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すくーぷっ!!  作者: 伽藍云々
1st Semester
7/91

部活終わりはのんびり過ごしたい訳で

今回は月光閃火様が投稿して下さったキャラクターがほんのちょっとだけ登場します。


次回はレフェル様が借して下さったキャラクターを登場させてみようかと思います。


4月5月中はこの二人のキャラクターにしようかと思ってます。



では、よろしくお願いいたします。

 

 

オリエンテーションが終われば今日はそのまま解散、放課後である。

荷物だけ教室に取りに行って生徒達は各々帰路に着くなり、新しいクラスで友達同士親睦を深めにいくなり、学校を見学したりする訳だが。


「俊也!

部活行くよ!」


「………」


当然の如く、俺にはそんな選択肢は無い。香織に捕まって有無を言わせず引きずられていくのみだ。


荷物を整え鞄にしまった俺はいつの間にか隣に来ていた幼馴染みに腕を掴まれ確保されていた。


「相変わらず楽しそうだな、二人とも」


「あ、東堂君」


そんな俺達に顔を向けて意味ありげに口元を緩める隣の席の進一。香織は彼を見ると元気良く微笑んでみせた。

そんなに楽しそうに見えるのならば今すぐにでも交代してやりたい。


「いやはや青春だねぇ、なぁ弦」


「おぉ、流石俊也じゃ。これが流行りのアベックいう奴かのぉ」


それ死語だからな。


「あれ?

貴方は……?」


「おぉ、挨拶がまだじゃったのぉ。わしは近藤弦言うもんじゃ。俊也達とは今朝知り合っての、一つよろしく頼むわ」


進一の横から顔を出した弦に見覚えが無かった香織ははてと首を傾げる。すると弦はトンと胸を叩いて自己紹介をしてみせた。


「私は穂坂香織よ。

新聞部に所属してて、俊也の幼馴染やってるの。

こちらこそよろしくね!」



「おぅ、よろしくの嬢ちゃん」


二人は互いに挨拶を終え、元気良く握手を交わした。似ているタイプではあるな、二人とも。


どうでも良いが、『幼馴染みをやってる』ってどんな紹介だよ。まるで俺が迷惑をかけているかのように聞こえるではないか。


「それじゃ、行くよ俊也!」


「はいはい……ってだから袖を引っ張るなっ」


無理矢理引っ張ったら伸びてしまうだろう。

せっかくクリーニングして間もない制服だというのに。


「またね、東堂君、近藤君!」


「おー、また明日な」

「二人とも気ぃ付けての」


手を振って見送る二人を眺め、俺は引きずられるようにして教室を後にした。

今更ではあるが何と情けない姿だろう。

そんな虚しさを少し感じつつも、いつも通り第二校舎へと移動していく。


「あ、ねぇ俊也」


「あん?」


階段を使って三階へと登った時だった。ふと香織が足を止めて声をかけてきた。彼女の視線は前方にある教室に注がれている。


教室の前には二人の男女生徒が向かい合って話している姿があった。


「ありゃ霞じゃないか」


「やっぱり、かすみんだよね」


女子生徒の方は翡翠色のショートカットに小柄な身長、成條霞だ。同じ新聞部の仲間で香織と仲の良い少女だ。

しかし珍しいな、彼女が男子と会話を続けているなんて。


「かすみんが男の子と話してるなんて珍しいね。

俊也くらいだと思ってたのに」


香織も同じ事を考えていたのか、前方の教室前の光景をまじまじと見つめている。


相手の男子は霞と話ながら時折笑ってみせたりしている。

会話は弾んでいるのか、ますます珍しいな。


ツンツンとした黒髪にスラリと高い身長、体格も良く横顔からも分かる整った顔立ちだ。

うーむ、男目から見てもかなりいい男だな。

進一と同じく間違いなくイケメンの部類に入るだろう。

制服も学ランを着崩した格好が様になっているな。


「格好良い人だね」


「そうだな」


香織から見ても同じくイケメンのようで。

やはり男は顔が物を言う世界なのだ。まぁ、俺みたいな奴にはよっぽど縁遠い世界だな。


「もしかして、かすみんの彼氏かな?」


「どうだろうな……」


彼氏、ねぇ。

普段のアイツからは全く想像出来ないが……いや別に違うから、想像したくないとかじゃないから。


「何にしても、ここにいると立ち聞きしてるみたいだから、さっさと部室に行こう」


「ん、それもそうね」


目を輝かせる香織に、再び部室へと向かうように促す。

人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死ねば良いと昔から言われているしな。


しかし、ちょうど話し終えたのか霞は男子と別れたようでこちらに向かい歩き始めていたのだ。


「………あ」


「「あ……」」


なので必然的に彼女とばったりと正面から遭遇する事に。


「あ、えーと……こんにちは、かすみん!えっと、これから部活よね?」


「えぇ、香織達もでしょ?」


「う、うん」


バツの悪そうに視線を左右に泳がせながら話す香織。清々しいくらい挙動不審だぞお前。

反対に霞の態度はいつも通りで全く変わらない。香織の予想が正しいとすると、その対応には少し違和感があるな。


「なぁ、霞」


「何、雑草(としや)


また随分と辛辣な呼び方だ。一体俺の事を何だと思っているのか。

まぁ彼女の毒舌はさておき、態度と予想の間に妙な違和感を感じた俺は直接訊ねてみる事にした。


「今話してた奴、知り合いか?」


「ばかッ!」


訊ね終わると同時、横から香織に脇腹を小突かれた。

大方聞いてはいけない事情だと勝手に判断していたのだろう。地味に痛む脇を押さえつつ霞の反応を待つ。


「えぇ、知り合い」


案の定、霞は何食わぬ表情でコクりと頷いてみせた。そして続けて一言。


「私の幼馴染み」


「「え?」」


しかし、これは予想外の答えだった。







新聞部の部室。

その中央にある四角いテーブルに俺、香織、霞は座っていた。

テーブルの中心には白い紙面に鉛筆で枠組みが書かれており、大雑把な字でタイトルや内容が示してある。


新聞部で来週に発行する新聞の原版作りだ。

記事を揃え、その上で紙面のレイアウトや記事の差し替え確認、基本的な新聞の骨組みを完成させる。

最後にパソコンで記事を書き込み印刷するのみだ。



「でも驚いた〜

かすみんにあんな格好良い幼馴染みが居たなんて。ね、俊也」


「ま、確かに意外だったけど……」


大方の作業も片付いて、今は島先輩を待つちょっとした休憩時間中。

香織は先程の廊下での出来事を思い起こしたのかそう口にしてきた。


「今まで言って無かったから」


雑誌を捲りながらさらりと呟く霞。

……まぁ、長い付き合いだと思っていても知らない事なんて幾らでもあるだろう、けれど全く知らなかったというのも何だか——


「彼は一昨日転校してきたのよ」


って、そりゃ知らんわ。


この時期に編入では無く転校という事は新入生では無さそうだ。


「二年生か?」


「ええ、二年生。一つ年上」


先輩か。

なるほど、転校生だな。


「かすみんって中等部の時に私達のクラスに来たんだよね?その前の学校で一緒だったの?」


「小学校から中学校の途中まで同じ、家も隣だった。

転校してからは直接会う機会が減ったけど」


香織の質問に霞は雑誌を捲る手を止めずに頷いてみせる。


彼女の言う通り、霞は転校生だ。中等部二年の時にこの学園に転校してきた。ちょうど転入先が俺達のクラスで、まぁ色々あって今の関係に至る訳だが。

ともかく、あの男子生徒は彼女がこの学園に来る前の幼馴染みだったらしい。


俺と香織が納得半分意外半分というように顔を見合せていると、霞は更に意外な言葉を続けてきた。


「新聞部に勧誘しておいた。もしかしたら入ってくれるかもしれないわ」


「本当に!?」


思わず身を乗り出す香織。その表情は期待に輝いている。運動部にも文化部にも属さないこんな部活に入ってくれる物好きはそうそう居ないから、特に新入部員は大歓迎である。


「まだ分からない、けど肯定的な返事は貰った」


「もし本当に入ってくれるならこれ以上の事は無いよね。

島先輩がもうすぐ引退しちゃうから、このままだと部活自体危なくなるもの」


本当に嬉しそうに手を併せる彼女の言葉には、まぁ俺も別段反対する理由はない。


島先輩は今年から三年生で受験生だ。引退は部活や個人によるが、5月か6月くらいになるだろうと彼は言っていた。

受験生は早くから勉強や進路等色々と忙しいのだ。今のように毎回部活をしている暇など無くなるだろう。


たまに顔を出してくれると思うが、部員では無くOBという形になる。

新聞部(うち)は現在4人とギリギリの人数、島先輩が引退すると部としての運営が認められなくなってしまう。


が、霞の幼馴染みであるというその先輩が入部してくれればその心配は無くなるのだ。



ぼんやりとそんな事を考えて窓の外に目を向けている間も、霞と香織はその先輩についてあれやこれやと会話に華を咲かせている。


「彼はパソコン得意でタイピングも速いから」


「へー!それって頼りになるかも」


「ええ、少なくとも俊也(あれ)よりは、ね」


「そうかも♪」


悪かったな、どうせ俺はアレ扱いが妥当な所だろうさ。運動が得意な訳でも無ければ勉強が得意な訳でも無い、人望がある訳も無し、人気者なんて柄でも無い。唯一空が好きな事を誇りに思うも香織(あいつ)からは空オタクと呼ばれる始末。

あぁ、言っててますます虚しくなってきた。


「でも、これで俊也の野望も崩れ去るわね、可哀そうに」


「は?野望?」


自分の情けなさに深々とため息をついていると、いきなり霞が話をこちらに振ってきた。

いきなり野望って、一体何の話だ。


「島先輩が引退したら男子は俊也一人。両手に花の密かな野望があったでしょうに」


「あ、ホントだ。このままだったら可愛い女の子二人に囲まれる筈だったのにね♪」


クスリと口元を緩める霞とそれに乗って『残念でした』と笑う香織。

こいつら、言わせておけば。


「へー、そりゃ大変興味深いな。一体何処に花があることやら」


仕返しとばかりに周りを見回して肩を竦めてみせる。が、直後に両側から鋭い攻撃が俺を襲った。

頭に打撃、鳩尾に本の角がクリーンヒットだ。


かいしんのいちげき

ぐしゃトシヤに580のダメージ

トシヤはたおれた



「あはは、今日も賑やかだね皆」


「「あ、先輩」」


ガラッと扉が開く音。

二人の反応から島先輩がやって来たようだ。


先輩、ナイスタイミングです。俺一人ではこいつらを相手には出来ません。


「あれ、俊也君?大丈夫?」


流石島先輩だ。

蹲る俺の肩に手を置いて優しく語りかけてくれる。まさしく先輩の鏡。


「大丈夫、俊也はいつもこんな感じ」

「そうそう、気にしなくて大丈夫ですよ先輩」


霞と香織は素知らぬ声でばっさり切り捨てていた。

何処が両手に花だ。両手に棘の間違いだな。







挿絵(By みてみん)



「うーむ……」


部活も終わり時刻はすっかり夕方。

綺麗な茜色に染まった空と雲を、俺は自室の窓から眺めていた。いつものデジタルカメラを片手に、視界と画面で交互に広がる空を捉える。


「………良い空だな」


地平線に沈もうと傾いてゆく太陽が流れる雲を通り抜ける。雲と雲の間から光が漏れて、朱色の海に幾筋もの光の線を描き出していた。

幻想的な美しさもさることながら、どこか哀愁も漂うその景色は見るものの心を優しく包み込んでくれそうな包容力がある。


横一線に伸びる地平線と対照的に、雲の間からは放射状に伸びる夕日の帯。

親父に教えて貰った事がある、これは“入日の御光”と言うらしい。


そんな空に丁寧にピントを合わせて撮影をしていく。

幾らか撮ってみたし納得いくものも撮れたが、もう一枚、いやもう二三枚くらいは……


「やっほ、俊也!」


「おわぁ!?」


バンと音がするくらいの衝撃に俺は慌ててデジカメを落っことしそうになった。

振り返ればすぐ隣の家に住む幼馴染みが手を腰に当てて立っていた。

先程家の前で別れて15分くらいしか経っていない。相変わらずの行動力か。


「早かったな」


「そう?

シャワー浴びて、着替えて、ユメにご飯あげてから来たんだけど……」


家は真後ろなのだ。

その程度の事では大した時間などかからない。

因みに“ユメ”とは彼女の家で飼っているハムスターの名前である。



香織は先程の制服とは違って私服姿だった。

グレーを基調にピンクのラインが入ったヨットパーカーと制服と同じくらいの長さのブルーのスカート、動き易そうな格好だな。


「あ、そうだ。

ドライヤー貸して?」


「良いけど、家のはどうしたんだよ」


「家のやつ壊れちゃって、今日お母さんに買って来て貰うんだけど夜になっちゃうから」


言われてみれば彼女の髪はタオルで拭いただけなのか濡れていた。距離が近いせいか仄かにシャンプーの香りが漂う。柑橘系の強すぎず優しいタイプだろうか。


「どうぞ、洗面場にかかってるから」


「ありがと。

じゃあ乾かしてくるから、DVDの用意しといてね」


そう言い残してDVDのケースを俺に押し付けると、勝手に部屋を出ていってしまう。


「人使いの荒い奴……」


全く我が家のような態度だな。

階段を降りる音を聞きながらやれやれとため息をつく。

まぁ、互いに10年以上も出入りしていればそれも当然か。


俺は階段を降りていき─途中洗面場からドライヤーの音がしたが構わずに─リビングへ。

ダイニングテーブルや食器棚がある奥に結構大きめな液晶テレビが置いてある。


家具全般は両親が置いていったもの。

実の息子の育児を放棄し、国外に移住した我が傍若無人な両親は海外の家らしくアンティークな家具を買い直したらしく昔の家具はここに放置していった。

テレビは二年前に親父が突如送ってきたものだ。アナログ放送が終了した記念にとか何とか。


「さて、と……」


テレビの電源を付けて、台にあるHDプレーヤー(自腹購入)にDVDをセットする。

入力切換ボタンを押してソファーに腰を降ろした。



「俊也、ドライヤーありがとね」


「あぁ」


数分後、香織が髪を撫でながらリビングにやって来た。彼女はそのままソファーに、俺の隣に腰を降ろす。


「よしっ、早速見よ!」


「はいはい」


映画のルートメニューから再生ボタンを押す。と同時に香織はソファーの側に立て掛けた鞄からお菓子の袋を引っ張り出してきた。


「ポップコーンとポテチ持って来たわ。だからお茶お願いね」


「またかお前は、相変わらずだな」


「映画はポップコーンって相場が決まってるの」


促された俺は『太るぞ』と呟きながらキッチンに向かうと、冷蔵庫からお茶をコップに注いで持っていく。


「ほら、もう始まるわよ!早く座って座って!」


「お前が取りに行かせたんだろっ」


テレビの前のちゃぶ台にコップを置いた途端、服の袖を引っ張られてソファーに引きずり戻される。


間もなく、画面にはプロローグが流れ始めた。







映画はマイナーらしいが中々面白かった。

主人公が未知なる宝を、そして隠された歴史を求めて敵対する組織と戦いながら冒険をしていく物語で、アクションあり、謎解きあり、笑いありの感動ありのエンターテイメント性溢れるものだ。

テンポが早く且つ派手で、常にハラハラと中々安心して見られる場面が少なかった。


が、俺は別の意味で安定して見られなかった。

例えば主人公が敵対する組織に見つかって逃亡するシーン。


「ああ!危ないっ!」


「のわっ!?」


銃弾が当たりそうになると隣の香織がそう叫んでいきなりこちらを両手で押してきり。



例えば内戦で荒廃した中東の町で主人公が仲間と共に銃器を使って迫り来る戦車と戦うシーン。


「そこ!

今よ、撃って!!」


「痛い……」


二三発、こちらに鋭いパンチが飛んできたり。



例えば海底に沈んだ海賊船の手掛かりを求めて古代遺跡に入った主人公が引っ掛かった罠に翻弄されるシーン。


「きゃあ!」


「………」


壁際から飛び出してきたゾンビに悲鳴を上げてこちらに飛び付いてきたり、と。


まぁ他にも色々彼女のアクションはあり、落ち着いて見るという事は難しかったが。



それらを差し引いても中々引き込まれる内容だった。


「「………」」


そしていよいよクライマックス、未知なる歴史へと到達する為の謎解きだ。

と、ここで香織がリモコンを取り一時停止のボタンを押して見せた。そしてこちらを向いてくる。


「俊也、この謎解きで勝負よ!」


「勝負?」


「そう、この謎の答えを俊也が当てるの。

それで、外れたら俊也が今日の晩御飯を作るのよ」


……ちょっと待て、色々言いたい事はあるが取り敢えず二つ。


「お前は今日、俺の家で飯を食っていくつもりなのか?」


「勿論」


「………」


何食わぬ顔で肯定された。

そこまでキッパリ言われると別に良いかと思ってしまうのは俺の弱さだな。

それではもう一つ。


「外れたらって、当たったらどうするんだよ」


「んー、特に無し?」


「おい」


特に無かったようだ。

香織のお母さんの帰りが遅く自分で作るのも面倒になった、といった所か。

どの道選択肢は一つになる事は目に見えていた。


「じゃあ勝負ね」


「お前かなり一方的な」


こうなったら意地でも当ててやる。

俺は今後の展開予想を口にしてリモコンの再生ボタンを押したのだが……



40分後……




「はぁ……」


結局俺の答えは的外れだった。

クライマックスはどんでん返しの連続、まさかあんな展開がまっていたとは。

映画的には成功だろう、試聴者の予想を大きく裏切る事が出来たのだから。

いや、良い作品だった。

もっとメジャーになってめ良かったと思う。



しかし、その為に俺は今晩御飯を二人分作らされていた。献立は無難な所でビーフシチュー、ルーに具材を切って煮込むだけだ。


今日は楽してコンビニで済ませる予定だったのにな。



「というか、俺はあんまし料理得意じゃ無いんだけど……」


ソファーに座ってテレビを見ているであろう香織に憎まれ口を一つ飛ばす。


彼女は料理が美味い。レパートリーも多いし、味付けも上手い、手際も良い。

反して俺は普通、だと思う。一人暮らし状態になってから毎日コンビニやスーパーでは流石に飽きるからちょくちょく作ってはみたりしていたが、せいぜい人並みあるかないかといった所。

だからよく彼女の家にはお世話になっていた。



話を戻すが、俺が作るより香織が作った方が良いだろうから『手伝え』という意味を込めたつもりだったが。


「良いの、今日は何となく俊也の料理が食べたい気分だから」


「相変わらず達者な口だな……」


「いやいや、それほどでも」


褒めて無い。


香織にさらりとかわされてしまったので仕方なく、俺は鍋の中をかき回して肉が柔らかくなるのを待つのだった。



「それにしても、俊也ってキッチンに立つの似合わないよね」


毒薬でも入れてみるか。





感想、意見、指摘等々よろしくお願いいたします!!

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