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Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~第一章 統治開始編 ~
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~ヒルデの任務③~

「遅いっ!!」

約束の時間はとっくに過ぎて、二時間が経とうとしていた。ジルは村長の家でヒルデ達が森から帰ってくるのをひたすら待っていた。

村長は帰ってこない皆を心配してオロオロしている。

「領主様、何かあったかもしれませぬな。」

「村長それは無いな。何かあればすぐに知らせるだろ?あいつら採集に夢中なんだよ多分…」

「そうだといいのですが。申し訳ありませぬ。村の者達が付いていながらこのような事態に…。」

「村の者たちのせいではないよ。指揮を執っているヒルデの責任だ。」

「ヒルデ様は村の事を考えての事。何卒御配慮の事宜しくお願い致します。」

「わかった。だが叱るくらいはするぞ。」

「それは分かっております。」

村長はヒルデや他の者達の代わりに俺に謝罪をしている。

(よくできた村長だな。)

村長の心配をよそに、森に行った者達が堂々と帰ってきた。

「村長ただいま戻りました。」

「ヒルデ様、お帰りなさいませ。先程より領主様がお待ちですよ…少しお怒りですじゃ…」

「えっ!まだ約束の時間では…。」

「もう、とっくに回っております!一刻は過ぎてますじゃ!」

「ええーっ!!」

「時間を守るのは当然の事。早う領主様にお会いなされ。」

「はい!!」


村長、奥の部屋でヒルデを待つ俺にまで聞こえる声で言ってはいかんだろ。

そんな事聞いたらあまり怒れないじゃないかよ。

ヒルデは、俺の居る奥の部屋に入るや否や

「ジル様、申し訳ありませんー。」

「お前なぁ、時間は守れよな。いつまで待たせりゃ気がすむんだ?」

「申し訳ありません。」

「村長に免じて許してやるが二度目は無いぞ。」

「………したらどうなりますか?」

「フフフ、楽しみにしてろ。きつーいお仕置きを考えておいてやる。」

おれは、不気味な笑みでヒルデに笑いかけた。

その顔を見てヒルデは青ざめ心底ビビっている。


「それで、森に入ってどんな物とってきたんだ?」

「あっはい。外に並べるように言ってありますのでこちらに来てくださいますか。」

「ああ、わかった。」

ヒルデは共に採集に向かった者たちに外に蓙を引いて並べておくように命じていたのだ。

(そういうところは、ちゃっかり準備していたんだな。)

蓙の上には多種多様な森の実りが並べてある。

だが現世では見たこともない物ばかりで見た目では食用かの判断は出来ないものばかりだ。

「村長、この中に食用で栽培可能な物はあるのか?」

「栽培??そんなもの無いですよ。森でしか実りませんから試したこともないですじゃ。」

嫌な予感がした。台車3台分の森の実りの鑑定が始まったのだ。

(もしかして…………。)

「ジル様、鑑定を宜しくお願いします。」

ヒルデがにこやかに俺に頼んできた。

(やっぱり!!これ全部鑑定しなきゃダメなのか……。さっき叱った仕返しかーー!やらなければ威厳がなくなるしな………。やりますよやりゃーいいんでしょーが!)


「とっととやるか。記録はしていけよ!栽培可能な物をとりあえず分けるぞ!」

「了解です!!」

「んじゃいくぞ。《見極の(アッサーテイン)》」


魔法を唱え直ぐ様、手当たり次第分別作業に入っていったのだが如何せん量が多く結局その作業は深夜まで掛かる羽目になった。

深夜に城に帰るわけには行かないのでグレイに伝達ナイフで今日は村に泊まる事を告げておいた。


~次の日~


朝から昨日栽培可能な分別した物をさらに細かく仕分ける作業に入った。

仕分ける種類は

①主食用栽培種……栽培食用可能で主食として利用できる。

②果実栽培種……栽培食用可能な果物。

③茸菌栽培種……栽培食用可能なキノコ類。

④多用植物種……加工すれば利用できる種類。

この四種に仕分けを行った。育ちが早く栽培可能なものを選別し、農作していく考えだ。


①主食用栽培種

・ムギムギ……小麦や大麦に似た利用ができる。年間栽培可能

・イモイモ………ジャガイモに似たイモ科の植物。


②果実栽培種

・モモノミ…白桃に似た果実。回復効果が少しある。

・エリー…刺がある黄色い果実。軽い毒素があるため一時間程水に浸しておけば食用になる。

・ミルクベリー…葡萄に似た紫色の果実で渋味が強くそのまま食する事はできないが加工すれば食する事ができる。


③茸菌栽培種

・ホタル茸…ベニーの樹に生える食用可能なキノコ。原木で栽培可能。

・コハク茸…琥珀色の茸。複製栽培が可能。


④多用植物種

・ツツミ竹…若木時、髄に糖分を含む。搾汁し精糖することが出来る。

・サクラ桑…実は赤く、蜜のように甘い。葉は蚕の餌にもなるため蚕繭が多く取れる。


今後、村で最優先で作る農作物は俺が選定してみた。ムギムギは今現在作ってはいるが魔物に田畑を荒らされ上手く育ってはいない。

この国の主食はパンみたいなものなんだが、ムギムギは小麦や大麦に似たもので主食の原料となっている。

イモイモは比較的生育が簡単で早期に成熟するみたいだ。

(あーー。白米は無いみたいだな。残念)

モモノミは一般的な果実で回復効果もあり、エリーやミルクベリーも手を加えればなんとかなりそうだ。

茸の二種類は、湿気のあるところで育てたら良さそうだし、結界が張ってある安全な森の一部でなら問題ないだろう。

ツツミ竹で砂糖作れるみたいだな、サクラ桑なんて食べる以外にも蚕繭作れたら衣服なんかにも利用出来るからぜひ育てたい植物だ。

「ヒルデ、記録できたか??」

「もちろん。大丈夫ですよ。」

ヒルデは羊皮紙に《見極の(アッサーテイン)》の解析(アナライズ)で出た育成方法や各植物適した土壌等の情報を書き記した。

「ジル様、これが言っておられた農業指導ですね。」

「そう。情報は教えるけど試行錯誤も必要だからな。自ら考える事をしなくなれば、この先つまづいた場合困るのは村の者たちだろ?」

「それもそうですね。ですが実がなるまでこの国がもたないのでは?」

「それなら大丈夫だよ。」

ポルタがヒルデの胸元から飛び出してきた。

(こっ こいつ、なんて羨まし……。いや、けしからんとこにいたんだ。)

「植物ならおいら達がなんとかできるだよ。」

ふんぞり返りながら自信満々にポルタは言ってきた。

「ポルタそれは、どういうことだ??」

「まぁ、見ててけろ。」


ポルタはここにいるもの達を畑に連れていき皆を驚かせることをした。

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