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Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~第一章 統治開始編 ~
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~グレイの任務①~

ジルと鍛冶屋に行った後、グレイは街中を歩き回っていた。国の代表代行になってからグランベルの中を歩くのは久しぶりであった。

国中走り回り各地の小競り合いを収拾し等の戦後処理に追われていた為、首都に帰ることはあまりなかった。貴族もいるだろうと考えてはいたし、父が蒔いた種を取り除くその一心で動いた結果、貴族の暴挙を見逃してしまったと後悔していた。グレイは軍師としては優秀だったが内政に関してはそれほどでもない。なぜならば、軍に携わるものは、内政不干渉というのが旧ミーア国でのルールであったからだ。この事が代表代行となっていたときに足枷になり国を運用できていない原因でもあった。


「これからは、内政にも関わらないといけないな。」


これを機に、グレイは軍師だけでなく宰相としての力が付いてくるが、それはもう少し後の話になる。


ジルから与えられた任務は、特産品の開発と必要数の割り出し、民の衣食住の調査、新しい素材の発見だった。

鍛冶師組合(スミス)の会長ドルフ=ベインに魔法付加道具の製作依頼を出してあるが、それだけでは現状を打開できる訳もない。

他にもなにか目新しい商品がないかを考えながら歩いていると、子供たちがグレイの目の前に集まっていた。


「グレイ様、どうしたの?具合が悪いの?」


「ちかうよ。ちょっと考え事をしていたんだ。」


「考え事??」


「そうだよ。みんなは何していたんだい?」


「んーとね、石で遊んでいたの。」


「石??」


「これだよ。こっちの石は温かいの。こっちのはピンク色でキレイなの。」


「ちょっと触っても良いかな?」


石を手に取ってみたら黒い色で少し魔力を帯びており温かった。石が魔力を帯びるのか?

もうひとつの石はピンク色で日に当てると輝いている。

グレイは不思議に思い子供たちにどこで石を見つけたのか聞いてみた。


「海の近くにあったよー。」


「街の外に行ったの?駄目だぞ外は魔物も多いから。」


「ごめんなさい。」


子供たちは反省した様子でグレイに謝った。


「もう、勝手に行かないって約束するなら許してあげよう。」


「うん。約束する。この石、グレイ様にあげるね。」


そういうと、子供たちは走って遊びに行ってしまった。


「この石、調べてみようか。」


グレイは、子供たちが石を拾った場所に行ってみることにした。そこは街の西側にある海岸の畔だった。海は透き通っていたが魚等の生き物はあまり見なかった。


「この辺りで拾ったと言っていたな。」


岸には、チラホラ石が落ちてはいたが温かい物などなかった。


「これは一体なんなんだ?」


座り込みながらその石を見つめていたら、一人の女性が声をかけてきた。


「お兄さん、そんなの持って何してるの?」


その女性は、水色でウェーブがかかった長い髪をしていて透き通るほどの白い肌の女性だった。


「あっ、いえ。これが何か知っているのですか?」


「知らないの??」


「ええ、まぁ。」


不思議がる目でその女性はグレイを見ていた。


「…それは、糞よ。」


「糞???」


「そう、岩鶏(ロックバード)の糞。」


「……………………。うわっ!!」


グレイはその石を手から離した。


「ビックリしたのはこっちよ。座って、糞をまじまじ見つめている人がいるんだから。」


やれやれと溜め息をつきながらグレイに言っている。


「あははは……。」


笑ってごまかすしかなかった。


「岩鶏は鉱石しか食べないから汚くないし大丈夫じゃない。ところで糞持ってなに考えてたの?」


「あぁ。これ何かに利用できないかなと思いまして。」


「糞を?」


「そうです。魔力も感じるし再利用できそうですからね。」


「そんなこと考える人初めて見たわ。」


グレイは黒い石をしまい、ピンクの石を魔法小鞄から取り出した。


「これは何かわかりますか??」


グレイは女性にその石を手渡した。


「とても綺麗だけど、何かはわからないわ。」


「この石もさっきのも、街の子供たちから貰ったんです。見たこと無いものだから気になりましてね。」


「何かはわからないけど、同じような石がある場所なら知ってるわよ。」


「本当ですか?良ければ案内してもらえませんか?」


「いいわよ。案内といっても近くの洞窟の中にあったから。すぐそこよ。」


二人は湖岸沿いを北に進んだ場所の洞窟を目指して歩く事にした。歩きながらグレイは自己紹介を彼女にし、彼女もグレイに名乗った。

「あなたがグレイさんだったのね。」


彼女はグレイと初めて会って話すのだが、ミーアの元代表だと言われても気後れすることなく飄々とした様子でいつもと変わらずグレイに接していた。


「わたしは、水の民族(メロウ)のミリアリア=アジール。よろしくね。」


「こちらこそ。水の民族(メロウ)だったのですか。メロウといえば、尾ひれとかがあるのでは?」


「陸上では水の民族(メロウ)は髪と瞳が水色ぐらいで人族とかわらないわ。水中になら人魚になって下半身が魚に変化できるけどね。」


「それは便利ですね。」


「最近は、あまり人魚にならないのよ。人拐いにあっちゃうから。」


「申し訳ありません。我々がしっかりしていないせいで、あなた方に迷惑をかけてしまい。」


「グレイさんが謝ることじゃないわ。気にしないで。」


グレイはミリアリアの案内で洞窟の中に入ってみると壁の中に埋まっているピンクの石を見つけた。

ピンクだけでなくいろんな色をした石が岩壁に埋まっている。グレイは調査の為、各色の石を採掘し魔法小鞄にしまった。


「役に立ったかしら?」


「ありがとう。助かりました。少し持ち帰り調べてみます。」


「よかった。じゃあ、お礼が欲しいんだけど。」


「そうですね。今持ち合わせが少ないですので後から城に来ていただけますか?」


「お礼はお金じゃないのよ。」


「じゃあ、何がお望みですか?」


「さっき、新しい領主様が来たって言ってたでしょ?それで水の民族代表で嘆願したいことがあって会わせてもらえないかしら?」


「それならば、今から一緒にいきますか?」


「いいの?」


「ジル様なら聞いていただけますよ。」


「グレイさん。ありがと。」


「では行きましょう。」


採掘した鉱石をジルの魔法《見極の(アッサーテイン)》で鑑定してもらうためだ。鉱石なら鍛冶師組合(スミス)のドルフさんに頼めば良いのだが、岩鶏(ロックバード)の糞だと聞いたら鍛冶鑑定ではわからないだろうと思ったからだ。

グレイはミリアリアを連れて城に帰ることにした。

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