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過去へ
暫くの時間が経過した。
もう私はしゃべる気にもならず、時の経過を待っていた
まだとても信じられる気にはならないが、これまでの経緯から
ただならない事態に落ち込んで行っているような気がしていた
うっすら辺りが明るくなって行き、
周りが僅かですが、緑がかったり
薄赤色になったり、紫色になったり刻々と変化していきます
そしてとうとう真昼間のような明るさになり、わずかづつ振動が
伝わり始めました。
その時始めてなにか乗り物に乗っているような違和感に陥りました
さあ博士、到着しましたよ
こちらにいらしてください。
と、目の前の壁が急に開き始めた
眩いばかりの光が外からなだれこんで来た
外からの空気が、辺り一面に入り込んで来て、爽やかな
緑の香り、かすかな田舎の香りが立ち込めていた
壁は、扉だった、明るい外界の景色が目の前に広がっていた
ここは、いったい・・・・・
ここは山の中です。
今から下に降ります
博士、ついて来て下さい。
どこかの場所に連れてこられたのだろうが
目の前に広がる景色はどこか懐かしい思い出が
詰まっているような気がしていた・・・・・つづく