ちょっとビックリしてた顔だった
「お前は何者だ?」
「×× と申します。前の世界では飲食店で働いておりました」
はて?あ、急に自己紹介タイム入りよったんか?ちゃう気もするけど、一回も名乗っとらんし失礼やったかな?カフェはこっちの世界で通じるんか分からへんし、飲食店の方がイメージつきやすいかな??なんて考えて自己紹介してみるも
「イ…リ…?いや、そうではない……」
「あっ、呼びにくいと思いますのでリーと呼んでいただければ。バイトの子たちもそう呼んでいたので」
「リーか…いや、そうではなくてな……」
「??」
なんとも言えない顔をしている王様。眉間のシワがこうクッキリと浮かんでますけど、苦労してはりそうやねぇ。ザ・苦労人てイメージが一番近そう。
なんや?まさか、人間なのか疑われてるんやろか?顔はちょい老け顔とか言われたことあるけど、一応これでもれっきとしたヒト科のメスなんやけどな?
「兄上」
っとここで別なイケメンさん登場。これまた分かりやすい美形やな。王様のことを兄上と呼んだことから弟さんやねんな。金髪に緑の眼で着ているものは魔術師みたいなローブで全体的に柔らかいイメージの人。そんな人が王様の隣に並んで私を見ていてこういった。
「見えないですね」
「、やはりそうか」
「???」
私1人意味がわからんまま、会話をする2人。というか、周りもなんやまたざわついてきよる。私が一体何をした?見えないって??何のこと?クエスチョンマークを飛ばしていると、金髪の弟さんが答えてくれた。
「勝手ながら、一応危険人物かどうか確かめるために鑑定魔法の眼を使わせてもらいました。ですが、何も写さないのです。普通ならあなたの名前や魔力など表示されるはずなのですが、あなたは何も映さないのです。これまで異世界人がきたことがわが国では一度もないので何とも言えないのですが、まったく何も写したことがない人間を見たことがなくて……」
「私たちでも見れないということはあの方を呼んで試してみるか・・・」
結局、見れへんのかーい!?いや、まあ何、人のプライバシーを勝手に見てんねんと思いつつ、王様たちからしたら得体のしれない異世界人に警戒はする必要あるもんなぁって思うけども。結局、見れへんのかい!しかもあの方?別な人呼んで見るってことかいな?まぁ、人間やって分かってもらえると私も助かるので大人しく待ちますかね・・周りの人たちもざわざわし始めてきたし・・・。あのぉ~、そこの若いメイドさんがすごい怯えた顔をしてこっちを見ているの結構こたえるんやけど・・・・。
とりあえず、あの方と呼ばれた人が遠いところに暮らしているので少し時間がかかるんやて。はい、常に誰かが私に必ず付き添う形で王城に住まわせてもらうことになっとうよ。得体のしれない人間を野放しにするわけには飽きまへんよねぇ・・。ちなみに付き添いの人はメイさんです。よろしゅう、いやよろしくお願いします。
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そんな感じで私の異世界生活2日目でした~
人間だと認識してもらえるのはいつやろうねぇ~。
とりあえず、メイさんにも軽く自己紹介。怖くないよぉ~、そこの若いメイドさん?
「飲食店?」
「えぇ、ご飯を作ったりしてお客様に提供してましたねぇ~。あ、たまにいいので自分でご飯を作らせてもらえないでしょうか?」
今まで作っていたから急に作らなくなると発作起こしてまうわ、多分やけど。仕事やけど作るのは別に嫌いやないし、今も久しぶりにアレとか作りたいなぁ~って考えとぉけど・・・無理かな?正直に言うと、せっかく作ってもらったあの朝食はもう食べたくない・・こんなこと思うのは罰当たりやとか言われるやろうけども・・。
「・・・作られるのですか?」
初対面から無表情のメイさんがこのとき初めて表情が崩れたよ、意外だっていう顔。どんな風に思われていたのやら・・・。ふむ、メイさんのもっと崩れたお顔が見たいのでリクエストがあるか聞いてみましょうか?
「メイさん、甘いものはお好きで?」
甘いものでクールなお顔を蕩けさせてみましょうか
作者が似非関西弁なので言葉遣いそのまま入力してます。
ご容赦くださいまし