~奴隷商~
10話まで書き終わりました。
連投ですので誤字脱字はあると思います。
気づかれたら教えてくださいね。
賑やかな繁華街の一角にわりと大きい屋敷が建っていた。
奴隷商人の屋敷らしい。
「あまり、こういう場に若を連れて来てはいけないような気がしますが勘弁してください。」
ダリルが申し訳なさそうに言った。
「こっちが頼んだのだから気にしないでよ?」
「とりあえず中に入りましょう」
門の前にこの屋敷の使用人の獣人が立っていた。ダリルの顔で話を通したら、すんなり屋敷の中へ迎えてくれた。ここの主人とは顔馴染みらしい。
使用人の後をついて行くと、応接室に案内された。
「主人を呼びますので少々お待ちください。」
使用人は部屋から出ていき主人を呼びに行った。
俺たちはソファーに座り、出された茶を飲みながら主人を待つ。
その間に、ダリルがこの奴隷商の事を話してくれた。
「この屋敷の主人は商売で奴隷を扱っていますが、奴隷を鎖でくくりつけたり痛めつけたりはしません。従属の首輪ってのを嵌めるだけで後は一般人とあまり変わりません。ここの扱っている奴隷は皆健康で意識の高い者たちばかりですよ。ただ値段は高いですけどね。」
「従属の首輪??」
「人や魔物を強制的に従えることができる首輪で、逃げれないようにするためですよ。犯罪者に使う事が多いんです。契約魔法が掛けられていますから逃げたり外そうとすれば命を落とします。」
「一生、外せないのか……。」
「契約を交わした者が解除すれば外せますよ。」
「なるほど。覚えておこう。」
この屋敷の主人が現れた。
肩までの黒髪で眼鏡をかけた妖艶な女性だ。
「お待たせ。」
「すまないな、急に押し掛けてしまって。」
「本当よ。こちらの事なんかいつもお構い無しなんだもの。」
「すまんすまん。」
ダリルと女主人が仲良く話しているまるで兄弟のようだった。俺たちが座っている前面のソファに腰掛けて足を組んだ
しかし、女主人とはな。ビックリした。
「それで、この子が奴隷を欲しがっているの?」
「そうなんだ。うちの店のお客さんで困っているから助けてほしいと言われてな。それと申し訳ないが、素性は伏せさせてくれ。」
「そういうことね。」
ダリルに気を使わせてしまったな。
女主人が、俺の方を見て微笑んだ。
「ここの主人の、メリル=ラッシュです。よろしくね。名前は聞かないでおくわね。」
「すいませんがよろしくおねがいします。」
「それで、どのような者が良いの?」
「馬術を得意とするものが良いのですが。急に引っ越しをすることになり馬車の御者がいなくて困っていまして。
あと、ミーア国出身者でお願いします。種族は問いません。」
「わかりました。少しお待ちください。」
女主人は使用人に自室にある奴隷の名簿を持ってこさせた。
「残念ながらミーア出身者で馬術スキルを持つ者はいなかったわ。」
「そうですか…」
残念だが、こればかりはどうしようもない。いないのだから。
しかしどうしたものか。
「ちょっとまって。」
女主人が一枚の名簿を差し出した。
「もしかして、この子なら大丈夫じゃないかしら?」
その紙を手に取り見てみた。
名前 ブライ=ハイ
種族 人馬族
性別 男
年齢 25歳
技能 弓術 槍術 双剣術 守備力大 素早さ大 迅雷魔法
職種 元騎士
(なるほど。ケンタウルスか…………。なら馬車もいけるかな。)
「一度、この者と話してみたいのですが?」
女主人に聞いてみる。
「大丈夫ですよ。この屋敷の裏に奴隷達が住む住居がありますから。」
女主人は使用人に、呼びに行かせた。
その間に注意点があるらしいので女主人から話を聞いた。
「ケンタウルスは森の賢人と言われている者たちで、虐げる者には容赦はしません。この者も他の奴隷商では手に余ったので私が引き取りました。なにせ私が奴隷を虐げるやり方が嫌いなものですからね。ウチに居る他の奴隷に聞いたのでしょう。そんな事をする者はここにはいない事を。」
この人は他の奴隷商とは何か違うみたいだ。
「それからは、手に余るみたいな事は無いしね。だいたい、他の奴隷商がアホなのよ。奴隷は元気で清潔じゃないと売れるわけないのに食事代やらケチったりして。他の同業者と同じに思われるのだけは勘弁だわ。」
いつの間にやら、愚痴の聞き役になっていた。
ガチャ
使用人がケンタウルスを連れてきた。目前に現れたケンタウルスは、思った通り、上半身は人間で下半身は馬だ。
黒髪の短髪で爽やかなイケメンで、下半身は黒毛の艶のある毛並みだ。
その奴隷は俺を見て、自ら名乗りだした。
「わたしの名はブライ=ハイと申します。以後お見知りおきを。」
「少し質問してもいいですか?」
「なんなりと。」
「あなたは、馬車を引いたりできますか?」
「もちろんです。」
「戦闘経験は?」
「それなりにあります。」
「俺と共にミーア国に行けますか?」
「えっ!ミーアに行かれるのですか?私の故郷ですのでお連れすることは可能です。ですが…」
「やはり奴隷となって故郷には戻りにくいですよね。」
「その通りです。生き恥を晒して故郷に戻る事は亡き同胞たちにあわせる顔がありません。」
(やはりな。奴隷になり故郷に帰ることは辛いからな。意地悪な質問をしてしまったな。)
「わかりました。ですが私はあなたを無理矢理買いたくありません。悪いようにはしませんから、ついてきてくれませんか?」
ケンタウルスのブライを真っ直ぐ見て彼に問いかけた。
これで、少しでもイヤがるなら買うのをやめよう。
「あなたは綺麗な目をなさっている。そんな目を久しぶりに見た気がします。その目を見ただけで気持ちは決まりました。よろしく、お願いします主。」
決まったな。女主人に会計をして明日の準備に取りかかるとするか。
「では、この者を買いますので会計おねがいします。」
俺がそう言うと女主人は。
「ジル様からお金なんて取れませんわ。」
(あれっ?ばれてたの)
ビックリした顔でいると。
「勘が鋭い者なら、わかりますよ。依頼が出身地が限定の者を探してほしいだなんて18才の統治しかありませんわ。しかも、この辺りの18歳で統治を行っていないのは、あなただけですよ。でしょ?」
「さすがです。そのとおりですよ。」
「一番分かりやすかったのは、そこのバカがいちいち、あなたの言動に嬉そうにしているからですよ。」
それを聞いたダリルは頭を垂れていた。
「しかし、お金は貰ってください。執事長に叱られますから。」
「わかりました。ではブライの装備などはこちらが用意します。準備か整い次第明日の朝にお屋敷に連れていきますね。」
「助かります。」
そういうと使用人にブライの準備を命じた。
ブライも荷物整理のため部屋から離れた。
そして、俺とダリルは屋敷から出て家路についた。
読んでくださりありがとうございます。
まだまだ続きますので。楽しんでください。




