最終章 その1
1968年の7月15日の中学校の屋上に私とラックは降り立った、
そこには私を殺そうと狙っている、ギムーラが待ち構えていた
私の大事な娘と、初恋の女性中村真由美さんを
人質として従えていた・・・・
そして、目の前には私の中学時代の私が、初恋の女性を助け出そうと
身じろぎもせずに立っていた・・・
あんたは、誰なんだ、中村さんを離せ!
そう叫んでいた・・
その目の前に、私と、ラックが現れて少し驚いた様子を見せたが
すぐにこちらを睨みつけて、お前たちもこいつの仲間か!
中学時代の私がすこし興奮しながら叫んだ
吉田君、私たちは君の仲間だ、私の娘も今、捕まっている
君の知り合いの女性と一緒に誘拐されたのだ
友紀、大丈夫だ、必ず助ける・・
おとうさん、私は大丈夫、安心して・・
その時隣に捕まっていた、私の初恋の中村さんに声をかけたのは
中学時代の私、、
中村さん、君が捕まり、僕が呼び出されたのは僕が助けるのを
任されたのだと思う、他の大人の人たちも
良く分からないけど、娘さんが捕まって助けようとしている
絶対に僕も君を助ける、何が有っても・・・・
にやにやしながら事の次第を観察していたギムーラは
全くお助けごっこでもあるまいし、助ける、助けると
気安く叫んでくれるじゃないか・・
そりゃそうだよな、恋しい、恋しい初恋の女性と、愛してやまない
大事な娘だからな・・・
安っぽい三流のドラマでもあるまいし、簡単に人が助けられる訳がないだろうに・・・
ギムーラは、この状態をまるで楽しいでいるように、
けらけらと笑いだした
ギムーラもうお前の請け負った仕事は、失敗に終わったのだ
友紀さんと、真由美さんを直ぐに離したら、今回は目をつぶろう
ラックがそう言い終わる間もなく
ギムーラは、その残忍な目つきを博士に向けながら
楽しそうに、口の口角をクイット上げてにやりとした
馬鹿な事を言うな
お前たちの立場の方が、崖っぷちに立たされているのが
分からないのか?
俺がこいつを殺せば、今までの世界が何の問題もなく続いていく
これこそが道理ではなのかね・・・
その不敵な微笑みは、ぞっとするくらい寒々しいものだった
その時、真由美さんがふいにギムーラの体に体当たりしたのだ
よろめいたギムーラは、すかさず真由美さんをねじ伏せて
テレパシーで、彼女を混乱させた・・・
痛い・・・やめて!
その時、中学時代の私が、ギムーラに飛び込んで行った・・・・・つづく