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犯人は国木田  作者: 虹峰 滲
2/2

ー解決編ー

 ◇登場人物


 左門虎家 無希(さもとらけ・ないき)ーー画家、被害者


 国木田 闊歩(くにきだ・かっぽ)ーー画家の弟子

 木口 三歩(きぐち・みほ)ーー画家の弟子

 玉木 十八番(たまき・おはこ)ーー画家の弟子


 髭宮 正午(ひげみや・しょうご)ーー刑事

 小早川 悟(こばやかわ・さとる)ーー刑事

 件田 止水(くだんだ・しすい)ーー刑事

 冴樹 明日架(さえき・あすか)ーー鑑識

 


 ー解決編ー



「ううむ、どうすればいいんだ?」


 俺は頭を悩ませる振りをして、今日のモニタリングがリアルタイムで見られないことを悔やんだ。

 今日は広瀬すずちゃんが出ているというのに!



「あれ? もしかしてわかったかも?」

 と、小早川が呟いたのを、危うく聞き逃すところだった。


「どうした、小早川。なにか分かったのか!?」


「はい。表を見てください。最初に『ミホ』と書いたのが誰かどうかが分かればいいんスよね? それが、DM(ダイイングメッセージ)を偽造した犯人なんスから」



挿絵(By みてみん)



 あぁ、その通りだ。


「なら、次の段階を先に見てみてください。『ミホ』を『玉木』に偽装した人の箇所です。【木口】か【国木田】ですよね? でもよく考えてみてください。『ミホ』を『玉木』に偽装する必要があるのって、【国木田】じゃなくて、【木口 三歩(ミホ)】ですよね?」


「あ」


 確かに。

 国木田は『ミホ』と書いてあるDM(ダイイングメッセージ)を、危険を冒してまで『玉木』に偽装する必要が無い。

 しかし、木口の場合はある。殺してもいないのに、自分の名前が書いてあったら偽装しなくてはと思うはずだ。


「ですから、『ミホ』を『玉木』に変えたのは【木口 三歩】なんス。すると、次の段階です。『玉木』を『国木田』に変えたのは誰だったのか。【玉木】か【木口】って話ですけど、これはもう当然【玉木】ですよね? 偽装する必要があるのは、【玉木】のはずです。すると、最初にDM(ダイイングメッセージ)を偽装したのは……、【国木田】ということになります!!」



 ……なんということだ。

 小早川が珍しく事件を解いてしまった。



「いやいや、でもまだほかの可能性があったはずだ。絵の具の微生物がどーたらこーたらっていう」


 冴樹嬢の言っていた説の方が俺にとっては重要だ。


 すると次の瞬間、

「真実は、我が掌握せし!!」


 ドヤ顔と共に無駄に声を張って件田が名乗りを上げた。


「ふっふっふ。事件はもう解決したも同然だ。犯人はあいつだったのさ」



 いいから早く先を話せ。


「先ほどの表を見てみろ。最初に『ハコ』と書いたのが誰かどうかが分かればいいんだろ? それが、DM(ダイイングメッセージ)を偽造した犯人なんだから」



挿絵(By みてみん)



 あぁ、その通りだな。

 さっきと同じ流れだな。



「なら、次の段階を先に見てみてみろよ。『ハコ』を『木口』に偽装した人は、【玉木】か【国木田】だよな? でもよく考えてみてくれ。『ハコ』を『木口』に偽装する必要があるのって、【国木田】じゃなくて、【玉木 十八番(オハコ)】じゃないか?」


「う」


 確かに。

 国木田は『ハコ』と書いてあるDM(ダイイングメッセージ)を、危険を冒してまで『木口』に偽装する必要が無い。

 しかし、玉木の場合はある。殺してもいないのに、自分の名前を連想させる言葉が書いてあったら偽装しなくてはと思うはずだ。


「だから、『ハコ』を『木口』に変えたのは【玉木 十八番】なんだ。すると、次の段階だよな。『木口』を『国木田』に変えたのは誰だったのか。【国木田】か【木口】って話だが、これはもう当然【木口】一択だ。偽装する必要があるのは、【木口】のはず。すると、最初にDM(ダイイングメッセージ)を偽装したのは……、【国木田】ということにななる!!!」



「ぐううう!!」


 嫌になるほど筋が通っている。




 ん?

 でもこれって?




 そこで、朝から証拠集めをしていた別グループの捜査班が帰ってきた。

「ダイイングメッセージに書いてあったとおり! 国木田 闊歩の殺人の証拠を見つけたぞ!! 逮捕状請求だ!!」


 ウオオオオオオ!!


 やる気に満ち溢れているメンバーが再び捜査一課から外に飛び出していった。



「…………事件は振り出しに戻ったな」


「まぁ、解決したからいいじゃないですか」


「そうだな………」



 彼女の文鎮が手に入ったから良しとするか。



 こうして、警始庁捜査一課の夏は過ぎていく。

 結局夏らしいこと、なんにもしなかったな。


 せめてかき氷くらいは食べたかった。

 そんなことを一人、文鎮を眺めながら思うのであった。




 ……犯人は国木田


【完】


◆あとがき



どうも。虹峰 滲です。

33分探偵みたいなノリを書きたくて作りました。

それでもって、あんまり頑張りたくなかったので、簡単な事件にしました。


片手間に簡単に書けるところが、このシリーズのいいところだと思ってます。

思いつく限り永遠に続くので、お付き合い頂けたら幸いです。


それではまたお会いしましょう!

バカミスバンザイ!


以上


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