんだな。


 プロ目指すとか言って自分のコンディション全然把握してねえじゃん⋯⋯情けねぇ。


 その結果救急車で病院行き、お母さんを泣かせている。


 ⋯⋯⋯反省しなくちゃ。


 お父さんは俺が起きる少し前まで母さんと一緒に付きっきりで看病してくれたみたいだ。


 今ちょうどコンビニに行って夜食の買い出しをしているらしい。


 母さん曰く、うちのパパンは大事な商談を抜け出したらしい。社員全員にここは任せてくださいっとグッジョブポーズで言われ、パパン感動、泣きながら病院に来たらしい。


 なんだよそのコメディー⋯⋯。


 俺も前世ではパパンみたいな所で働きたかったよ、ブラック企業滅びよ!


 それにしてもパパンの職場雰囲気良すぎでしょっ


 パパンも俺が倒れたと聞いて相当狼狽えたらしい。


 はあ⋯⋯⋯なんて言えばいいんだろうか。本当に申し訳ない。

 お母さんはパパンに電話する為ちょっと出るらしい。


 院内での電話だめだからね、流石パーフェクトマザー。こういうルールもしっかり守る。


 それにしても⋯⋯はぁ。


 本当に何やってるんだか⋯とりあえずステータスを確認しよう。


 さっきから頭が痛くてしかたない、進化って言ってたよな、それに原因があるのか?


 進化したっていうのは【体術】の事だよな?


 進化する余地なんてあるのか⋯⋯?

読んでくださって本当に有難うございます。大好きです!(すみません調子乗りました)

これからも読んでくださる人がいるかぎり、書き続けます!もっと上手く、面白く書けるよう頑張って参ります。


少しでも、あっこいつ頑張ってるとか、そこそこおもろいじゃんと感じたら、どうかポイントを、、、!

僕単純なんでポイントもらえると一日中嬉しいです笑 




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