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世界は広いよどこまでも  作者: 藍川 潤
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いつの間にか異世界2日目

初めましての人もいれば、どこかで見ましたっていう人もこんばんは

未完成の作品をかなり放置していながらも、なんか脳みそがこんなん書きたいなぁと思ってたらこんな時間に書いている作者です。明日も仕事なのに・・・


まぁ、相変わらず文章にムラがあると思いますが楽しんでいただければ幸いです。



はーい!皆さん、こんにちは!しがないカフェ店員だった私がなんでか知んないけど、魔法使いみたいなローブを着ている怪しい人に取り囲まれてるよ!!さぁ、どうする!?私を中心に円になって囲んでいるからどこにも逃げられないよ!!?どうしよう!!次回!!これは夢だった!!乞うご期待!!



なんてことを実際にたくさんの人に囲まれてながらも頭ではこんなテンションで逃げ道をなんとか探せないかと考えてる私は14時間6連勤が終わった身で大分ハイになっていたと思う。だから、じつは異世界に召喚されたとか説明されてもあーそうなんだーとしか言えず、とりあえず疲れ切った体を休ませてもらい気づいたら丸一日爆睡していたのだった。



言い訳にしかならないけど、なんかもう色々限界だったのでありました。



☆☆☆



「えっ!?坂下さん、来てないの!?」


その時、私はホールでその日提供する用の期間限定のスイーツを作っていた。


「はい、今日13時から出勤でしたよね?もう14時で私もそろそろ上がりなんですけどこのままだとあがれませんよね?」


そう言った宮さんはちょっと困ったような顔してた。彼女はパートさんだが店長になった私より長く店で働いていた人で何より仕事が一番できる人だが、まだ幼いお子さんもいる主婦なので14時まで働いてもらっていた。そんな人が上がりの時間を伝えに来るのに申し訳なさそうにしているのが逆に申し訳ないくらいで本当はもうちょっと頼りたかったのだけれど、彼女にも最近かなり無理を言っていることが多かったし、顔色も少々悪かった。


なので

「大丈夫ですよ!お昼のピークはいつの間にか過ぎていましたし!!むしろ、気づかなかった私が悪いので宮さんはもうあがっても大丈夫ですよ!!15時からは神木さんが来ますし、明日は定休日ですので今日を乗り越えたら大丈夫ですよ!!お疲れさまでした!」


と伝えるも宮さんには「店長、顔色悪いので明日はゆっくりお休みくださいね」と言われ、私は少し息をついてホール数名と店内の状況とキッチンに私しかいない状況に乾いた笑いしかできなかった。


とりあえず、無断欠勤魔の坂下さんはもう辞めてもらおうと考えつつ今日のケーキと明後日の仕込みに没頭していたのだった。



☆☆☆


「お疲れ様でした~」


「は~い、今日もありがとうね~堀さん、佐藤さんお疲れ様でした。気をつけて帰ってねー」


ラストまでの学生バイトがお店を出てもまだ今日の日報や集金、戸締りなど色々作業が残っているのでここからあと1時間半くらいはまだ店にいる。キッチンバイトは増やしたくても、なかなか重労働だし、男性アルバイトはあまり給金がいいとは言えないカフェで働くのは少ないし、かといって女性バイトで経験した子もいるけどあまり長続きはしなかったので、私を除いてキッチンで働けるのは今日は休みだった2名である。メニューの品は一応全品作れるのだが、社員である自分とアルバイトの人たちはクオリティが違うというか、出来栄えにもう少し気を使ってほしいというのは贅沢なんだろうなと思いつつもつい、願ってしまう。そんな邪念を振り払うように頭を振りつつ、2か月先の期間限定スイーツの案を考えないといけないことを思い出し、明日の休みは午後からちょっとデパ地下を見て回ろうかと考えて、日報を書き終えた。


「予想よりちょっと早めに帰れるかな?」


日報を書き終えた後、明後日の仕込みや今日のロス分を確認したら考えていたより作業する必要がなかったので2本早めの電車に乗れそうだと思って階段を下りてホームに向かっていた。下からくる風に少しブルっと震えそろそろ厚めのカーディガンでも出さなければと思っていたその時、気づいたら目の前に階段の角が見えて、え?と思ってたら目の前が真っ暗になった。



☆☆☆


「・・ん・・朝かぁ・・結構、日のぼってるかんじやん、何時や今・・」


そう思って、手探りで枕元にいつも置いている携帯を探そうとするもなかなか掴めない。


「ん~・・・?」


寝ぼけてどっかに飛ばしたんだろうかと思い、体を起こして枕元を見るも見つからず・・・


「なんか、ベッドひろない?・・」


寝ぼけてるときはつい出身の関西弁が出ているらしいが、ちょっと違和感を感じても関西弁は抜けず、ゆっくりと今いる場所が自分の部屋ではないことを認識した。


「どこや・・ここ・・」


そのまま声に出るのも無理はない。なんせ、彼女が今いるとことは日本ではよくあるマンションの1DKの風景ではなく、縦にも横にも広いベッドにどこの高級な生地だといいたいカーテンとそれに合ったような大きいな窓に精巧なシャンデリア・・・。どこからツッコめばいいのか分からない。そして、そういや昨日なんかあったなとゆっくり思い出したのであった。ちょっとおかしなテンションになった記憶も一緒に・・・


「あぁ、私死んだんか・・んで、なんでか異世界?に・・あー・・」


多分でもなく大方、足元がふらついて階段から滑って運悪く頭から落ちたんやろなと振り返り、遅い時間に駅員さんの手間をかけさせたかもしれんな~とズレたことを考えていると、コンコンとノックの音が聞こえてきた。


―――シンッ


そこの人、返事しなよとか言われてもここ、自分の家じゃないしなぁと思いながらドアを注視すると相手もまだ寝ていると思っていたのか、綺麗な金髪の顔立ちがハッキリした美人メイドが普通に入ってきたところで私と目が合った。


「はーい、初めまして~綺麗な金髪のお姉さんやねぇ~申し訳ないんですけど、お手洗いはどこでしょうか」


うっかり、関西のノリが出てしまったが何も間違ったことは言ってませんよと言いたげに丁寧に言い直してみると


「失礼しました。ご案内いたします」


と、あちらも何もなかったようにこちらに近づいて手に持っていたトレイをベッド付近のテーブルに置いて、案内してくれた。ちなみにトレイの上に水やら簡単な食事がのっていた。後で貰えるのだろうかと図太く思いつつ、メイドさんの後をついていく。あ、メイドさんやなくて侍女さんかとこれまたどうでもいいことを考えつつ、私が死んでカフェの人たちも大変なことになってるやろうなぁ・・とふと思ったのだった。きっと、本社からまた別の社員を異動させるのだろうと分かりきったことを考えながら。








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