~保護~
昨日、ヒルデの案でジルの魔法による水路作る計画はジルの威力が強すぎた結果、川と湖ができ水不足が一気に解消できたのであった。
やり過ぎた所為であれから皆は疲れきった為、今日から家畜を育てる牧場を作る計画に移るのだった。
オーガストの訓練任務の過程で家畜に出来る魔物を連れてくるように言っていたのだがまだ連絡はない。
ジルは村長と家畜の事で話し込んでいた。
「オーガストは、どんな魔物連れてくると思う?」
「そうですな、この辺りで家畜に向いている魔物といえば、荷車を引いたりできる毛長馬、畑を耕す時の為に飼う羊毛河馬ですかな。後は岩鶏ですな。」
毛長馬は運搬や騎馬に向く魔物で戦争時にも多く活用されるが野生の毛長馬は気性が荒く飼い慣らすまで時間が掛かるが飼い慣らせば主人に忠実になる。
羊毛河馬は外見は羊の毛に覆われているカバみたいな魔物だが臆病な草食の魔物だ。毛は何度も生え変わり、衣料材料にも使用出来る便利な魔物だが、臆病な為他の魔物の餌にもなる事が多く数が少ない。
岩鶏は多用できる鶏だ。体長は2メートル程で搭乗もでき毛長馬の代わりに戦争の足としても利用可能だ。餌は岩石の屑で済むし、糞は玉鋼と同等な物だから便利だ。肉としても利用でき卵は毎朝生み出すし、卵の殻は細かくすれば石灰にもなる。
「まぁ、そんなところだろうな。」
「けど、他の危険な魔物連れてきたりして。」
ヒルデが不吉な事を言った。
(そんなこと言ったら、フラグが立っちゃうだろ。んなわけないか。)
ビービービービー
「んっ?伝達ナイフの反応が…。」
俺はナイフを手に取り地面に突き刺し応答した。
「こちら、ジル。」
『ジル様?オーガストです。魔物を捕まえましたのでルゥがもうすぐそちらに着くと思います。それでなのですが…』
「ん?」
いやーーな予感が頭をよぎった。
『実は……。捕らえた魔物なのですが……。』
「なんだ??」
『すいません!ルゥから聞いてください。通信おわります!』
「おい!ちょっとまてー。」
(あの野郎いきなり切りやがった。だいたいこういうときのお約束って………。)
「ジル様ーーーーーー!!!」
(どこからか、ルゥの声が聞こえてきたがどこだ??)
「空耳か?」
「こっちですよーー!!」
なにかが太陽の光を遮り地上に大きな影を落とした。
「影??」
ふと見上げてみると、空には一匹の飛竜とルゥの姿が見えた。
「「りっ 竜ーーーーぅ!!!」」
昨日に引き続きヒルデや村人たちは驚愕している。
ルゥは自慢げに飛竜の背からこちらに向けて手を振っている。
「今から降りますねー!」
飛竜は回りに風を巻き起こしながら颯爽と空から地上に降りてきた。飛竜が着地すると同時に背中からルゥが飛び降りて俺の方にやってきた。
「ジル様どうです?カッコいいでしょー?」
「お前はアホかーーーーー!!!」
「へっ??」
「誰が竜を家畜にするって言った!!」
「やだなジル様ー。家畜なわけ無いじゃないですかー。」
「???」
「ポチは家畜なんかじゃありませんー!僕のペットですー!」
「アホーーーー!!家畜じゃなくペットならって、良いわけあるか-!!名前までつけやがって!」
「家畜用の魔物なら、もう少ししたらちゃんとやって来ますよー。それと……。」
「それと??」
「ポチはワイバーンじゃありませんー。ポチは飛竜の上位種の飛翔竜ですー!」
「知るか-ー!!」
(あぁ……もう疲れた……。)
「いったいハイバーンが何でペットになったんだ?」
「それはですねー。修行の結果、新しいスキルが身についちゃったんですよー」
「はぁ??」
「魔物の捕獲をしていた時に魔獣語ってスキル覚えたんですよー。それで楽しくなっていろんな魔物と話したらいっぱいお友達が増えちゃってー。」
「ちょっと待て。という事は家畜の魔物は何体捕まえたんだ?」
「100匹くらいですかねー。」
「100匹だと………。」
「ほんとですってー。もうすぐ来ますよー」
ドドドドドドドーーーー
地鳴りのような足音が辺りに響き渡り、どんどんその音が後ろの森から近づいて来るのが手に取るように分かる。
振り向いた時、そこには信じられないが確かに大量の魔物がそこにはいた。
いろんな魔物の鳴き声が聞こえている。五月蝿くてしょうがないからルゥに静かにするように伝えると、魔物達は大人しくルゥの言うことを聞いて整列していた。
整列した魔物の種類は飛竜5頭、山狼10頭、牙象5頭、毛長馬20頭、羊毛河馬10頭、岩鶏50匹の6種類で計100匹だ。
「嘘だろ………。いきなりこんなに捕まえてどうすんだ…。」
「この子達、お話したら喜んで来てくれたんですよー。」
「喜んで??」
「なんでも、隣の国に住んでいたらしくてそこから逃げてきたんですー。」
「ポルタ達といっしょの経緯だな。」
「それで保護して欲しいと言われたので連れてきましたー。」
「それはいいが、俺が言いたいのはこいつらの餌と寝床は、どうするのか聞いてんだよ。」
「飛竜と山狼は肉食ですけど狩りは勝手にするから大丈夫ですよ。あとの子達は草食なんで心配いらないみたいです。」
「寝床は??」
「そんなの、ジル様の魔法でちょいちょいとー。」
「できるかー!!」
「できないんですか??《岩壁》で壁や天井作っちゃえば小屋くらいなら出来るかと思ったんですがー。」
「守備魔法なんだから後で消えちまうだろ。」
「そうですよねー。《付加》で永続化なんてものを付与できるかと思ったんですけどねー。」
「ん?今なんて言った?」
「《付加》で永続化ですか?」
「ルゥ。お前たまには良い方法思い付くな。」
「ということはー?」
「それならば、出来るかもしれないな。」
「ほんとですかー!!」
「んじゃ、早速試してみるか。」




