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プロローグ

『ころぜぇ あのぉ おんなぉ ごろぜぇぇぇ』

「キャアアアアアアアアアッ」

今。私は、Lv.10以上の冒険者以外立ち入り禁止の大森林<ヘルヘイム大森林>で死にかけている。

十数匹の、緑色をした小汚い小人『ゴブリン』に追いかけられている。

一匹、二匹ならどうにかなるかもしれないけど、十匹以上となると、さすがに無理だ。

特に、問題は私の体力と魔力とスタミナだ。

体力 20/120 魔力40/200 スタミナ20/100

と、すでに死にかけだ。この体力だと、あと二回ほど攻撃を食らえばご臨終してしまう。

さらに、この魔力だと、弱魔法で四回  強魔法、回復魔法で二回ほどしか魔法は打てない。

そして、一番大切なスタミナ、この量だと、あと走れるのは120mほどだろう。

詰んだ、終わった...

そりゃそうだ、Lv5のプリーストの私が金に目がくらんで、Lv.10以上の冒険者以外立ち入り禁止の場所にいるのだから。

一攫千金しようなんて思った私が浅はかだった。まぁ、今頃後悔しても無駄だけど。

スタミナが、13・12・11と順々に減っていく。10にさしかかった時、急に走れなくなった。

傷付いた体を必死に動かすが、だんだんと壁に追い詰められていき、あっという間に、壁とゴブリンに追い詰められてしまう。

少し周りのゴブリンよりがたいがよく、着ている布の量が多い一匹ゴブリンが体臭を撒き散らしながら近づいてくる。ゴブリンの親玉だろうか...

そのゴブリンが黄ばんだ歯を見せながら、臭い息で言う。

『きにいっだぁ このおんなぁ どれい ずるぅ』

ゴブリンの群れから歓喜の声が上がった。

ゴブリンの奴隷となると死ぬまで残飯処理や性欲処理などをやらされ、挙句の果てに使えなくなったら生き埋めにされるか、生きたまま焼かれゴブリンの餌になるか、何も与えられず餓死するかのどれかだ。

ゴブリンが再び汚い言葉で喋る。

『おまえぇ どれい なるがぁ』

震える声を抑えながら私は強く言う

「誰がお前らなんかの奴隷になんかになるか、このクソ野郎」

『おまえぇ じぶん たちばわかっで な な』

と言い、ゴブリン達が手に持っていたナイフを棍棒に持ち変える。

叩いて分からせるつもりなんだろう。

私も懐にあるナイフに手をかける。

が、これは戦うためじゃない。

自害するためだ、ゴブリンの奴隷になるなら自ら命を絶ったほうがいいと思ったからだ。

ゴブリン達が棍棒振り上げたとき。

「Lv2」という声がどこからか聞こえた。

それと同時に目の前が黄金の閃光に包まれる。

ゴブリンの姿は無くなり、ドロップアイテムのみが残り、あたりの地面が直線状に抉れている。

横から、何かが地面にぶっかったような鈍い音と鉄の塊のようなものが落ちた音がした。

そこには一人の男の人が倒れていた。

確証はないが、私は確信していた、この人が助けてくれたということを・・・

そう思うと、胸がみょうに高鳴り、苦しくなった。

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