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Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~第一章 統治開始編 ~
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~ブライの任務②~

ブライ率いる討伐部隊は任務出立後、先行して斥候の4人が山賊と野盗の根城の捜索に当たった。あとの16人は斥候からの連絡を待つため見晴らしの良い丘陵で野営することにした。斥候には伝達ナイフを持たせいつでも連絡を可能にしていた。山賊や野盗の根城の場所はあらかじめ予測していたが、不定期に移動を繰り返しているため易々とは見つからず8日がたった。

「ブライ様、奴等見つかりませんね。」

「焦ってもしょうがない。機を待つんだ。」

「そうですね。」

「ネロ、君は野盗の動きをどう見る?」

「明らかにおかしいと思います。野盗や山賊が根城を変えることは良くあることですが、連携しているかのような動きに思えてしょうがありません。」

「そうだな。野盗と山賊が手を組んでいるのは確かだが、だれかの指示に従い動いているように思えるな。」

「やはり、黒幕が?」

「間違いないだろう。後ろに頭の切れるやつがいるだろうな。でなければ討伐できていないわけがない。」

「目的は、何でしょう?」

「わからん。捕まえた奴の口を割るしかないだろうな。」


ビービービービービー


その時伝達ナイフが音を立てた。

「こちらブライだ。」

『北西担当のゼレナー。野盗のアジトを発見。石取場の職人小屋にいるみたいだ。』

「何人いるかわかるか?」

『見張りが2、部屋の中に7~10。』

「わかった。そのまま待機し何かあったら知らせてくれ。くれぐれも見つかるなよ。」

『了解。動きがあり次第連絡する。』

ようやく見つけた野盗を逃す訳にはいかない。本来なら全ての根城を見つけ一斉討伐の予定だったが変更することにした。野盗の一人を泳がせ次のアジトに案内させる。これを繰返し行い1ヶ所づつ壊滅し捕縛できる輩は捕縛し歯向かう奴は切って捨てる。連戦になるが、この方法に賭ける事にした。

北西担当のゼレナーの待機場所にはブライとネロ、軽装騎士4名と歩兵3名でこのアジトを叩く。別の根城探索をしていた斥候3人と人馬騎士3名、弓騎士4名は後方支援と泳がせる奴の追跡を命じた。

「ゼレナーの報告ならば奴等は多くて12人。こちらより多いが問題ないだろう。一人は必ず逃がせよ。あとの奴等はなるべく捕縛だ。」

「「「おう。」」」

「各自、準備いそげ。すぐに出るぞ。」

ブライは、兵士達の士気を上げ野盗討伐にすぐさま出発した。野営地からゼレナーの場所までは約30分で着くが敵に感づかれないよう静かに行動するため、1時間ほど時間を掛け到着した。

「待たせたな。何か動きはあったか?」

「いや、今のところは何もないが人数が少し増えた。」

「何人だ?」

「15だ。」

「問題ない。一人は泳がす、殺すなよ。」

「もちろんだ。」

「行くぞ。」

隠れていた茂みからネロとゼレナーが先陣をきって飛び出し、職人小屋前の見張りを一瞬で切り伏せた。音を聞き付け小屋から野盗が出た瞬間、ブライの振り下ろした剣で野盗の一人が絶命した。

「残り12!中から来るぞ!」

ゼレナーの言葉で、ブライは扉から距離を取った。

小屋から勢い良く野盗が飛び出してきた。

「なんだ、お前ら!俺らが誰かわかってんのか!!」

「知るかボケ!!」

ゼレナーは、そう言うと素早く野盗の懐に潜り込み腹に一撃を食らわせ、言葉を発した奴を倒した。

「1人逃げたぞー」

野盗の1人が逃げ出したのを確認しネロが叫んだ。

もちろん、後方支援部隊に伝えるための演技である。

それを聞いた後方に控えていた斥候が後を付けるように動いた。

「残り10!!」

ゼレナーのカウントダウンを皮切りにブライが野盗に向かって声を上げた。

「野盗共良く聞け。一度しか言わん。死にたくなければ投降しろ。さもなければ切って捨てる。」


続いてゼレナーが野盗に言葉で追い討ちをかけた。


「お前ら、こいつは本当に切るぞ。ただ切るんじゃねー。ゆっくり、お前らを切り刻むぞ。四肢を無くした人形になりたくなかったら言う事聞いといたほうがいいぞ。」


グレイの忠告よりもゼレナーの言葉にビビった野盗は全員武器を捨て投降し捕縛された。結局ブライとネロとゼレナーだけで野盗のひとつを壊滅させた。

「ゼレナー、俺はそんな事しないぞ。」

「奴等はアホなんだからビビらしたらいいんだよ。現に俺達は3人なのに10人が投降してるんだぞ。」

「まぁな。」

「だろ。アホなんだよ奴等。」

「とりあえず第一段階は成功だな。しかしゼレナーやるじゃないか。」

「誉めても何も出ないぞ。」

「ところで斥候は人族と思ってたのに、お前小人族(ハーフナー)だったんだな。」

「斥候だから種族も隠すんだよ。」

「そうだったんだな。まぁ、これからもよろしくな。」

「おうよ。任せとけ。」

軽く挨拶をしたら、次の仕事に移ることにした。逃がした奴は別の斥候に任せ、投降した野盗を一人づつ小屋の中で尋問を始めることにした。

「そんじゃ野盗さんよー、知ってる事を教えてくれるかい?」

ゼレナーが野盗の尋問を担当する。ブライとネロはゼレナーの後ろに立ち睨みを利かせている。

「俺は何にも知らねー」

「あのなー。今さら知りませんって通用するわけねーだろ?」

「本当に知らねーんだ。」

「あっそう。俺はいいんだよ違う奴に聞くから。けどな俺の後ろの人らにも同じこと言えんの?」

ブライとネロはただ黙って睨み続けた。

(ブライ様、ゼレナーが睨み続けろと言ってましたけどこれでいいんですかね?)

(わからんが、とりあえずゼレナーに任せよう。)

「ひっー。」

「だろ?俺に本当の事教えてくれたらあんただけ悪いようにはしないように頼んでやるからさ。」

「本当か??」

「ホントホント。ただし嘘言ったら知らないよ。こちらにもあんたらの情報はあるんだし。照らし合わせて一致しなかったらどうなるかわかるでしょ?」

(そんな情報ありましたっけ?)

(ゼレナーのブラフだな。)

「わかった。俺の知っている事は全部話す。だから助けてくれ。」


捕まえた野盗全員にゼレナーの類い稀なる脅迫で大体の事は分かったが首謀者まではわからなかった。

分かったことと言えば3つだけだった。

①現在のアジトの場所と数

・残り3ヵ所 鉄鉱山に2ヶ所 銀鉱山に1ヶ所

②目的

・ミーアを混乱させた後、全てを強奪。

③野盗と山賊のまとめ役の名前

・山賊頭ラゴール 大鬼族(オーガ)


「最初にしては中々の情報が集まったな。」

「ゼレナーのおかげだ。残りの根城は3つか。」

「目的とまとめ役が分かったのは大きいですね。」

「どうすんだ?城に知らせるか?」

「知らせておくべきだろうな。ただし城に帰還はせずラゴールを捕まえる。こいつは必ず首謀者を知っている。それからでも帰還は遅くはない。」


山賊頭ラゴールを捕縛する事を最優先にし、残り3ヵ所の根城を壊滅するため行動をおこした。

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