表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~第一章 統治開始編 ~
42/171

~オーガストの任務③~

数日前に遡り、オーガストとシェリーは見習い兵士と訓練任務に出立し街から北東にある目的地の森林地帯に到着していた。そこにはルゥの姿もあった。幹部の中で能力値が低い為、いまのうちからレベルを上げた方が良いとジルはルゥの事を思い同行するように命じたのだ。

森林地帯は魔物も多いが小川があり水の確保は出来るため訓練には適した場所だった。

到着してすぐにオーガストとシェリーは見習い兵士を集めた。

「これから、1ヶ月間この森で野営をしてもらう。食料の確保なんかも各自でしてもらう。誰も助けることはしない。逃げ出したい者はいつでもいいから言ってくれ。城から迎えに来てもらう。ここまで言えば分かると思うが1ヶ月間この森で生活してもらう。今回の訓練はこれだけだ。」

見習い兵士の一人がオーガストに聞いてきた。

「質問よろしいですか?」

「なんだ?」

「武器や魔法は使っても良いのですか?」

「もちろん構わない。自分のスキルは思う存分使っても良いぞ。他に質問はあるか?」

「はい。どんな事をしていてもいいのですか?」

「もちろん。ずっと昼寝していても良いぞ。ただし、我が国の兵士としての振る舞いが出来ない者には、俺かシェリーが叩き伏せるから命が惜しい者は間違ってもしないようにな。最後に毎朝、俺とシェリーのどちらかがここへ来るからその時は必ずここに集合しろよ。言い忘れていたが、この訓練をクリア出来た者は見習いから兵士へと昇格するからそのつもりでいるように。以上だ。」

見習い兵士たちは簡単な昇格試験だとか、ラッキーだとか思い思いに好きなこと言って、楽観していた。


「オーガスト、この訓練って、他よりも厳しいやつじゃないの?」

「俺たちが受けていた頃を思いだすだろ?」

「はぁ~呆れた。いいの?半分以上、途中で棄権しちゃうわよ。」

「かまわないさ。そんな奴等は違う仕事をした方が良いだろ。」

「それもそうね。で、ルゥはどうするの?見習い兵士たちと一緒の訓練をする?」

「いや、ルゥは魔物の捕獲をさせようと思う。そのほうが早くレベルも上がるしな。シェリーは見習い達を監視していてくれ。」

「ルゥもお気の毒ね。一人での捕獲は専用装備が無かったら無理よ。」

「俺に考えがあるんだ。まぁ任せてくれ。」

「わかったわ。無理させちゃダメよ。」

「無理をさせなきゃ訓練にならないだろ。死なない程度にしごいてみるさ。」


オーガストはルゥを連れて魔物の捕獲に向かった。捕獲は数人で魔物を弱らせてから縄で捕まえるのが一般的な方法だが玄人でも難しい。しかも一人でやる捕獲は一朝一夕で出来るものではない。何度も失敗を繰り返し体と感覚で覚えていくものだ。一番失敗することは魔物を弱らせることにある。やり過ぎると魔物は息絶えるし、しなければ自分自信が危険に晒されるため加減が難しい。その為、体と感覚で覚える事が重要になるのだ。

だが、オーガストの狙いはそこにある。失敗を繰り返す、そうすれば経験が手に入りレベルも上がる上手くいけば新たな技能に目覚める可能性もあるからだ。実際、技能習得は、教えを乞うか自身で習得するしかない。しかし前者では取得できるが武器や魔法などの一般的な技能しか習得を確認されておらず、唯一無二の固有スキルを習得するには後者でしか確認されていない。

オーガストは固有スキル獲得をルゥの訓練課題にしていたのだ。

「今から訓練するのだがルゥにも任務があるし、見習い兵士みたいに1ヶ月間みっちり訓練はできないから短期集中で行うぞ。」

「短期集中ー?」

「ルゥには固有スキルを覚えた時点で訓練終了してもいい。」

「早く覚えたら終わってもいいんですかー?」

「まぁ、そういうことだ。」

「オーガストさん、スキル確認できるんですかー?」

「前もってジル様にこの羊皮紙に能力鑑定を付与してもらってるから大丈夫だぞ。」

「オッケーですー。」

「とりあえず魔物捕獲を目指して一人でやってみてくれ。」

「わかりましたー。じゃあ捕獲してきますー。」

そういうとルゥは直ぐ様捕獲に向かっていった。

ルゥは身軽な技能、軽業師を取得しているので、木から木へ飛び移り瞬く間に姿を消していったのだ。

「おっ おい。 いっちまった。」

オーガストは、呆気に取られルゥを見失ってしまった。

ルゥを追いかけて森の中を移動したが見つけられずにいる。魔物も多く、オーガストは何度も遭遇しては戦闘を繰返していた。

「これは、俺の訓練にもなるな。」

いつしか、オーガストはルゥの事を忘れ魔物との戦闘に没頭していた。


一方のルゥはというと、森の中を縦横無尽に走り回りながら魔物の観察をしていた。

時には息を殺し、気配を断ち、魔物の声に耳を傾け、森の一部になるように静かに獲物を観察していた。ルゥも簡単に捕獲できるとは思ってはいなかった。まずは魔物の行動を把握することを徹底していたのだ。一昼夜、寝ることも食事をする事もなくひたすら観察だけをしていた。

そしてそれを一週間もの間続けていたのだ。感覚を鋭く研ぎ澄ませ自らの頭で捕獲するイメージを作り上げていた。


ルゥはふと気づいた。魔物の言葉がなぜか理解できる。

自らが作り上げた過酷な状況によって技能「魔獣語」を獲得していたのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ