おいおい、何故行き倒れなんだ
幼馴染みってやっぱり良いですよね。
近すぎて意識出来ないとか、それをある日突然意識してしまうとか。
現実でもあったらなぁ(笑)
「なぁ、進一。
動かなくなったぞ」
「ああ、なったな」
「死んだのかな?」
「さぁな……」
顔を見合せる俺と進一。
俺達の前には力無く倒れた男子生徒が一人。ボロボロになった学ランに至るところに付いた生傷が目立つ腕。
明らかにただ事では無い。
そしてそのズタボロになった男子生徒が今わの際に俺達の目の前でたった今力尽きたのだ。
これは事件の可能性が極めて高いだろう。恐らく揉め事か何かで何者かに襲われて瀕死の重傷を負い、何とか逃げ延びたがこの場所で限界に達したのか。
明条学園殺人未遂事件発生、これは一大スクープだ。香織が見たら飛び付く事間違い無しだな。
「ただ、腹減ったとか言ってたぞ」
「………」
進一の言葉と同時に、目の前で倒れている青年から物凄い音が聞こえてきた。グルルルと、それはそれは大きな音だ。
所謂腹の虫が鳴いたという奴だろう。
どうやら殺人未遂事件では無いようだ。が、このお腹の音量……この男、餓死寸前じゃないのか。このまま放っておいたらやっぱりマズい事になりそうだ。
「えっと……」
確かさっき購買で買った焼きそばパンがあったな。
それで何とかなるだろうか。
ビニール袋から取り出したパンを右手に、倒れている男子生徒の頭上に掲げてみせた。
「……食うか?」
「っ!!」
うおっ。
言うが早いか、いきなりソイツは顔を上げてきた。
首まで伸びた緑色のボサボサした髪の毛に褐色の肌がよく目を引く青年だ。
日本人か?
「わ、ワシにくれるんか!?」
「あ、あぁ……」
喋ったよ、日本人のようだ。
つーか“ワシ”って、一体何弁を話しているんだ。
「あ……」
ハッと俺は手に持っていた筈の焼きそばパンがいつの間にか消え去っている事に気付く。
「はぐっ、もぐっ!!」
その焼きそばパンは起き上がった男子生徒の手に移っていた。
バクバクとまるで効果音でも聞こえてきそうな程凄まじい勢いで、褐色肌の青年は焼きそばパンを食らっていく。
まぁあげるつもりだったから良しとしよう。
「凄い勢いだな……」
「よっぽど腹減ってたんのかな」
生への執着か。
俺達は今、限界に立たされた人間の生き残ろうとする姿を呆然と見つめていた。
「むぐっ!?
むぐぐぐ……!!」
慌てて食べたせいか喉に詰まらせたようだ。俺はパンと一緒に買った麦茶を急いで取り出す。
「はい、お茶」
「んぐぐ……!!」
ペットボトルを持った手を伸ばすやいなや、青年は勢いそのままにそれを奪い取りぐびぐびと飲み干していく。
「ぷはぁっ!」
「「………」」
ようやく窒息の危機から脱したのだろう。ペットボトルを口から離し大きく息を吐き出すと、口元を拭って胸の辺りを擦る青年。
「ふぅ、助かったわ……」
俯き加減になった朱色の瞳は細くギラリと鋭い、まじまじと見つめられたら喧嘩を売られていると感じる程に。
俺と進一は黙って頷き合うと、一歩だけ青年の方に足を進める。
「おい、大丈夫か?」
「おぉ!」
声をかけると青年は顔を上げて俺をジッと向けてくる。かと思うと、いきなり土下座せんばかりに頭を下げてきた。
「あんがとぉ!
お前さんのお陰でわしは、わしは生き延びる事が出来た!!」
「あ、あぁ……」
「お前さんは命の恩人じゃあ!」
んな大袈裟な。
たかが焼きそばパンをあげただけで恩人とはまた。
それ程までにギリギリ、冗談では無く本当に餓死寸前だったとでも言うのか。
かなり大きな声─周りに生徒の姿が無いので余計に響く─で話してくるその男子の勢いに少々たじろぎつつも頷く。
「しかし、すまんの。
食い物を恵んでくれたばっかりに……」
「いや……まぁ、そっちの方が大変だったろ。気にしなくて良いよ」
再び頭を下げる彼に俺は問題無いと手を振る。
事実、彼は倒れる程に腹ペコだったのだ。この場合、血の流れている人間ならば行動の優先順位は明白だろう。
「な、何と……!!
己の事より他人の事を真っ先に考えているとは……
わしぁ、わしぁ感動した!!」
「は?
いや、それは偶然で……」
別に真っ先に考えた訳じゃ無い。パンを持っていたのも倒れた彼を発見したのも全て偶然、本当に偶々の出来事に過ぎないのだ。
だというのに、彼はこちらに全く構う事無く勝手に感動し始めていた。
「こんな世知辛い世の中でも、人情を忘れない奴に出会えるとは!!感動、感動じゃあ!!」
「………」
何だろう、もう何をどう言っても聞いてはくれそうに無い気がする。一度信じたらとことんまで突っ走る感じだな。
随分と喜怒哀楽の激しい性格のようだ。喋り方もかなり特殊だし、一度会ったら忘れないタイプだな。
俺は勝手に盛り上がっている目の前の男をぼんやりと眺めていた。
「わしは近藤弦。
こん春から明条学園に世話になる事になったもんじゃ、よろしゅうの」
この春から世話になる……つまり編入生って事か。
この校舎に居たということは恐らく一年生なのだろう。
「俺は藤咲俊也、よろしく」
「東堂進一だ。よろしくな」
俺と進一は一旦顔を見合せて自己紹介を返した。
すると彼は俺達を交互に見て大きく頷いた。
「俊也に進一じゃな!!
わしの事は弦呼んでくれや」
いきなり名前か。
中々フレンドリーな人間のようだ。
いや、こういった性格は羨ましい。自分には無いものだから、素直に感心してしまう。
「しかしの、お前さんにはわしの命を救って貰った、一宿一飯のとてつもなく大きな恩義がある……」
泊めた覚えは無いが。
「このまま何もせんのは男として名が廃る。くっ、今せめて何か礼が出来れば……」
「いや、だから気にしなくて良いって」
困ったような表情になる弦に俺はひらひらと手を振ってそう返す。
生憎思い付かなく悔しいと、まんま彼の顔に書いてあったので少し可笑しくなった。随分とまぁ分かりやすい性格だな。
「何という慈悲深い男気じゃ……!!
己に何の見返りも求めずに相手に思う御心……」
それもう良いからさ。
「ここまでされりゃ、男、近藤弦。お前さんの恩義を受けるとしようかのぉ!!」
「あー、はいはい。そうしてくれ」
やたらと大袈裟ではあるが物分かりは割りと良い方らしい。
「さてと、そろそろ教室に行くか。もうすぐ体育館移動だしな」
「ん、そうだな」
ふと進一が腕時計をかざしてそう言ってきた。
確かにそろそろオリエンテーションが始まるので、教室に戻らないとな。
「お、そうじゃった。
俊也達はどこの教室なのかの?」
「俺達は一年C組だぞ」
ポンと手を打って思い出したように尋ねる弦に対し、進一が廊下のずっと先の方を指さしてみせた。
因みに俺達が今居るのは第一校舎の一階。しかし辺りにあるのは準備室や科目室等で生徒の教室からは遠く離れた廊下の為、新学期間もないこの時期に生徒の姿は見当たらないのだ。
話は戻るが、進一が『C組』と口にした途端、弦は大きく目を見開いて驚きを露にする。
「おお!!
何という偶然じゃ、確かわしも同じ教室だった筈じゃ!!」
「「………」」
同じ教室、つまりは彼も一年C組という事になるが。
「えっと、お前朝のHRに居たか?」
いくら朝ぼんやりしていたとはいえ、こんなインパクトの強い奴がいれば流石に気が付く筈だろう。
俺が首を傾げると弦は大きく口を開けて笑ってみせる。
「あっはっは!
わしはついさっき助けられたばかりだからの。朝も教室にはおらんかった。昨日の夜から記憶も曖昧じゃあ」
昨日の夜から?
この男は一体何を言っているんだろうか。
進一も呆気に取られたような表情で返す言葉に窮しているようだった。
「いやぁ、わしは遠くの田舎からはるばる来たんじゃ。そんで、都会者に舐められんようにと実は一昨日の朝からここに来とった」
一昨日って入学式の前日なんだが。
「だけんども、こん学校はばか広くての……迷いに迷い、気付いたらここに倒れとったという訳じゃ」
「「………」」
色々とツッコミ所があるのだが、つまる所彼は一昨日の水曜日から今日の金曜日までこの学校に居た、という事になるようだ。
俺と進一は曖昧な表情で視線を交わすと、呆れたように頷いた。
「なるほど、そりゃ朝のHRにも居ない筈だな」
「納得する場所が違くないか俊也」
「あっはっは!
危うく三途の川渡りかけてたからの、そんな暇無かったっちゅー話じゃな、はっはっは!」
けらけらと愉快そうに笑う弦の声は人の姿が見えない廊下には嫌に響いていく。
この男は死にかけたというのに全く気にしている様子が見られない。一々と気にしないのか、香織と性格が似ているような気がするな。
キーンコーン……
そうこうする内に、廊下にお決まりのチャイムの音が鳴り響いた。俺は無意識に天井を見上げる。
「おっ、もうチャイムが鳴っちまったぞ。こうなったら直接体育館だな、二人とも」
「体育館?
何ぞあるんか?」
「集会だよ、行こう」
体育館に向けて歩き出す進一にはてと首を傾げる弦。二日間も路頭(という名の学校)を彷徨っていたのだから予定もしらないのだろうか。
俺は彼の肩を軽く叩いてそう告げると、先を行く友人の後に続いていった。
体育館は校舎の隣に広がるグラウンドの更に奥にある。校舎から体育館に繋がる廊下を使って俺達三人はやや急ぎ足に進んでいく。
「お、皆もう集まってたな」
室内の廊下からグラウンドの見渡せる野外廊下へ。
体育館付近にはオリエンテーションに参加する一年生の集団が列に並んで進んでいる姿が見えた。
ちょうど良い、移動中のこのクラスに紛れて体育館に入ってしまおう。
「おっ、俺達のクラスじゃないか。ほら、穂坂や桜も居るぞ」
「だな」
何と偶然、前方に居たのは自分達のクラスだった。進一の指差す先には香織の姿もある。
彼女はクラスの女子数名と楽しそうにお喋りをしていた。新しいクラスにもう馴染んでいるのか、流石香織だな。
その輪の中には勿論愛華の姿もあった。時折楽しそうにクスリと口元に手を当てて微笑む。
何て可愛らしい事か、今日は良い日だな。
彼女が上手くクラスに溶け込む事が出来た事に安堵をしつつ、目立たぬようC組の集団にそっと近づいて……
「あ、俊也!」
「………」
しかし残念、早速目立つ事になってしまった。
アイツは……人前で名前を叫ぶなと何度言えば分かるのだろうか。
予想通り周りの人間から一気に視線が集まってくるのが感じられる。
そんな居心地の悪さを感じている俺にはお構い無しに、彼女はこちらに向かって歩いて来る。
「もう、何処行ってたのよ?いきなり居なくなっちゃうし、チャイム鳴ってもずっと戻って来ないし……」
「あー……」
頬を膨らませる香織に俺は曖昧な反応になってしまう。真っ先に教室を出たのもそうだが、遅くなった理由は一々説明するのも面倒だ。取材がどうとか言い出すに違いない。
適当に誤魔化しておこうか。
「腹減ったからさ、購買に行ってたんだよ」
「あ、蘭さんに会ってたの?」
「そ。んで色々あって遅くなったんだ」
「あはは、俊也っていつも蘭さんに怒られてるもんね」
嘘では無い。実際購買に行ったし蘭さんにも怒られた。まあ、時間をくったのは別の理由だが。
楽しそうに笑う香織に周りの視線が集まるのを感じた。香織と話していた女子達を見ても興味深かそうにこちらを見つめている。
俺は目線だけで『友達が待ってるぞ』と促してみると、彼女もそれに気付いたのか会話を切り上げた。意志疎通成功、こういう時に幼馴染みという関係は便利なのかも知れない。
「俊也、放課後は部活だからね!」
「はいはい」
香織はくるりと背を向けるとそう言い残して女子グループの元に戻っていく。周りの視線も徐々に外れていくのを感じた。少し安堵。
すると、隣からコンコンと小突かれる。見れば進一がニヤリとした表情でこちらを見ているではないか。
「いやはや、相変わらず仲良いなぁ」
「何だよその表情は……」
「いいや別に」
彼の妙に何か言いたげな顔が気になったが、遮るかのように後ろから弦がぬぅっと顔を出してきた。
「中々元気な女じゃのぉ。俊也の知り合いか?」
「あぁ、アイツは……」
『ただの腐れ縁だ』
俺が答えようとするも、進一がずいっと前に出て小指を立てて見せた。
「馬鹿、野暮な事を聞くなって。コレだよ、コレ」
「コレ……おぉ、コレか!」
少しの間を置いてなるほどと理解したように同じく小指を立てる。
「やっぱり都会者は進んどるのぉ!俊也も隅に置けんわい!!」
「くっくっ……」
喧しい程の音量で盛り上げる弦に肩を震わせて堪えている進一。
あろうことか、また周りの視線が集まり始めた。
「はぁ……」
俺は二人の小指をへし折ってやりたい衝動に駆られながらも、一々ツッコム気にもなれずに力無くため息をつく。
そのまま生徒の集団は流れていって、俺達は体育館に入っていくのだった。
*
『えー、ですから。我々生徒会としてはですね、皆さんの安全且快適な学生生活を……』
「ふわぁ……」
体育館に響き渡る退屈な演説をBGMに、俺は一つ欠伸を噛み殺した。
ステージの中央には生徒会長の男子生徒が立っており、体育館内に集まった自分達に向けて何やら熱心に話をしている。
髪は七三分け、学ランはきっちり第一ボタンまで閉めておりぐるぐる眼鏡をかけているまるで漫画に出てきそうな程、典型的な真面目君の格好だ。
(ぐるぐる眼鏡ってホントに掛けてる奴がいたんだな……)
俺は半ば呆れつつも、その生徒会長の身なりを何とはなしに眺める。勿論話はさっぱり頭に入ってきていない。
名前は知らないが多分三年生だろう、昨年から生徒会長をやっていた筈だ。見覚えはある。
今年の秋で生徒会長を交代するようだが、次期会長は一体誰になるのだろう。
(ねぇ、俊也)
(?)
(新しい会長って誰になると思う?)
ぼーっとステージを眺めていると隣の香織が小声でそう話しかけてきた。彼女も同じ事を考えていたようだ、可哀想にきっと会長さんの演説は聞いてないのだ。
(さぁな、見当も付かないね)
(うわ、冷たい反応……
退屈そうだからせっかく話しかけてあげたのに)
(誰が会長になろうとどうだって良いだろ)
まさしく。
正直今の会長すら名前は愚か顔すらおぼろ気だったのだ。それ程までに俺個人に差し障りの無い事なのである。一生徒の思考なんてそんなものだ。
(もう、俊也には新聞部としての自覚しなさいよね!学校事情には常に敏感になっておかないと)
(お前が居るから別に良いよ)
(出た、俊也の他力本願)
信頼、と言って欲しいな。
ジト目になる香織を軽くいなしつつ、俺は再びステージの方に視線を戻した。
『えー、であるからして。我々は今、学業を修められるという幸せに感謝して、また我々を支えてきてくれたご両親、親戚の方々、周りの友人達に……』
演説はまだ暫く終わる気配は無い。というか、もう生徒会の話ですら無くなっているような気がする。
仕方ない、斜め前の方に座っている愛華の横顔でも眺めてのんびりしているか。
(えいっ)
(つっ!!)
と思っていたら、いきなり脇腹をつつかれた。くすぐったいような痺れるような、ともかく奇妙な感覚に思わずびくんと肩を震わせてしまう。
(あはは、アンタ相変わらずここ弱いのね)
原因は勿論隣の幼馴染みだ。
何でじっとしていられないんだこの女は。
(おまっ、また小学生みたいな事を……)
(だって、つまらないだもん)
もんって、そんな事を俺に言われても困る。ちょっと可愛かったが。
(あ、そうだ。
今日部活が終わったら俊也の家に行っても良い?)
(『良い?』って、いつも勝手に来てるだろ、何だよ今更)
赤の他人であれば不法侵入紛いの行動も少なく無い。
(そうだけど……何となく)
(?)
ただの気まぐれか。
昔から彼女が読めない事も時にはあったけれど。
(まあ、別に良いけど。
何かあるのか?)
(そう、友達から面白いって評判のDVD幾つか借りたのよ!
一緒に見よ?)
(ホラーか?
お前また帰れなくなるんじゃないのか)
(う……確かにホラーもあるけど、今日は違うわよ。アクションもの!)
こいつは怖がりの癖にそういった類いの物が好きだから質が悪い。
この前B級ホラー映画を見た時は家に帰らずに泊まらせていく羽目になった。
見たのが夜─ホラー映画は夜に見るのだと彼女自身が提言─だったとはいえ、帰れなくなるくらいなら初めから見なければ良いのにと常々思う。
因みに香織の家はうちのすぐ真後ろだ。徒歩にして約10秒くらいの距離、本当にすぐ近くなのである。
その時は香織の両親が留守だったので仕方なかったのかも知れないが。
(一人は嫌だって、お前が俺のベッドを使うから俺は床で寝たんだよなぁ確か)
(い、良いじゃない。可愛い幼馴染みと一緒だったんだから)
自分で言うな。
しかも眠れないからといって夜遅くまで話に付き合わされて大変だったんだぞ。
(ま、その話は置いといて)
簡単にポイ捨てされた。
(とにかく、部活終わったら。ね、俊也)
(分ァったよ)
言い出したらどうせ聞かない奴だ。
それに今日は予定も無いし、わざわざ断る理由も無いだろう。
俺は軽く頷いて了承の意を示した。
『……以上を、生徒会長である私の言葉とさせて頂きます』
ちょうどあの会長の長ったらしい演説も終わったようだ。そろそろオリエンテーションも終了かな。
『えー、続きまして学園の施設案内に移りたいと思います』
って、まだあるのか。
あの会長、自分の持ち時間をどれだけオーバーしていたんだ。
(で、どんな映画なんだよ?)
(えーと、ね)
真面目にオリエンテーションを聞くつもりは無いので、もう少し彼女と会話を続ける事に。
(海底に沈んだ海賊船を目指して主人公達と悪の組織が対立しながら冒険する話だって。アクションアドベンチャー、かな?)
(イ○ディージョー○ズみたいなもんか)
(かもね。
マイナーだけど面白いって)
なるほど、そういった類いの映画は嫌いじゃない。
寧ろ好きな方、マイナーなら尚更だ。
(でも、その前に部活よ部活!今日で記事を終わらせないとね!)
(ま、頑張ってくれ……)
やる気十分の香織に適当な言葉をかけると俺は今度こそステージの方に目を向けた。時々愛華の方にも視線を向けて目でも合わないかなと期待してみたり。
それから数十分に渡り長々と続くオリエンテーションの終わりをまだかまだかと待ち続ける俺であった。
次回は部活と自宅の話。
投稿されたオリキャラがちょっとした形で登場する予定です。
ではでは




