~ヒルデの任務②~
街をあげての宴会が終わった数日後、ヒルデとポルタは農村に来ていて村人達と共にジルから貰った結界杭で街道と村や田畑の周囲に杭を打ち終わり結界が張られた事を喜んでいた。
村長は、村にある空家3棟に森の妖精族達を住まわせた。コロポックル達は森の中から空家へ移り住む事になった。空家は8畳程で30名のコロポックル達が住むには狭いかと思われたが、コロポックル自体小さい種族なので3棟でも十分な広さだった。コロポックルには代表がいないため暫定的にポルタが代表になった。
ヒルデは村長の家で今後の方針を代表者を交え意見をまとめる事にした。その会議には、ヒルデ、ポルタ、村長、村人3名と森の妖精族3名で行われた。
「今後の方針なのですが、結界も張り安全確保できたので農村復活に向けていきたいのですが何かありますか?」
村長が一番最初にヒルデに話始めた。
「領主様にお伝えした通り、水不足と家畜不足をなんとかしなければいけませんな。」
「家畜不足はオーガストさんたちが何とかしてくれるみたいですよ。家畜に適した魔物を捕獲してきてくれるはずです。」
「そうでしたな。それならば家畜小屋を作らねばなりますまいな。」
「水不足は私に考えがありますから任せてください。」
「ほう。それは一体?」
「ふふふ。ジル様がこちらにこられる時に教えますよ。」
「農業指導に来ていただける時ですな。わかりました。でしたらそれまでの間はいかがしますかな?」
「ジル様がこちらに来られるまでに森の恵みの調査をしたいと思います。」
「それならおいらが案内するだよ。森の果実やキノコで食べれる物かそうじゃないか判断も出来るから任せてけろ。」
ボルタが嬉しそうに手を挙げてヒルデに言ってきた。
「そうね。じゃあお願いしようかしら。けど食べれないものも持ってきてくれる?」
「なんでだ??」
「なにかに使えるかもしれないじゃない。ジル様の魔法で鑑定してもらいたいしね。」
「了解しただ。だども、おいら達じゃいっぱい運べないだよ。」
「では村の者たちは荷運びに連れていってくだされ。」
「そりゃ助かりますだ。」
「護衛はどうしますかな?」
「そうね。オーガストさんたちから何名か派遣してもらうわね。訓練にもなるから。」
「あとは領主様が、お越しになる日がわかれば良いのですが。採った果実などが腐ってはどうしようもないですしの。」
「なら、いまからちょっと聞いてみようかしら。」
ヒルデは伝達ナイフを手に取り床に突き刺した。
ナイフを突き刺したままジルからの応答を待った。
『もしもーし。こちらジル。』
「スゴい!話が聞こえる!あっすいませんヒルデです。」
『どうした?なんかあったか??』
「ジル様が村にお越しいただける日の確認で連絡させていただきました。」
『そうだな、明日にでも行こうかな。』
「明日ですね。それならば都合が良いです。」
『都合がいいって?』
「森の実りを取りに行こうと思っていましたので。腐らせるわけにはいきませんから。」
『わかった。じゃあ、明日の昼にいくよ。』
「お待ちしております。では」
ヒルデは話終えるとナイフから手を離し通信を終えた。
床からナイフを抜き懐にしまった。
「しかし、このナイフは便利なものですな。」
「ほんとうだべ。」
「ジル様が特殊なんですよ。魔法や道具は創れるし、魔力は桁違いだし知識も豊富ですし。あの方は色々と無茶苦茶なんだから。」
「頼もしい限りですな。」
「んだんだ。」
「うふふ。そうですね。」
最初は厳しい顔つきで会話していたにも関わらず、いつの間にやら、会議は談笑の場になってしまっていた。
それほど、ジルの影響力は広がっていたのだ。
ヒルデはオーガストにも連絡をとり兵士達をこちらに向かわせてもらえることになった。
幸い、近くに駐留していたため明日の朝には来られるとのことだった。
村人とコロポックルたちは台車や籠、梯子などを用意や点検をし明日の朝から森に入る準備をすることにした。
~次の日の早朝~
晴れ渡った気持ちの良い朝だ。
村の広場に森に行く者達が集まり各々が準備を終えていた。オーガストが寄越した兵達も村に到着していた。
「では、今日の午刻にジル様がこちらに来られるまでに森の実りを集めちゃいましょう。森の妖精族は案内して、村の皆は荷運びと採集をよろしくね。」
「わかっただ。採集も手伝うだよ。」
「よろしくね。兵士の皆は周辺警護を頼むわね。何かあったら私に知らせてくれる?」
「はっ。了解しました。」
「じゃあ、いまから出発しましょう。」
ヒルデは村の連中たちと森に入りコロポックルの案内で次々と果実やキノコ、薬草、山菜などを採集していった。
魔物とも遭遇したが兵士達が倒していたので問題なかった。
時間を忘れ夢中で採集し午刻を少し回ってる事にも気がついていなかったほどだ。




