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僕らの戦情記  作者: 謎沢
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第1話〜第10話

=第1話 異次元=

私がこの話を聞いたのはいつだろうか。多分、そう遠くの話ではない。時空というのを超えたいがためにタイムマシンを作った少年というのがいたそうだ。しかし、時空というのは怖いものである。その時空で起こったあるひとつの物語でも語ってみることにしよう。


ある日、いつもと変わりなくゲームをしていた少年がいた。名前は勝田と言った。なぜこの字になったかというと、父親が茨城の勝田出身で、それをただ、しょうたと読んだだけだった。

勝田(かつた)は、R.P.G.のゲームに熱中していた。それは、いろいろな部族が対立し、それをやっつけていくというゲームだった。しかし、今日だけは調子がおかしかった。プレステーション3に入れたものの、なかなかゲームが始まらなかった。

そして、さらにおかしなことが出た。それは、いきなり妖精が出てきたのだ。

「こんなのゲームに仕組まれていたっけ?」

勝田がそんなことを考えていると、妖精が話しかけてきた。

「ねえ、君は世界を救ってくれる。」

妖精の問に勝田は応答しなかった。

「ねえ、聞いてるの。」

そのまま無視をし続けた。そして、妖精はある呪文を唱え始めた。

「なんだ、なんか展開を有利にしてくれるのか。」

そう思った瞬間、いきなり異次元空間が口を広げた。

そして、勝田は、謎の世界へと吸い込まれていった。

勝田が気づくと、そこは、森の中だった。周りには、部屋のものはなかった。

その代わりといっては何だが、少年が一人いた。

「目を覚ましたか。」

少年は勝田に声をかけた。

「うん。ところで、ここは、」

勝田が聞くと、少年は驚いた顔をした。

「なんだい、君はここを知らないのかい。ここは、この地区では恐れられている場所だというのに・・・。」

そして、少年は言った。

「ここは、|死人の森さ。昔、危機が起きた時に、人々が逃げた森なのだが、その人たちは皆死んでしまった。その霊がこの森に出るといわれている。」

そして、少年は駈け出した。

「こんな不気味なところにいたってしょうがない。近くにある僕のテントにおいでよ。」


=第2話 荒れ狂う世界=


「ヘクション。」

勝田はくしゃみをした。

「大丈夫か。はい。」

少年は、勝田にミルクを持ってきた。

「ありがとう。」

そして、少年は言った。

「あしたにでもここを離れるか。」

「一体、どういうこと。君はここに住んでいるんじゃ・・・」

「いや、僕は、国から追いかけてられているんだ。」

少年の言葉に、勝田は驚いた。少年は話を続けた。

「この世界は、もうだめなんだ。何もかもが。」

「それって、どういうこと。」

勝田が少年に聞いた。

「僕は実は、兵役で宇宙へ行っている年なんだ。」

「宇宙?」

勝田は空を見上げた。

「ああ、今、世界は、宇宙と、地上で紛争を起こしている。」

勝田は少し驚いた。そして言った。

「しかし、なんで逃げ出したの。」

「それは、僕を国は殺そうとしたからだよ。」

それに勝田はさらに驚いた。

そして、少年は、さらに話を続けた。

「この国では、子供が生まれて、そして、小学校5年のときに、兵軍学校というところで、男子はある試験を受ける。それは、軍隊入団。男なら、誰もが逃げられないものだった。そこでは、体力・病気診断を行った。ここまでは普通なのだが・・・」

少年は泣き始めた。勝田は、少年を抱いた。

「大丈夫。俺と一緒に行こう。」

それに少年はうなづいた。すこしたった頃、まだ少年は口を開いた。

「僕は、友達をなくした。なぜなら、その試験に合格できなかったものは、夢の国というところに連れて行かされる。そして、そこで厳しい労働が待っているんだ。食事ももらえずに、ただ一日中、働かされる。そして、皆だんだん力がなくなり、亡くなっていくんだ。」

「そうなのか。」

勝田は話を聞き終わると、少し黙ってしまった。

[この国によって、少年たちが困ったことになっている。助けなくちゃ。]

そういう心が芽生え始めた。それと同時に夜が明けようとしていた。


=第3話 移動=


そして、朝が来た。勝田は、朝から、少年と一緒にテントを片付けたりしていた。

少年が言った。

「僕は、一人でも大丈夫だ。別について来なくても・・・」

「いや、別にいいよ。国の人がかわいそうだから。」

勝田はそう少年に答えた。

そして、勝田と少年はその場所を後にしようとしていた。

「忘れ物はないな。」

少年はあたりをみまわして、自分のものが落ちていないか確認をした。

「そういえば、自己紹介、まだだったね。僕は、順平。」

「俺は勝田。」

そして、順平と勝田はそこを後にした。

「昨日はありがとう。」

順平は言った。

「いや。僕のほうこそありがとう」

と、勝田は返事をした。

「そういえば、それ何?」

順平は、勝田が持っていた機械を指差した。

「ああ、なんだこれは。」

「こんにちは、順平君。勝田君」

機械からの声に順平と勝田はびっくりした。

「ごめん、私、妖精のラウルです。よろしく。」

「よろしく」

二人は同時にラウルに声をかけた。

「よかった。これで三人だね。」

そして、順平と勝田は道を進んだ。

「そういえば、順平はどこに向かっているんだい。」

「それは、第二の都市、カスパさ。」

「順平はそんなところ行って大丈夫なのか?」

勝田の問に、順平はうなずいた。そして、地平線のかなたから町が見えてきた。

それがカスパだった。これから一体どんなことがおこるのであろうか。


=第4話 検問=


カスパの町の前には、検問があった。

「あれ、こんなところに検問なってあったかな。」

そんなことをいるうちに、検問所の職員がきた。

「そこの少年。ちょっと。」

それは勝田にかけられたものだった。

「あっ。」

順平が気づいた時には遅かった。

順平は、変装していたので、なんとか捕まらなかったか、背も少し高い勝田は、あっけなく職員に連れて行かれてしまった。

勝田は町の警察機関に連れて行かれた。

「危なかった。もしも反乱や強盗を起こされたらたまったもんじゃない。」

警官は勝田にはき捨てるように言った。

「さて、じゃあ、軍人権検査センターぐんじんけんけんさせんたーに送る準備ができたようだ。おい。こっちへ来い。」

そして、勝田は黒いバンに乗せられ、軍人権検査センターに連れて行かれた。

軍人権検査センターは3階建てで、ちょっと古かった。今の日本で言うなら、昭和50年制と言ったほうが分かりやすいかもしれない。鉄筋コンクリート造り、外壁には茶色いタイルが貼られたビルだ。

そして、担当の職員は言った。

「すいませんが、ここに書いている用紙の順番でこれから、私と一緒にまわっていきます。」

そして、勝田と職員は、暗い廊下を歩いていった。

廊下の突き当たりには、体育館みたいなところがあった。まず、測ったのは、身長・体重(重くちゃぁ、乗せられないもんな)・座高(高すぎちゃぁ、乗れないもんな)・視力だった。

「では、身体能力行きますか。」

そして、腹筋・反復・短距離など、基本的な能力を測って行った。


=第5話 国のために=


勝田たちはなんとか基本的な能力は測り終わった。

そして、次の日、結果が出た。

「すべての項目が出来ていますね。」

職員は勝田にそう言った。しかし、このときはまだ平和だった。

そして、勝田はカスパの町にある。役所の軍事課の課長のところへ連れて行かされた。

課長は言った。

「君を処罰する気は私にはないのだが、国からじきじきの命令があって、処罰を下さなければならない。前はこんなことなどなかったのに。」

そして、課長は言った。

「国からの罰則ばっそくとして、隣町となりまちヒムラの科学施設にて、実験台として罪を償うこと。」

それを読み終わったあとの課長の顔は泣きそうだった。そして、勝田にその令状が渡された。

「ごめんな。」

課長は勝田に言った。勝田の心の中には国への怒りと課長への悲しさが混ざった。

勝田は言いたかった。しかし、この状況で言えるはずがなかった。課長は努力してくれたように思えた。しかし、こんな結果になってしまったのだと勝田は認識にんしきした。

そして、勝田が発言をしないうちにまた黒いバンに乗せられ、カスパを後にした。


研究者の昭二しょうじは、ある日こんな話を持ちかけられた。それは、国の役人からだった。

「昭二さん。ちょっとお時間いいですか。」

それに昭二は返事をした。

「実は、ヒムラで、ロボット機械を作ろうとしているんです。」

役人が話したことに昭二は驚いた。

「一体・・・」

昭二は科学の進歩かと思ったが、役人はさらに言った。

「もしかすると、昭二さんが思っていることと違うと思いますので、それの設計図をお渡しします。」

そして、昭二に設計図が渡されて、それを見た。そこにはなぜか人間が入るところがあった。

「これは・・・。」

それを言おうとした時、役人はもういなくなっていた。


=第6話 勝田を救うために=


そして、カスパの町の中では、ある少年が捕まって、この機械に入れられることが噂になっていた。

昭二は、どうしても許せなかった。国に不信感を抱いた。そして、次の日、あの役人のところへ行った。

「参加させてください。」

その言葉に役人は喜んだ。昭二は、国の中で優秀なのだ。

役人は言った。

「では、案内を自宅に送付します。それをご覧になってからお越しください。」


順平も町の噂を聞いていた。そして、警察の前で、ひそかに黒いバンに忍び込んだ。

なぜか、バンには大きな箱があった。多分、捜査用に使うのだろう。順平はその中に隠れていたのだ。

バンは、砂漠地帯を通り、隣の町、ヒムラに着いた。そして、勝田は研究施設の地下室に放りこまれた。

地下室にはもう一人、少女がいた。勝田は声をかけた。

「やあ。」

それに少女は返事ひとつ返さなかった。

勝田は退屈たいくつな時間をすごした。なんと、食事もでないのである。しかも、少女はぜんぜん反応しなかった。そして、いつのまにか夜になっていた。勝田はやることがないので、寝ることにした。コンクリートの床の上に無理矢理寝た。コンクリートの床は冷たいが、布団などいいものはなかった。

勝田は夢の中で見知らぬ少女と出会った。あの少女ではない。見たことのないような少女だった。


=第7話 死神の少女=


その少女は、勝田に話しかけた。

「もうすぐ。私の出番のようね。その前に仲良くしようね。」

そして、勝田のほほにキスをした。それに勝田は驚きと変な感触を覚えた。

まさか、いきなり夢の中でキスされるとは・・・。

しかし、再び勝田は不思議な気持ちになった。あの少女はという思いだった。別に恋とかそういうものではない。ただ、勝田には少女の発言が気になっただけだった。

その少女は目の前で勝田を見つめている。そして、声をかけた。

「びっくりさせちゃったみたいね。でも、私、恋しちゃいそう。今までこんなかわいい少年を連れてってなんかいないもん。」

勝田はさらに心がうずうずしてきた。思春期ししゅんきっていうのはそういうものなのであろう。

しかし、連れて行くという言葉引っかかって、ついに少女に聞いた。

「ねえ、一体、僕をどこに連れて行くの。」

それに少女は怖い顔をしていった。

「それは、死後の世界よ。」

それに驚いた勝田は目を覚ました。もう朝だった。

そして、奥にいた少女は冷めた目で言った。

「あなたって、これから何されるか分からないのによくのんきに寝てられるわね。それに昨日だって、よくまあ、話しかける勇気があったものね。誰か助けにでも来てくれるの。幼稚園児でも。」

「いや、別に。」

勝田は良平のことを思った。良平は今どうしているだろうか。そして、助けに来てくれないだろうかと。

そして、ついに研究所の職員に誘導されて、検査室に呼ばれた。そこで、最終的な検査を行い、それから機械の中へ入れ、そして、医師によって、脳を停止した状態で生殖せいしょくできるようにするという流れだ。つまり、ここを過ぎれば、あの少女と一緒にあの世へ行かなければならなくなるのだ。そして、検査は始まった。


=第8話 勝田奪い返し大作戦=


門の前に怪しい少年がいた。

「君は、だれ。」

昭二は聞いた。それに少年は驚いた。

その少年とは、良平だった。

「僕は、勝田を助けに来たんだ。」

それに昭二たちは驚いた。

「僕たちもだよ。いい方法があるんだ。一緒にてつだってくれないか。」

そして、昭二たちは仲間を増やして、研究所に入った。入ったところで、警備員に捕まった。

「君たちは、何の用事でここに来たんだ。」

それに昭二が警備員に言った。

「私の助手で、ぜひともこの研究に参加したいと言って来たんだ。」

「しかし。」

警備員が困っているところに、この研究所の所長らしき人物が現れてこう言った。

「いいじゃないか。こんな経験は若い助手には経験できない。是非とも参加して、学んでいってくれ。昭二さんの助手なんて、とても優秀ゆうしゅうなんだろうな・・・。」

そして、昭二たちはゲートを通り抜けた。人気のないところに行くと昭二が言った。

「よく、通れたな。」

「いや、昭二さんのおかげですよ。」

ペナルテイはそう言った。

そして、昭二は、勝田にいる控え室へと連れて行った。

「ここに少年はいる。」

そして、ドアを開けた。

「誰よ。」

そこには白衣をきた美女が立っていた。

そして良平はそばにいた勝田に言った。

「勝田なんか、美女に鼻の下でも伸ばしてろ。」

良平はその場から逃げ去ってしまった。

「ごめんな。勝田。さあ、逃げよう。」

そして、おいていかれた昭二は勝田と一緒に逃げた。

「待て。」

警備員は、4人を追いかけた。しかし、研究所を飛び出して、しばらく走っていると警備員はいなくなった。

町の検問を通り越して、砂漠地帯を歩いていった。そして、砂漠のど真ん中にオアシスが見えた。

「もしかすると良平はあそこにいるかもしれない。」

昭二はそう言った。


=第9話 オアシス=


そして、オアシスに来ると確かに良平は木陰の後ろにいた。

勝田は急いで良平の前へ行った。そして、頭を下げて言った。

「さっきはありがとう。」

しかし、良平は下を向いたままだった。その状態が何分か続いていた。そして、やっとペナルテイは口を開いた。

「いつから勝田はそうなったんだ。前の勝田のほうが好きだった。」

それに勝田は困った。自分ではそう思っていなかった。

昭二はついに良平に怒った。

「別に、いいじゃないか。男なら通る道なんだよ。ねえ良平。」

それに良平は言った。

「確かにそうかもしれない。しかし、勝田だけにはなってほしくなかった。勝田は、素直だからいいんだ。でも、なんだかだんだん素直さが無くなっていっているようにしか見えないんだ。」

勝田は良平の言葉に何かを感じた。それは何か忘れていたものかもしれない。でもその正体は謎のままだった。

〔自分は何かが変わってしまったんだ。]

勝田の心の中をその言葉が飛び交った。

「慮兵もいい加減にしないか。お前の気持ちだって分かるが・・・」

昭二が言ったが、勝田を止めた。そして、良平に言った。

「たしかに、何かおかしかったかもしれない。でも、俺にはわからないんだ。どこが変わってしまったのか。」

それに良平は言った。

「もしかすると、僕もおかしかったかもしれない。ごめん、こんな迷惑をかけて。」

二人が仲良くなったところで昭二が言った。

「さあ、見つからないうちにどこかへ行かなければ。」

昭二が言った時、砂漠の中に少女が立っていた。

「あの子は、研究所の。」

勝田は驚いた口調で言った。


=第10話 貿易の町ムラヤ=


「さっきはありがとう。助けてくれて。」

少女は昭二に言った。そして、少女は勝田のほうを向いてこう言った。

「よかったわ。ほんとうに、あなたって、運がいいのね。」

それに勝田は困った。別に運がいいわけではない。多分、こんなにいろいろなところでいろいろな相手と戦わなくてはいけないことが運がいいことなのだろうか。

そして、少女はあるところへと姿を消した。

勝田たちも、体制を整え、砂漠さばくを歩き始めた。

二時間後、あの砂漠を越えた。

「ここは、もう他の国だ。たぶんあいつらも追いかけてはこれないだろう。」

昭二はそう言った。

「しかし、なぜ国境がないんですか。」

勝田は変な質問をした。たしかに国境には壁だの軍隊だのがいる。しかし、今通ってきた道には軍隊などは一人もいなかった。

「それは、この国との貿易を事実上認めているからだよ。それに、この国は、平和主義国(へいわしゅぎこく)で、最低限の防衛しかしていないんだ。」

昭二は言った。

「平和主義国?」

勝田はすこし疑問に思った。前、昭二は地球上すべてで戦争が起こっているといった。当然、戦争を起こしたのは各国のはずである。その疑問を持ったまま、ムラヤの都市に入った。

ムラヤの町は今まで見てきた都市よりも大きかった。

町を歩いていると昭二は言った。

「これからどうするか。」

それに皆、何も思いつかなかった。そして、昭二は言った。

「じゃあ、わしの知り合いの研究所にお世話になるか。」

「そうしますか。」

梅園先生はそれに賛成した。どちらにしろ、今日はこの町に泊まらなければならない。

そして、町のはずれにある研究所についた。

「やあ、久しぶり。」

昭二に研究所から出てきた知人はこういった。

「ああ。今日はここに泊めてもらえないか。」

「ああ。いいが。」

昭二たちは何とか宿を獲得したのだった。


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