表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~序章~
3/171

~祝福~

 生まれ変わる為、転生の儀式を爺神から説明を受ける事になった。本来転生とは違う世界に迷い混んだ魂の救済措置であり、生前の記憶等は一切無くなり赤子から生きるものであると言った。

 最高神ゼウルフは俺にこの世界の仕組みを話始めた。

転生の前に知っておく方が何かと役に立つと思い静かに聞いていた。


「こちらの世界。名を『アールデヴィー』。この世界には多種多様な者たちが暮らしていての、人族や亜人、悪魔族、妖魔族、不死族などもおる。儂ら神族の対なる者として魔族がおるのじゃが儂らとは昔から仲が悪くての、今は停戦協定を結んでおるからまぁ気にしなくてもよい。じゃが転生となれば話は変わる。赤子からの転生じゃと、どの種族になるのかは誰にも決められん。運じゃな。悪魔になるかもしれないし。不死者になるかもしれん。それと前世の記憶は引き継がれないから本当の意味での生まれ変わりになるわけじゃ。」


「不死者って骸骨とかですか?」


「そうじゃ、スケルトンじゃな。」


「それはちょっと…」


「じゃろうなぁ」


「記憶もなくなるのか………」


(記憶がなくなればマナとの記憶もなくなるということか。

しかも、骸骨として生きていくのもイヤだな。

ってか、死んでるじゃねーか。)


「もうひとつの方法は、命か尽きた者を依り代にし代わりに生きるというものじゃ。こちらならば種族は選べるが命が尽きた者の代わりなのでその者が生きていた期間は赤子からの転生を選ぶより数年間は生きられないというものじゃ。前世の記憶とその者の記憶や技能も受け継ぐ事も出来る。簡単に言えば大魔法使いの年寄りを選べばスキルはすごいが短命で小さな子供を選べば寿命は長いがスキルがないといったとこじゃな。」


俺は、なるほどと頷いたがもう決まっていた。

記憶がなくなるのが何よりも嫌だったからだ。


「依り代でおねがいします。」


そういうと爺神はニコッと笑った。

「そういうと思っていたわい。ではこの者たちから選びなさい。」


3枚の紙を目の前に出された。

紙には、顔写真とステータスが書いてあった

いわゆる簡単な履歴書みたいなものだ。


「この者たちが今日、命が尽きようとする者たちじゃ。時間をかけて選びたいと思うかもしれんが今日中に決めないとお主にも、ちと影響が出るのでのう。この者たちから選びなされ。」


俺は3枚の紙を受け取りじっくり見てみることにした。


1枚目


名前 マイク=レイヤー

種族 人族

年齢 30/80

技能 棒術 体術 守備力大 

職種 守人

称号 村の守護者



胸板ははち切れんばかりでそこら中に傷跡がある。少し猫背であるが身長は2mぐらいありそうな巨漢だ。

村に、現れた魔物に襲われたらしく絶命したみたいだ。


俺とは正反対だな。

じっくり紙を見ていたら、マナがひょこっと顔を横から出して覗きこんだ。


「筋骨隆々で正反対な感じだねー。あたしのタイプじゃないかなー。」


これは無しだな…

マナのタイプじゃないと意味がない。


「年齢は30歳か。」


「そうだよー。左の数字が今の年齢で、右の数字が平均寿命だよ。」


なるほどー

そう考えると却下だな。

何も得してないからな。


2枚目


名前 トム=スート

種族 人族

年齢 20/80

技能 剣術 槍術 毒耐性 身体強化中

職種 冒険者

称号 無し



んーありふれた感じの人って感じだな。

可もなく不可もなく。イケメンでもなく不細工でもない。

しかも、命が尽きた理由がダンジョン攻略中に落とし穴に落ちて絶命って…

またマナが覗きこんできて

「この人はやめたほうがいいんじゃない??」


亡くなっているのに、この神様はキツイひとこと言うな。

かわいそうになってきたな。

選ばないけど。


3枚目


名前 ジル=ヴァンクリフ

種族 人族

年齢 18/80

技能 全属性魔法 身体強化特大 魔力特大   

天性 鍛冶細工

職種 無し

称号 無し  


(なんじゃこりゃ。天性??)


「これって…」


マナがいつのまにかまた覗いていたがそれよりも紙に書かれていることの方が気になっていた。

病死…

18歳で亡くなったのか…

その年齢でこんなにスキルを持ってるものなのか??


「その者は天性者じゃ。」


「天性者??」


「たまに居るのじゃが、神族に見初められその神を守護神としてその者に天恵を受け渡せることができるのじゃ。天より神の性質を受けるもの…故に天性者じゃ。じゃが、この者は病弱で天恵を生かせなかったんじゃな。」


そんなものがあるのか。

病気がなかったらスゴい人になってたかもしれないかもな。家族もやりきれないな…


そう思ったら、すぐに決めた。


「おれ、この人にします。」


3枚目の紙を爺神に向けてそう言った。

マナもなんだか喜んでいるし間違いないだろう。


「うむ。ではこの者に転生をするとしよう。

お主には何かと迷惑をかけたの。そこでじゃがクロトーネを守護神とし、お主にスキルを与えようと思うのじゃが。」


「おぉー。ありがとうございます。それって…」


「そうじゃよ。天恵じゃ。お主は転生者であり天性者でもある。稀有な存在になるのー。守護神をクロトーネにすると何かあれば助けにもなるじゃろう。」


何か申し訳なくなってきたあまりにも厚待遇な気がしたが

受け取らなければマナが必ず膨れっ面になるとわかっていたからだ。

「ありがたくちょうだいします。」


「儂から、最後に伝えたい事があるんじゃが。儂、最高神じゃろ。爺神はちょっと失礼じゃない?」


「えっ?」

(もしかして。神様だから心の声聞こえるの??)


「聞こえとるぞ」


「マジで!!」


「マジじゃ!!」


(ん??ってことは??マナも聞こえたりするの??)


そっとマナほうを見てみると


「聞こえてるよ」


「………!!」

(ちょっとまって!!地球にいるときは聞こえてないよな?)


「聞こえてたよ……」


頬を赤くして恥ずかしながらマナ言った。


(いやーーーーーーー!!)


(はずかしすぎるーー!!)


死にたくなってきた。

死んでるんですけどね。



「そろそろいいかのー。いいならば転生を始めなさい」

爺神もとい最高神ゼウルフ様が言い出した。




マナが俺の近くに寄ってきて頭に手をかざしだした。


「すぐに、会いにいくからね」


「わかった。気長に待ってるよ。」


マナはニコッとしてから目を閉じた。

辺りから光の粒が出ると同時に俺の足元から

魔方陣が浮き上がり体が少し浮いた。


「では、転生を始めます。運命を司る女神クロトーネの名において、この者に天恵を授け守護神の剣となる事を許可します。そして新たな体に命を授けます。」


俺の体が徐々に半透明になり足から光の粒になり消えていき何故か優しい気持ちになっていた。

意識が遠退いていくが怖くはなかった。

全身が光の粒になっていった。



最後にマナの言葉が聞こえた。



「この者の、転生に祝福を……………」



そして光の粒が舞い上がり転生する者のもとへ……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ