~能力鑑定①~
昨夜は大量の海の幸の大宴会をグランベルの広場で催され兵士や商人、職人、農村の村人、水の民族、多くの人々が、笑いに包まれ幸せな時間であった。戦争に敗れてから、笑顔が無くなっていた者たちはその時間に酔いしれた。領主になってから領主着任の式典をと城の者たちが言ったが、この宴会が式典の変わりでいいじゃないかと言ったら皆は了解してくれた。
俺は、この笑顔を絶やさないことをしっかりと胸の内に秘め固く決意した。
今日は朝から客が来ていた。水の民族族長ミリアリア=アジールが昨日の件でわざわざ礼を言いに来たみたいなので執務室に通した。彼女は開口一番俺に会うなり礼を言ってきた。
「昨日は我ら水の民族の頼みをお聞きくださり有難う御座いました。水の民族を代表し厚く御礼を申し上げます。」
「礼なんかいいって。んな事より普段通り喋ってくれ。調子狂うって。」
「じゃあ、言葉に甘えるよ。ありがとう領主さん。クラーケンがいなくなって漁も再開できるようになるから助かったよ。」
「水の民族の皆も昨夜は喜んでたもんな。」
「本当にありがとう。もし力が必要なときは遠慮無く言ってよね。」
「それなら、ひとつ提案があるんだが。」
「提案??」
「港を作ろうと思うんだ。街から海岸までは遠くないだろ。街から港までの間に水の民族の住居なんかも作ってさ、交易の拠点として活用したいんだ。」
「なるほどね。領主さん、そんなこと考えてたんだ。」
「それで港造りを水の民族にしてもらいたいんだ。」
「わたし達に?」
「そうだ。職人街の連中に港自体は作らせるから監修を頼みたいんだ。水の民なら港の設計や利便性を考えるのにうってつけだろ?」
「自分達が考えた港を自分達が使うってことね。わかった。ぜひ手伝わせてよ。」
「なにか面白い案があれば教えてくれよ。」
「わかった、やってみるわ。」
「あとミリアリアの能力鑑定させてくれ。昨日する予定だった奴等も、もうすぐここに来るから。」
「能力鑑定??そういえば昨日もそんなこと言っていたわね。」
「俺や皆の能力も見せるからさ。幹部となる者の能力は確認しておきたくてな。」
「領主さんの能力?それは気になるわね。っていうか、いきなり幹部になっていいの?」
「港を監修してくれるんだからからいいんじゃないか?」
「領主さんが、そう言ってくれるのなら喜んでお受けするわ。」
コンコン
ミリアリアと話が終わる頃に、ドアをノックする音が聞こえた。
「来た来た、どうぞ。」
時間を計ったように、グレイ、ネロ、シェリーが執務室にやってきた。
グレイが皆を代表して返事をした。
「ジル様が呼ばれた者を連れてきました。」
「忙しいときに悪いな。」
「いえ、そのような気遣いは無用ですよ。」
俺は皆が集まっている方を見て言葉を発した。
「今日呼び出したのは、皆の能力を確認するために集まってもらったんだ。」
「能力鑑定ですね。」
「そうだ。皆は仲間としてまた幹部として働いてもらいたいから確認したかったんだ。」
シェリーが不思議そうに俺に聞いてきた。
「ジル様、それならば教会に行けばよろしいのではないですか?」
俺は自分の能力をここにいる者達に《見極の窓》で開示した。
(口で言うより見せた方が早いもんな。)
いつも通り皆はビックリしている。
(そろそろ飽きたな、この反応。)
「とまぁ、こんな感じで鑑定出来るってわけよ。」
ネロが驚愕した表情で俺に聞いてきた。
「これ、スゴいですね。この魔法、私達も確認出来るんですか?」
「できるぞ。じゃあまずネロからいこうか。」
名前 ネロ=シュバイツァー
種族 羊角族
性別 男
年齢 19歳
武器 ニ短剣
体力 800
魔力 300
武攻 800
魔攻 320
守備 450
素早 920
技能 短剣術 素早さ大
職種 兵士
詳細 城内警護を主に担当している羊角族の兵士。半身鎧を装着し2本の短剣を得意とする。黄土色の髪色で側頭部から巻き角が生えている。ブライに見いだされ副官としてジルからの任務に着く。
「これが私のステータスですか。」
「ネロはやっぱり素早さの数値が高いな。」
「いえ、素早さだけなのでもっと技能を増やしたいですね。」
「程々にがんばれよ。無理しちゃだめだぞ。んじゃ、次はシェリーな。」
名前 シェリー=ルスタイン
種族 月兎族
性別 女
年齢 27歳
武器 斧槍
体力 1100
魔力 810
武攻 1100
魔攻 840
守備 670
素早 790
技能 戦槍術 聖光魔法 回復魔法 絶対音感
職種 兵士教養機関 所長
詳細 兵士を育成する機関のトップであるが、本人は前線で闘いたいと常日頃から言っておりジルからオーガストと共に任務を与えられ今は上機嫌。失礼な態度の輩には笑みを浮かべながら制裁する。頭から伸びる長い耳と腰まである長い白髪と真紅の瞳に眼鏡が特徴的な亜人。
「お前、上機嫌なの?」
「どうでしょうね。秘密ですわ。」
「あっそう…」
(あきらかにうれしそーだな。オーガストがタジタジになるわけだ。笑いながら制裁って……怖ぇーーー。怒らさないように気を付けよーっと。)
「んじゃ最後がミリアリアね。」
名前 ミリアリア=アズーリ
種族 水の民族
性別 女
年齢 26歳
武器 三叉槍
体力 1200
魔力 960
武攻 870
魔攻 790
守備 670
素早 650 (水中時1950)
技能 水氷魔法 槍術 高速泳法
職種 水の民族 族長
詳細
水の民族の族長。水色のウェーブした長い髪で青い瞳の女性。面倒見が良く信頼も厚い為若くして族長にななる。どのような状況でも落ち着きがあり、慌てずに黙々と仕事を行う。陸上では人の姿だが水中ならば下半身が海洋生物になるため、「人魚」とも呼ばれている。水氷魔法と三叉槍を得意とし、高速の泳法を使い水中では無類の速さを誇る。
「人魚になれるのは女性だけなのか?」
「女性は人魚で男性は半魚人になれるのよ。」
「マーマン?」
「そうよ。人魚みたいに下半身が魚じゃなくて両足にヒレがつくけど見た目はあんまり変わらないわね。」
「そーなんだ。人魚の泳ぎの早さはスゴそうだな。」
「また見せてあげるよ。」
一通り能力鑑定をして得意分野がわかったことだし今後役立てよう。
「ジル様、少しよろしいでしょうか?」
「なんだグレイ?」
「結晶の鑑定をしていただきたいのですが。」
「そうだったな。じゃあグレイとミリアリアは残ってくれ。ネロとシェリーは戻っていいよ。」
二人は一礼をして持ち場に帰っていった。
「じゃあ、グレイが集めてきた結晶についての鑑定をするとしますか。」
俺がそういうとグレイは机の上に5色の結晶を並べた。




